電子書籍で気に入ると”紙の本”で購入?ECとリアルの関係性【ジャストシステム調べ】

ECのミカタ編集部

 近頃、書籍の電子化が進み、電子書籍の利用者は増加し続けている。電子書籍を読むためには、スマホやタブレットから読むか、電子書籍専用端末から読むかの方法がある。果たして、どちらの読み方が好まれているのだろうか。

 今回は、株式会社ジャストシステムの「電子書籍利用に関する実態調査」を基に、電子書籍の利用状況と、紙の本との関係、ECにおける影響を考えていく。

電子書籍リーダーの購入の検討が進む

 これから新たに電子書籍の利用を検討している人のうち、「1冊ごとの買い切り型」を検討している人は41.1%、「月額制の読み放題型」を検討している人は25.0%であった。一方、どの形態を選ぶか「まだ分からない」という人も36.3%存在した。

 既に「月額制の読み放題型」を利用している人に、利用中の電子書籍サービスを尋ねると、「Kindle unlimited」(41.5%)が最も多く、次いで「楽天マガジン」(40.2%)となった。

 電子書籍サービスを利用しているが、電子書籍リーダーは利用していない人のうち、25.0%が「電子書籍リーダーの購入を具体的に検討している」、21.4%が「購入に前向きになっている」と回答した。つまり、46.4%が電子書籍リーダーの購入に前向きになっていることが分かる。

 さらに、電子書籍利用経験者のうち、電子書籍と紙の本を状況によって使い分けている人は79.6%だった。そのうち、「紙の本で気に入った作品は持ち運びしやすい電子書籍版でも購入することがある」と回答した人は36.1%となった。なお、「お試しで購入した電子書籍を気に入って紙の本も購入することがある」と回答した人は36.7%という結果になった。

楽天子会社で新電子書籍リーダーを発売

 今回の調査で、電子書籍サービスの利用者は、電子書籍リーダーの使用を前向きに考えている人が多いことが判明した。その理由として、快適な読書環境が挙げられるのではないだろうか。

 電子書籍リーダーといえば、先日、楽天株式会社の子会社であるRakuten Kobo Inc.が、日本を含む世界10か国で、7.8インチの防水電子書籍リーダー「Kobo Aura One」の販売を開始した。

 「Kobo Aura One」は、屋外でも、浴室でも、別途の中でも、好きな場所で電子書籍を読むことができるように、進化した防水機能に、自動調光やブルーライトを低減する機能が搭載されている。開発に際しては、本を愛する読書家のための電子書籍リーダーになるよう、読書家の顧客を含めたミーティングを開催し、そこで出た意見に基づき開発がされた。

 ミーティングでは、スクリーンの大きさやライト、防水に関して様々な意見が飛び交った。このような意見を形にし、読書家にとって最も利用したい形が「Kobo Aura One」となった。その努力の結果、販売開始からわずか4時間で在庫切れとなった。この人気からも、「kobo Aura One」が、読書家にとって理想的な電子書籍リーダーであることが考えられる。

顧客とのミーティングがヒット商品の鍵に?

紙の本が売れる可能性は充分にある

 今回の調査結果の中に、「お試しで購入した電子書籍を気に入って紙の本も購入することがある」と回答した人が36.7%だった。これは、本を販売している事業者にとって”希望”となる結果であり、ECとリアルの在り方にもつながるのではないだろうか。

 電子書籍が登場し、紙の本を読む人が減少傾向にあるようにも思える。しかし、そのような中でも「本はやっぱり紙」とこだわり、紙の本を購入する人も居る。もしくは、調査結果のように「ずっと読み続けたい」という意味で1度は電子書籍で読んだものの、新たに紙の本を購入することもあり得る。

 デジタル化が進む現代でも、古く伝わるモノを愛し続ける人、アナログならではの体験を好む人もいる。今後、電子書籍、電子書籍リーダーの使用がさらに増加していったとしても、同時に、紙の本を愛用する人も必ずいるだろう。また、調査結果からも分かるように、デジタルとアナログ、どちらかだけを選ぶというよりも、それぞれの良いところをうまく組み合わせるという使い方も多い。

 これは、EC市場全体にも共通するのではないだろうか。ECにはECの、リアルにはリアルの良いところがある。だからこそ、オムニチャネルという在り方も広まりつつあるのかもしれない。ECでできないことは、発想を変えてリアルで提供する、そんな方法もECの未来の一つかもしれない。


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