AIなんて使えない ~ ドンマイコラム【OMOはよくわからないけど、ECも実店舗で考えたら簡単だった】
ベンダの売り込みを真に受け過ぎて失敗する(失敗しながら成長する)人のための、ちょっとやそっとでうまく行かないからってドンマイなコラム
リアルとネットが一体化してお客様に商品とサービスを提供する(OMO: Online Merges with Offline)今日だからこそ、ECが実店舗を凌駕する部分ばかりでなく、リアルな人間の行う接客を実店舗に学びます。
ハレの日消費 vs コモディティ消費
https://ecnomikata.com/column/13879/
EC前線北上中。そうだ、花見に行こう!
https://ecnomikata.com/column/13593/
AIなんて使えない
某クライアントから、「最近うちの社内で難しいことを言うと、『サトってる』って苦笑いされるんです」といったこぼれ話を耳にしました。はい、わたくし佐藤の姓が動詞化しています。正直、私の言葉がミソッカスにされた気分です。
「AI(人工知能)だとかDX(デジタルトランスフォーメーション)だとか、デジタルには追いつけません。」
そんな泣きは日常茶飯事です。でも心配いりません。あなたの商品を買ってくれるのも売っているのも人間です。「ECはコンピュータが売る」という呪いから解放されてください。インターネットの向こう側で買い物をしているのは、犬でも猿でもありません。「ECは人間が買う」のです。
「ツール導入は省力化」と理解すべし。忘れていけないのは「考える力 = お客様を想う気持ち」です。
レコメンドはアマゾンの発明ではない
飲食店や小売店で普通に行われているのを、あなたも見ています。
実店舗と同じ |
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● 当店のオススメ |
売る側のオススメは悩める買物客の背中を押します。あるいは、思いがけず未知の魅力ある商品を発見する助けになります。ECで同じことをすれば、「レコメンド」というカタカナになります。
アマゾン躍進の原動力「この商品を買った人は」も実店舗のパクリに過ぎない
スーパーに行けば、このような陳列を目にしますよね。
これがネットショップでは以下のようになっています。
これはコンピュータによる機械学習の例です。しかし、「牛肉」のページに「焼肉のたれ」を紹介する。これだったら、レコメンドエンジンを買わなくてもできますね。
大事なことは、全てコンピュータ任せにするのではなく、あなた自身の消費者視点を忘れないことです。逆に、ツール任せにすると、どの商品でキャンペーンしたらいいのかもわからなくなります。「その商品を使用・消費する場面やヒトも想起させましょう」と言われると難しく感じるかもしれませんが、あなた自身が知っています。
箸を持って待ってる同居人はいませんか。自分や身近な人に改めて想いを寄せ、心を膨らませてください。それだけで、今日からバナーやメルマガも生き生きとしたものになるはずです。
余談ですが、ここに掲げた写真は全て、私が日曜日に近所のスーパーに行って撮ってきました。スプーン持って待ってる奥様に「ヨーグルト買ってきて」と言いつけられ、左手に200円、右手にスマホ。ヘタクソですね。
でも、これがフリー素材やメーカ提供の画像だったらどうでしょう。「胡散臭い」と感じる人もいるはず。商品を実際に手に取れないECでは、「プロのカメラマンに頼んできれいに撮ること」と言われがちです。それ以上に、あなたのお客様と商品への想いを込めましょう。
背表紙 < 表紙 < 平積み
実店舗では、プロモートする商品ほど面積が増えていきます。たくさんの数、同じ商品が陳列されもします。
ECでは、在庫がある限り、陳列(出品)をやめる必要はありません。どの商品も(例えば、カテゴリや検索結果で)占める面積は同じです。なぜなら、店舗全体の床面積は無限にあるからです。季節外れの商品でさえバックヤードに引っ込める必要がありません。
ただし、スマホやPCで最初に表示される画面を「棚」だと考えると、そこでの面の取り合いは起きます。平積み(同じサムネイル)でファーストビュー全面を占めるのは愚策。その代わりに、プロモートする商品の表示順位を上げましょう。
実店舗との違い |
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● バックヤードにしまう必要はない |
● ファーストビューは「棚」 |
● 「面積」に換わる「表示順位」 |
AIだとか機械学習だとか
人工知能といえども、人間のすることをコンピュータに代行させるに過ぎません。
ただし、コンピュータには抜群の「記憶力」と「高速・大容量」の処理能力があります。人間が100人の常連さんの趣味嗜好を憶えるのは至難の業ですが、コンピュータなら1万人でも朝飯前。そのパワーにものを言わせて、より多くに最適でより緻密な接客を行おうということなのです。
ECサイト内での買物客のビヘイビア(振る舞い)、すなわちお客様が手にしたもの(クリックや閲覧履歴)などによって、動的に表示順位を出し分けるといいですね。実店舗のスタッフは自然と買物客の動きを見て応対しています。
24時間営業で買物客の顔が見えないECでは、コンピュータの力を借りることによって叶えます。場所が判れば、こんなこともできます。「スコップはありますか?」と尋ねる(検索する)お客様に対して、山形県なら雪かき用を、香川県では園芸用を案内するといった具合です。
消費税の総額表示で値札の貼り換えにご苦労された小売業は多く、「だったら値下げしちゃえ」のユニクロが羨ましいかもしれません。デジタルのもう一つの利点は、2日目のサロンパスのように簡単に剥がせることです。「あれ、違う」と思ったらスグに修正できます。
どうですか。ECってビビるほど難しくない気がしますよね。今から一緒に学んでいきましょう。
今日のチップス |
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テクノロジーに盲目的な依存をすると、ECの本質を見失います。長い歴史のある実店舗には商売のヒントが山積みです。それらにも学び、自分で「考える力 = お客様を想う気持ち」は決して忘れずに。 |