勝手に市場調査 in台湾【冷凍食品・うどん編】
前回のお好み焼きに続き、今回は台湾における冷凍うどん事情をリポートします。前回と同様に価格帯の異なる台湾の各小売店で、日本の冷凍うどんがどれくらいの相場で販売されているのか、その実態を調査してきました。
台湾では、うどんは「烏龍麺」という名前で多くの台湾人に愛されています。
冷凍のお好み焼きに比べて、比較的多くの場所で販売されているのも特徴です。その分台湾現地企業による販売も多く、価格競争が激しいと言えるかもしれません。
それでは以下でそれぞれの小売店で冷凍がうどんがいくらで売れているのか、また売り場の大きさなどから各小売店がどの程度力を入れているのかも含めてリポートしていきます。
台湾国内でも比較的低価格帯の商品が販売されている傾向にあるwellcomeは、中国語で「頂好」という名前で老若男女問わず多くの台湾人が来店します。
高級スーパーの1つ、Jason'sを運営する恵康百貨が運営しています。
前回ご紹介した「全聯福利中心」が登場する以前は、値段にシビアな台湾消費者に最安を売りにする存在だったようですが、「全聯福利中心」の台頭によりそのイメージは薄くなりつつあるようです。
そんなwellcomeで冷凍うどんの販売状況を見てきましたが、結果こちらで冷凍うどんの販売はされていませんでした。念のため常温エリアも確認しましたが、うどんは販売されておらず。。
小売店として販売しないとの判断なのかもしれません。
前回に引き続き登場の「家楽福」
以前に引き続き、豊富な品揃えで人気の家楽福も調査しました。
こちらでは台湾現地企業の冷凍うどんが1食あたり25元というかなり破格の価格で販売されていました。その他日本メーカーの商品も販売されていましたが、1食あたり55元ほどと台湾現地の商品に比べるとかなり割高な印象でした。
(※ちなみに日本商品のこの金額は他の小売店でもほぼ変わりません)
物流費等の費用の問題もあるかと思いますが、台湾現地企業と日本企業の台湾現地における価格競争力の差が浮き彫りになる結果となりました。
高品質・高級路線の「Citys Super」
台湾において高品質・高価格帯の商品を数多く取り揃えるのが「City's Super」です。
外国からの輸入商品や有機栽培の野菜など、多少の金額を払ってでも
手に入れたい商品を持つ消費者がターゲットとなっている点が特徴です。そんな「City's Super」でも冷凍うどんの販売状況を調査してきました。
こちらでは今回調査した中で最も多い20種類近くのうどんが販売されていました。
1食あたり35元前後、3食パックで150~170元程度での販売が最多でした。
輸入を数多く取り扱うCity's Superで最も多くの種類が取り扱われていることは、当然と言えば当然の結果かもしれませんが、高品質・高価格のイメージが強いCity's Superで最も多くのうどんが取り扱われていることは、台湾消費者のうどんに対するある種のイメージを物語っているのかもしれません。
【番外編】業務用常温うどんを扱う「コストコ」
番外編ですが冷凍ではなく常温のうどんの金額を、日本でも多くの利用者がいる「コストコ」で調査してきました。
最も安い価格で10食入り209元の商品が販売されていました。物流費等を鑑みると冷凍に比べて金額下がるのは当然かもしれませんが、うどんを常時消費する家庭ではコストコでの購入が最もお得になりそうです。
余談ですが、コンパクトシティである台北市内では、自転車やタクシー(安い)、バス、地下鉄などの公共交通機関が発達しているため、日常生活で車が必要になる場面はほとんどありません(東京も同じですね)。
そのため普段使いの小売店では3食などの少ないセット数でセット単価を下げ、郊外型店舗には多めのセット数で1pcsあたりの単価を下げる販売手法が妥当かもしれません。
まとめ
今回は番外編を含めて4つの小売店を調査しました。
お好み焼きに比べてメジャー商品であるうどんは台湾現地メーカーも含めて展開商品の種類が大きい一方、日本メーカーと台湾メーカーでは、
価格競争力に大きな違いがあることがわかりました。
日本に比べて台湾は外食文化と言われます。実際に現地に住んでみると1食100元も出せばローカルレストランでお腹いっぱいご飯を食べることは難しくありません。これは台湾人の一般的な給与が日本と比べて低い傾向にあることが関係しているのは、容易に想像ができることかと思います。
一方で台湾消費者へ日本商品が与える高品質のイメージは疑いようが無く、実際に現地での日本商品の人気には目を見張るものがあります。そのため多くの台湾メーカーが「九州」「北海道」などの名前を店名や商品名に使用しています。
中には本当に日本から来たのか台湾の会社が利用しているだけなのか判断がつかないケースも散見されます。こうした状況も手伝って、高単価の日本商品が「高品質」という部分のみで台湾で成功を収めることは、難しい状況にあるようです。
今後の台湾進出を検討されている日本事業者にはぜひこの点に留意して進出戦略を練っていただきたいと思います。