eBayが変わる。国内セラーがチェックすべき変更点

ECのミカタ編集部

 世界中に出品できるオンラインマーケットプレイス「eBay」を運営するイーベイ・ジャパン株式会社(以下、イーベイ)は、2016年度秋期セラー・アップデートを実施した。日ごろ「eBay」を利用して世界中に商品を出品しているEC事業者にとっては特に気になるニュースではないだろうか。

イーベイ、2016年度秋期セラー・アップデート

 「eBay」は、元々アメリカからスタートしたインターネットオークションであり、全世界200か国で展開、アクティブユーザーは1.62億人にもなる。なぜここまで多くの人から支持されているのだろうか。

 その理由をセラー(売り手)目線で考えると、「eBay」は出品にかかる初期費用が0円からで固定費もかからないために、ただでさえハードルが高いと感じる越境ECへの挑戦を後押ししていることがわかる。また、日本語でのサポートも充実しており、例えば、「eBay」のアカウント登録や出品方法などの各種マニュアルの提供や売り上げアップのための提案、そしてコンサルテーションなど、初心者でも迷わないような案内が徹底されている。

 また、バイヤー(買い手)目線で考えても、その利便性ははっきりとしている。決済サービスでいえば、こちらも全世界で利用されている「PayPal」と連携しているために、バイヤーは個人情報を入力することなく「eBay」での買い物を楽しむことができるのだ。

 そんな、セラー、バイヤー双方にとって、スムーズな越境ECの場を提供する「eBay」であるが、どのようなアップデートが行われたのだろうか。

日本に関わるアップデートを要チェック

日本に関わるアップデートを要チェック

 今回のアップデートにおいて、日本のセラーに関係してくるのは以下の3点となる。

①セラー・ハブが新たなeBayビジネス管理ツールの決定版となる。
 イーベイでは2017年春以降、セリング・マネージャーやセリング・マネージャー・プロなど旧来のツールへのサポート提供を停止、今後はセラー・ハブ(販売管理機能とeBayのツール類をひとつに集約したもの)がビジネス管理ツールとなる。無料で使えるセラー・ハブは、「eBay」でビジネスを構築・維持するのに必要なツールや情報、分析を備えているので、今からセラー・ハブを利用することで、2017年に利用可能となる予定の新機能やデータ分析にいち早くふれることができる。また、移行はとても簡単で、出品や注文に関する情報は自動的に移行されるため、再入力の必要などは全くない。

②セラーのパフォーマンス評価基準の確認
 2016年10月20日以降、最低評価基準を下回るセラーは、イーベイより、業績が最低評価基準を下回っている原因またはそれについての分析の提供、業績改善のためにとるべき対応について明快で実行可能なガイドの提供、業績に連動した販売制限を受けることなく業績改善のための時間が3か月間用意される。ペナルティのように感じるが、セラーはイーベイが設ける期間に自社を見直すことができ、より良い業績の把握・管理を再度確認するチャンスが与えられるとも考えられるだろう。

③構造化データの追加によって商品の検索可能性が向上、レベルの高いガイド・分析機能が得られる。
 「eBay」で非標準製品コードが使えるようになるため、2017年2月より、指定の商品を提供している出品者は下記を含む幅広い製品コードを使ってより簡単に出品できるようになる。

・Amazon製品コードおよびAmazon標準商品管理番号(ASIN)
・Google製品コード(CID)
・出品者製品コード(出品者の発行する独自の製品コード)
・eBay製品商品コード(ePID)

 このように「eBay」に出品しているセラーにとっては、秋までに対応したいアップデートが何点か発生している。特に②に関しては、しっかりと概要を把握し、対応していかなければならない。

越境ECを加速させる、eBayの取り組みとは

 今回のアップデートのように、「eBay」全体の質を底上げすることで、国としての見え方も変わってくる。「eBay」での商品の質の良さや優れた顧客対応が、もしかすると、他の日本のECサイトの信頼に影響してくるかもしれない。

 また、「eBay」が2015年11月16日(月)に、米国ヤマト運輸株式会社の「国際宅急便」を利用することで、国際間の返品対応が可能となる「越境返品サービス」を提供開始したことも記憶に新しい。

 国が違えば言葉はもちろん文化も違う。だからこそ、越境ECにおけるトラブルは絶えないが、トラブルが発生したときに、いかに迅速かつ丁寧な対応ができるかということがEC店舗の評価に繋がってくる。そう考えると、「eBay」のこうした取り組みは、越境ECにおいてセラー・バイヤー双方が良い気持ちで取引を行うために欠かせない。

 越境ECで求められるものレベルは格段と上がってきているが、そこをクリアして販路を拡大することが、世界でも選ばれるEC店舗になるヒントなのではないかと思う。

メルマガ会員


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事