EC利用はスマホが半数も、商品検索は「就寝前」が7割に(Criteo調べ)

福島 れい

 多くの人の日常生活において、EC・オンライン通販は欠かせない存在となりつつあるが、その利用頻度や購入の方法などには、年代ごとに特徴がある。今回は、Criteo S.A.(以下、Criteo)が、実施した「オンライン通販に関する実態調査」より、使用デバイスや購入商品、時間帯などを見てみる。なお、調査対象は、全国の20~59歳で オンライン通販利用経験者である男女600名。

ショッピングアプリ利用も増加傾向に

ショッピングアプリ利用も増加傾向に

 まずはオンラインショッピングの利用頻度だが、全体の89.4%が「1か月に1回以上」利用しているという結果に。その理由としては「実店舗よりも安く買えるから」65.5%、「実店舗に出向かなくても買い物ができるから」55.8%、「時間の節約になるから」37.2%などが挙がり、時間節約がオンラインショッピングの魅力の一つであることがわかる。

 また、利用端末については、「スマートフォン」を利用しているユーザーは、20代で52.3%、30代で46.3%、40代が41.4%、50代が36.9%となり、世代間で二極化が進んでいるのがわかる結果になった。さらに購入経路については、WEBサイト(ブラウザ) 経由が83.5%、アプリ経由が31.2%(複数回答)と、アプリの利用も進んでいる傾向が垣間見える。

 実店舗・オンラインで購入する商品ジャンルには男女で大きな違いがあることが分かった。男性が最も購入する商品ジャンルはオンラインで「家電製品:17.3%」、「書籍:16.6%」、実店舗では「食品:17.2%」、「日用品:16.5%」となっているのに対し、女性ではオンライン「洋服:16.2%」「化粧品:11.5%」、実店舗では「食品:15.4%」、「日用品:14.4%」となった。

 実店舗では、男女とも「食品」、「日用品」など、日常生活に欠かせないものが上位になっているのに対し、オンラインでは男女とも、趣味よりの傾向が強い用品が購入されている様子がうかがえる。

 また、最近のショッピング傾向として「ショールーミング」が加速しており、今回の調査においても全体の82.2%が「実店舗で商品を比較検討した後、オンラインで買った経験がある」と回答している。これはスマートフォンの普及が生んだ購入行動の変化の一つともいえそうだ。

 ここまではスマートフォンの利用によるものと考えられる買い物傾向が挙がっていたが、商品探しをする時間帯については、少し異なるようだ。平日、商品探しや購入を行う時間帯として最も回答が多かったのは、「夕食から就寝前までの時間」で約半数を占める結果に。一方でスマートフォンでの購入と相性が良いように思える「通勤中」「休憩中」は、合わせて約1割にとどまった。

 最後にPCとスマートフォンそれぞれでの購入金額についてだが、「購入を決断できる金額」として「PC:平均61,095円」「スマートフォン:平均45,864円」となり、購入金額に差はあるものの、双方での購入が盛んに行われていることが感じられる結果となっている。

 こうした調査結果から感じることは、スマートフォンへの対応がいかに重要かということだろう。職場ではPCでの作業が多く、ついPC視点で商品展示やサイトデザインを進めがちだが、日常生活で活用シーンが多いのはスマートフォンなのだ。利用者がどのような行動をとっているのか把握し、それに合わせて変化するECサイトこそが、持続的な売上アップを見込めるのではないだろうか。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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