【ヤマトとクロノポストが業務提携】越境ECにまた追い風

ECのミカタ編集部

ヤマトホールディングス株式会社(本社:東京都中央区)と、欧州第二位の国際エクスプレス事業を行うDPDグループに属し、フランス国内最大手のエクスプレス事業者のクロノポスト社(本社:フランス パリ)は、日仏間のクロスボーダー小口保冷輸送ビジネスの拡大と、両社が持つ小口保冷輸送に関するノウハウを共有するクロスライセンスを含む包括的なパートナーシップ契約を4月7日に締結したと発表した。

 ヤマトホールディングスの海外進出戦略の勢いが止まらない。4月7日、フランス国内最大手のエクスプレス事業者のクロノポスト社とパートナーシップを結んだと発表した。これまでヤマトホールディングスは、上海・シンガポール・香港・マレーシア・台湾・タイ等のアジア圏を中心に小口保冷輸送ビジネス拡大してきた。このたび2017年2月28日には英国規格協会(BSI)と連携し、欧州圏にも進出を広げてきている。

クロノポスト社は、フランス全土に小口配送ネットワークを有しており、2015年からは保冷輸送ネットワークをフランス全土に構築するなど、フランスにおける小口保冷輸送市場を拡大させている。また、通常の常温の小口宅配とは異なる保冷輸送専用のネットワークを構築することで、高品質の宅配サービスを提供している。

小口保冷輸送による食文化の広がり

小口保冷輸送による食文化の広がり

フランス国内において日本食の普及は目覚ましく、ラーメンや餃子といった大衆的なものから、懐石や鮨といったもっと本格的なものまで、幅広く受け入れられている印象がある。また、日本酒のブームも切り離せない。日本酒に関してはこれまで輸送保管状態が悪く、状態の悪いものが多かったが、こういった小口保冷輸送ビジネス拡大によって、さらにその美味しさが広まっていくはずだ。

越境ECへの追い風となる、運送業社の業務提携

越境ECへの追い風となる、運送業社の業務提携

 日本やフランスだけにとどまらず、世界中で新たな市場の獲得に向けた自国の高品質な農水産品の輸出が、活発になっていて食品の流通が急速に拡大する中、消費者目線では食品の安全や安心・品質に関する意識が非常に高まってきている。こうしたクオリティ面に関しても、両社が持つ小口保冷輸送に関わる技術やノウハウの共有により一気に解決していきそうだ。

 これまではクロスボーダーでの一定の品質を有する小口保冷輸送は難しいところがあった。しかし、こうした国境を超えた運送業社の業務提携が拡大していくことで、スピードとクオリティを両立しながら国境というハードルを下げてくれている。こういった流れは越境ECを展開する事業者にとっては、歓迎すべき大きなビジネスチャンスと捉えていいだろう。


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