EC業界News1週間まとめ〜クルーズ、取締役会で見せたEC事業への本気度/ヤフーの年末の秘策を店に語る他

石郷“145”マナブ

EC業界News10/9~15までギュギュっとまとめました

おはようございます。
メディア編集部の石郷です。

今週、読まれたのは下記の記事になります。
広報が上手くいく、“売れる”広報 たった4つのポイント。
https://www.ecnomikata.com/column/11476/
化粧品が毎月自宅に届く?楽天が「RAXY」の受付開始
https://www.ecnomikata.com/ecnews/11401/
ヤフーの年末戦略共有会に潜入!ここで語られたのは?
https://www.ecnomikata.com/ecnews/11543/
クルーズ「SHOPLIST」へ集中、ゲーム事業譲渡へ
https://www.ecnomikata.com/ecnews/11541/

クルーズが見せたECへの本気度

クルーズが見せたECへの本気度

 今週、注目したいのは、CROOZ(以下、クルーズ)のSHOPLISTへの注力の話題かなと思います。10月13日に開催された取締役会で、一部、ゲーム事業をマイネットに譲渡し、SHOPLISTに力を入れる方針を明らかにしました。

 CROOZはエレメンタルストーリーというヒットの可能性の高いものに限っては、CROOZが関わり、それ以外のゲームの部隊の大半を、子会社化したC&Mゲームス社に移し、その会社の株式をマイネットが全て取得するというわけで、ほぼ今後は、ファストファッション系のEC「SHOPLIST」に力を入れていくと言う表明をしたわけです。しかも、あわせてキュレーションサイトMARBLE等を運営するCandleを12億5000万円を投入して、完全子会社化する気合の入りようです。

 以前、弊社の記事のCROOZ張本さんの言葉で、SHOPLISTをアパレルを買おうと思い立った時に当たり前に存在するインフラのような存在にさせたいと言う話をしていたと記憶しています。印象に残ったんですよね。売り場ではないのだなと。インフラと言っていることがミソだと思います。

 では、そうなるためには、どうすればいいか。例えば、接客の質を向上させなければいけないわけで、SENSYの試験的に取り入れ気の利いた提案につなげたり Chamoなどを使ってコミュニケーションをしやすい環境を作ったりと、アパレルを買おうとおもった人の前に、当たり前に存在する役割を担う取り組みを積極的に行なっています。

 PCよりもスマートフォンを使って物を買うと言う行動が生まれることで、より直感的に物が買えるようになって来ました。特に、ファッションECが力を発揮しやすい環境が整って来て、これから勝負をかけるかどうかで、ファッションECの勢力図すら変わってくると思います。そういう時代の流れを察し、かつここに勝機を見たからこその注力なのだと思います。

ヤフーの戦略共有会で抑えておきたいところ

ヤフーの戦略共有会で抑えておきたいところ

 あとは、ヤフーの戦略共有会に関しての関心度の高さがうかがえます。依然として、ヤフーショッピングの成長率は高く、137%(2016年1Q前年四半期成長率)と目覚ましいものとなっています。これまではショップとの距離感が遠かった印象のあるヤフーショッピングですが、今回の戦略共有会に先立って、「エリアアワード」という地方ごとで賞を用意し、表彰するという取り組みを動きを見せていて、店に寄りそう姿勢を見せ始めています。エリアアワードの冒頭、若干、なんの前触れもなく、いきなり「これを機にお隣の方と交流を図るために名刺交換ください」と店の方々に呼びかけ、やや店舗も動揺しながら、名刺交換する様は、ヤフー側のこういう取り組みの慣れていない感を醸し出していましたが、でも、店舗との関係を大事にしようというのは伝わって来ました。

 また、今回その優秀だと判断された店舗の中で、eコマース革命以後に開店したストアの割合は、23%と言うことからすると、eコマース革命の成果はここにも垣間見れます。

 特にそういった全体を牽引するショップを集めて、ヤフーが特に、強調したのは、セールでの取り組みとPRオプションでした。昨年の実績として、ホークス優勝セール157%(期間取引高前年比)、年末商戦も期間取扱高前年比270%、20周年大感謝セールも期間取扱高前年比200%といずれも高水準だったことをあげ、今年もそれを継続していきたいとしているので、そのための準備を呼びかけていました。

PRオプションをどう活用するかが重要

PRオプションをどう活用するかが重要

 そしてもう一つは、PRオプションです。注目すべきところは、ヤフーショッピングのお客様の動線は、ショッピング内の検索55%、左側にあるカテゴリーで22%を占めているということなのですね。そこで、検索なり、カテゴリー選択などをした際に、自分でパーセンテージを決めてキーワードを購入して、商品を表示させようというのが、PRオプションです。表示されるだけではお金はかからず、この施策はヤフーが特許を持っています。

 思うに、ただこの広告を使うのではなく、店側が準備すると最大限効果を発揮しますよと言う点が大事です。例えば、美容商材を扱う店舗では、まず検索からの間口を広げるために、商品数を一万品に増加させ、商品をサロン専用や業務用などの美容品で扱う専門商品で差別化をはかって、そのうえでPRオプションを、昨年11月から全品5%で設定して実施したというのだ。戦略を持って、この施策を活用したこの店舗は、2015年の6月に50万円の売り上げだったのが、2016年6月には250万円の売り上げとなり、それで言えば、実に500%の伸びがあったということになる。

 店にとっての成長は店がどの商品をどれだけ、誰に売りたいかとうことが根底にあり、では、その中で、ヤフーとしてはそれを最大限発揮できるような施策をいろいろ用意していきますよという姿勢を見せているのは、それが実際に、店にとってどれだけのメリットをもたらすかはあるにせよ、好感が持たれる要因となっているのではないだろうか。店にとって大事なのは、まず今日、明日しっかり売り上げを上げるための方法を知りたいと言うことであろうから。

 今日はこの辺で。
また来週お会いしましょう。
どうか笑顔あふれる素敵な一週間を。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

石郷“145”マナブ の執筆記事