LINE経由の売上を増やす方法 リッチメニューで届けるユーザー体験が鍵!

松元由布子

LINE公式アカウントを運営する上で、是非とも活用したいのがリッチメニューです。リッチメニューの活用で「LINE公式アカウントを開けば、ユーザーが利用したい(訪問したい)ECの主要なページにすぐいける状態」をつくることができます。しかし、ただリッチメニューを設置するだけでは、使ってもらえるとは限りません。ユーザーにとって、便利! 楽しい! 使いやすい! と感じてもらえるようなリッチメニューであることが大切です。
本稿では、いくつかのリッチメニュー活用事例を紹介しながら、LINE経由の売上につなげるためのリッチメニューの設計や活用のヒントをご紹介します。

良質なユーザー体験を届けるリッチメニューとは

LINEのリッチメニューは、トーク画面下部(キーボードエリア)に固定で表示されるメニュー機能です。リッチメニューにはクーポンやショップカードなどのLINE公式アカウントの機能のほか、ECサイトや予約サイトなど、外部サイトへのリンクを設定できます。また、リッチメニューはトーク画面内に常設されているメニューのため、画像とテキストを一つのビジュアルにまとめて配信できる「リッチメッセージ」と異なり、更新してもユーザーには通知されないのも特徴です。

リッチメニューは、LINE公式アカウントとECとをつなぐ重要な導線となることから、EC事業者にとってLINE経由の売上を増やす上で重要な施策の一つとなっています。

ただ、リッチメニューが重要なのはわかるけど、どんなリッチメニューを設置すればいいの? という声も耳にします。

デザインや配置でしょうか?もちろんこれらも大切ですが、一番重要なのは「ユーザー体験の設計」です。


「ユーザー体験の設計」
●リッチメニューからすぐに(お得に)欲しいものが購入できて便利
●リッチメニューからお気に入りの商品がみつけられて楽しい
●リッチメニューから煩わしい手続きなしでリピート購入ができて便利

良質なユーザー体験を提供することで、つかってもらえる「リッチメニュー」となり、結果としてECへの集客や売上につながります。

ここからは、リッチメニューを通して便利で楽しいユーザー体験を提供し、LINE経由の売上UPにつなげている事例をいくつかご紹介していきます。

事例①Francfranc

~リッチメニュー×自動応答メッセージで楽しく商品を探す仕掛けを

FrancfrancのLINE公式アカウントでは、自動応答メッセージと組み合わせた、ユニークなリッチメニューを提供しています。

リッチメニューの「商品や店舗を探すをタップ」すると、応答メッセージを利用して、「ランキングから探す」「新着アイテムを探す」「カテゴリから探す」「お買い得アイテムを探す」「キーワードで探す」の複数のカードタイプメッセージが自動で配信されます。

それぞれのカードからは(LINEのID連携がされている方は)LINEで自動ログインした状態で該当のページに遷移できるので、オンラインショッピングを楽しみながら購入もスムーズに行えます。

事例②宅配寿司「銀のさら」

~リッチメニューから該当の店舗やお届け先が選択された状態で遷移しスムーズに注文

宅配寿司「銀のさら」のLINE公式アカウントでは、LINEのメッセージやトーク画面上のリッチメニューから「銀のさら」公式サイトにアクセスすると同時に自動的にログインが完了し、すでに該当の店舗やお届け先が選択された状態でスムーズに注文ができます。

LINEログインを活用することで、注文時に「いちいち情報を入力する必要がない状態」

をつくりだすことはリピート利用にもつながります。

事例③メガネスーパー

~前回と同じ注文をリッチメニューから数タップでできる「ショートカット注文」

メガネスーパーのLINE公式アカウントでは、リッチメニューから「ショートカット注文」ができます。リッチメニューの「コンタクト簡単注文」をタップすると、LINEログインした状態でECサイトに遷移し、前回注文商品と支払い方法が選択された注文確認画面へ遷移します。あとは注文ボタンを押すだけで前回と同じ注文が簡単に完了できます。

その結果、初回購入からのリピート率(F2転換率)が約25ポイント向上。定期便加入率も2倍になりました。

事例④ダイヤ工業

~タブ型リッチメニューで会員専用サービスの利用を促進

ダイヤ公式オンラインストアでは、タブ機能を利用して会員専用のリッチメニューを表示しています。

会員向けのリッチメニューをタップすると自動応答でカードタイプメッセージを送信し、メッセージからアプリ内ブラウザで自動ログインした状態で会員限定のページに遷移します。

