ヤマトHD、東南アジア-欧州間でトラックと鉄道による国際複合一貫輸送サービスを提供開始

ECのミカタ編集部

東南アジア-欧州間でトラックと鉄道による 国際複合一貫輸送サービスを5月1日(水)から提供開始

ヤマトホールディングス株式会社(以下:ヤマトHD)は2024年5月1日より、東南アジア-欧州間において、トラックと鉄道による国際複合一貫輸送サービス提供を開始した。

海上輸送よりも短期間での輸送を実現

国際複合一貫輸送サービスでは、東南アジア-中国間においてOTL(※1)のトラック輸送網を活用、中国-欧州間ではパートナー企業の鉄道輸送を活用することで、シームレスに最終指定納品場所まで輸送。喜望峰ルートの海上輸送よりも短期間での輸送が可能であり、航空輸送よりコストは低く、少ない温室効果ガス排出量で環境負荷を軽減する。

◆提供開始日:2024年5月1日〜
◆提供区間:シンガポール・マレーシア・タイ・ラオス・ベトナム・カンボジア-欧州(ウクライナ・ベラルーシ除く)間。指定の配送まで輸送。
◆輸送方法:物量に応じて、コンテナ貸し切りもしくは混載で輸送
◆サービスの流れ(タイからドイツへの国際複合一貫輸送)

※1:グループ会社であるOverland Total Logistic Services(M)Sdn.Bhd.(本社:マレーシア)

※画像元:東南アジア-欧州間でトラックと鉄道による国際複合一貫輸送サービスを5月1日(水)から提供開始(ヤマトホールディングス株式会社)

地政学的リスクに対応したグローバルサプライチェーンの構築を支援

国際複合一貫輸送サービスの提供背景について、ヤマトHDは以下のようにコメントしている。

「これまで、東南アジアから欧州市場への海上輸送では、最短ルートである紅海ルートが主に利用されてきましたが、2023年末頃から武装組織による船舶攻撃が紅海とその周辺海域で継続しています。これにより、多くの船舶は、南アフリカ共和国の喜望峰を回るルートに迂回することを余儀なくされ、世界の物流や経済に影響が及び始めています。(中略)また、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・ガザ情勢など、地政学的リスクが顕在化しており、迅速に対応できる強靭なグローバルサプライチェーン構築の重要性がより一層高まっています」

こうした地政学的リスクに備えた、グローバルサプライチェーンの構築を支援するべく、トラックと鉄道による国際複合一貫輸送サービスの提供を開始。海上輸送や航空輸送に次ぐ、新たな輸送手段の一つとして利用可能となった。

◆東南アジア-欧州間の輸送ルート

ヤマトHDは「今後も、お客さまのグローバルサプライチェーン全体を最適化するソリューションを提案し、総ロジスティクスコストの削減、生産効率の向上、環境負荷軽減など、お客さまのビジネスを支援します」と述べる。

国際複合一貫輸送サービスの提供によって、これまでのルート迂回による海上運賃・保険料の高騰、輸送コストの削減にも繋がるだろう。各方面へポジティブな影響を与えることが期待される、本サービスの動向に注目したい。


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