クラシコム、信頼できるパートナーとサービス強化へ

ECのミカタ編集部

「北欧、暮らしの道具店」HPより引用

 株式会社クラシコム(以下、クラシコム)は、株式会社フラッツ(以下、フラッツ)を完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、株式交換契約を締結した。どのような意図があっての株式交換なのだろうか。

クラシコムがフラッツを完全子会社に。その目的とは

 クラシコムは「北欧、暮らしの道具店」という生活雑貨のECサイトを2007年から運営しており、商品をただ販売するだけでなく積極的にコンテンツの提供を行い、マネタイズ手段としてECサイトでありながら広告事業を展開するなどユニークな事業モデルを築いている。

 そのユニークなサービスのあり方を支えるためにはユニークなシステムが必要であるとの信念から、クラシコムは2012年より段階的にシステムの内製化に着手し始め、2016年5月までにECシステムのすべてを内製したものに切り替えて運営してきたが、事業の継続性をより確かなものにするべく、安定したエンジニアチームの構築、そして経営陣に技術者を迎えるという二つの課題に直面した。

 そうした課題を解消するべく、今回、兼ねてより仕事上での交流があったフラッツをクラシコムの完全子会社とし、フラッツの優秀な人材をクラシコムのエンジニアチームに組み入れ、技術者でもあるフラッツ代表取締役の久末隆裕氏をクラシコムの取締役に迎えることとなったのだ。

左から)今回クラシコムに加わる、フラッツ代表取締役久末隆裕氏、「北欧、暮らしの道具店」店長 佐藤友子さん、クラシコム代表取締役社長 青木耕平氏
※「北欧、暮らしの道具店」HPより引用

 フラッツはWebシステムの開発会社として事業を始め、現在はMagentoというOSS(オープンソースソフトウェア)をベースにした国内・海外向けECサイト構築の受託開発を行っている。

 今後、フラッツ自体は継続するが新規営業は行わず、既存顧客へとサービスを提供しながら収束させ、徐々に全てのリソースをクラシコムの仕事に移行させるとのこと。

「北欧、暮らしの道具店」では、このような暮らしを楽しくするコンテンツも充実している。
※「北欧、暮らしの道具店」HPより引用

 今回の決断は、当たり前だが、両社にとって大きな決断となったことだろう。ECサイトをより良いものにするためではあるものの、他社の技術を完全に取り込むというのは、それなりの信頼なくして実現できることではない。

 自社のシステムになったからこそ、顧客へと提供できることも増えてくる。それこそ今後は更に、クラシコムのユニークさの追求や独自性、使い勝手の良さなど、他のECサイトでは実現できないことを可能にできるはずだ。大切なのは、何をするにしても顧客にとって良い影響になるかということだろう。

 他のECサイトにおいても、ECサイトのシステム構築を委ねる支援企業選びというのは慎重になりたいもの。技術はもちろんのこと、方向性や目的を共有できるかが、最高のECサイトを作るうえで重要になってくるのではないだろうか。

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