会員限定リッチメニューには、「マイページ」「お問い合わせ」や「アカウント情報」「クーポン」「ご注文情報」など、会員にとって便利に利用してもらえるメニューを配置しています。会員限定サービスにもログインした状態で遷移するので、ID連携済みの会員はタップするだけでストレスなく利用できます。

そのため、オンラインストアへのログインやマイページ閲覧も、必ずリッチメニューからという方が多くいらっしゃるとのことです。

「リッチメニュー×LINEログイン」で届けるユーザー体験

これらの事例で活用されているのが「LINEログイン」です。

リッチメニューとLINEログインを組み合わせることで以下のようなユーザー体験を提供できます。


「リッチメニュー×LINEログイン」で届けるユーザー体験」
●LINEのメッセージやリッチメニューからID/パスワードの入力。ワンタップでログインした状態でECサイトに遷移できる
●ユーザー毎に最適なリッチメニューを提供

通常、リッチメニューをタップしECサイトに訪問した後は、商品を購入するためにECサイトへログインする必要があります。

この時、ID/パスワードを忘れてしまった…… ID/パスワードの入力が面倒だから後にしよう...といった理由で一定数の離脱が発生してしまうことも……。

LINEログインを活用すれば、ID連携済(※1)の会員は、LINEのトーク内のリンクやリッチメニューもタップでIDやパスワードを入力することなく自社ECサイトにログインした状態で遷移できます(LINEの自動ログイン※2)。

そのため、LINE公式アカウントからの購買体験がぐんと便利なものになり、その結果、LINE経由の売上にもつながります。

また、ID連携済の会員は自社ECサイトの会員IDとLINEアカウントとが紐付いているため、ユーザー単位でリッチメニューを出し分けることが可能です(※3)。

例えば下記図のように、新規ユーザーと既存会員とでそれぞれ異なるニーズにマッチしたリッチメニューを提供することができます。


※1:LINEのID連携とは、自社サービスの会員IDとLINEアカウントを紐付けることです。
ID連携を行うと、企業のLINE公式アカウントの友だちが自社データベース上のどの会員なのかを判別できるようになり、購買データや行動履歴をもとにユーザー単位でのセグメント配信やリッチメニューの出し分けが可能になります。
※2:INEの自動ログイン(オートログイン)とは、LINEログインをする際にスマホにインストールされているLINEアプリと連動して、LINEのIDやパスワードを入力することなく、ワンタップでログインできる機能です。LINEアプリ内ブラウザに加え、iOSのSafariやAndroidのChromeで対応しています。
※3:タブ型リッチメニュー・リッチメニュー出し分け機能|ソーシャルPLUS

まとめ

LINE経由の売上を増やす方法の一つとして、リッチメニューの活用法を事例を交えてご紹介しました。

リッチメニューはLINEのトーク画面を開くと表示される「自社専用のメニュー」を展開できるので、うまく活用すれば「ECサイトの入口」として機能します。

リッチメニューを機能として利用するだけでなく、リッチメニューを通して、どんなユーザー体験を届けたいか? を考えることが重要だと思います。

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■事例①FrancfrancのLINEはなぜ毎日配信でもブロックされない?売上と顧客体験を両立させる秘訣
https://blog.socialplus.jp/case/francfranc-line/
■事例②宅配寿司「銀のさら」がソーシャルログインで実現する便利なネット注文体験とは?継続利用率を高め、LINE経由の売上を伸ばしたポイント
https://www.socialplus.jp/case/ginnosara
■事例③LINEがECサイト売上の3割を稼ぐチャネルに成長! メガネスーパーに学ぶ、LINEで売上を上げる方程式
https://www.socialplus.jp/content/line-interview-meganesuper
特別な施策を打たなくても数字が伸びる。メガネスーパー川添氏が語るLINE活用の秘訣
https://www.socialplus.jp/case/meganesuper-2
■事例④LINE経由のリピーターも増え、売上全体の7割がオンラインに! LINEログイン×リッチメニューでLINE公式アカウントをEC利用の入口へ
https://www.socialplus.jp/case/daiya-kogyo
■LINEログインについて詳細
https://www.socialplus.jp/line

※掲載の画面キャプチャーはインタビュー当時のものです。


著者

松元由布子 (Yuko Matsumoto)

ソーシャルログイン・ID連携サービス「ソーシャルPLUS」のマーケティング担当。2015年にフィードフォースに入社後、ブログメディア編集長としてコンテンツマーケティングに従事。2022年6月よりソーシャルPLUSに転籍し、現在に至る。会員IDとプラットフォームのID連携により、CV導線の簡略化から、友だち追加の促進、会員情報に応じたセグメント配信まで顧客体験を豊かにするためのLINEのCRM施策をご提案。

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