LINEで金融機関が変わる?三井住友FG、NTT Comで顧客対応の新世界

石郷“145”マナブ(編集長)

 かねてよりLINEは、人と人との間にリアルな会話に近い形で、コミュニケーションができるツールであると、当メディアでも話してきた。LINE@を導入し、企業がお客様とのコミュニケーションを、ライトに心地よく対応し、メールではなし得ない細かでより気持ちに近い応答をすることができた、といった事例の記憶も新しい。
 
 このやりとりは、テキストを使うため、それをビッグデータとして蓄積しやすい。こういう質問であれば、こう答えれば良いということを、データで蓄積すれば、AIなどを使うことで、人間に近いきめ細やかな対応を人間を使うことなく、できる。その意味で、顧客対応、コニュニケーションのあり方すらも変えてしまう可能性を持っているのがLINEなのである。

例えば、こんな記事「LINEがもたらす未来~ECはこんなに生まれ変わる~」

三井住友FG、SMBC日興証券がAIやLINEの可能性に注目している

 そのなかにあって、いよいよ銀行がうごきだした。株式会社三井住友フィナンシャルグループ(取締役社長グループCEO:國部 毅、以下「SMFG」)およびSMBC日興証券株式会社(取締役社長:清水 喜彦、以下「SMBC日興証券」)と、NTTコミュニケーションズ株式会社(代表取締役社長:庄司 哲也、以下「NTT Com」)は、アクセンチュア株式会社(代表取締役社長:江川 昌史、以下「アクセンチュア」)の支援のもと、人工知能(AI)を活用した自動チャットサービス(以下「AIチャットボット」)を共同で開発すると発表した。また、その上で、5月25日よりSMBC日興証券のコンタクトセンターにて、これらを、LINE問い合わせサービスの拡充機能として提供を開始するとしたのだ。

 そもそも、「AIチャットボット」とは、お客さまがLINEのトークで入力された内容を高い精度で理解し、自動ですばやく最適な返答を行うサービスで、SMBC日興証券のコンタクトセンターの実例を挙げるとすれば、まず昨年5月にホームページ上で、同年9月にはLINEでオペレータによるチャットサービスを開始している。

 それが、今回の新たなAIチャットボットの導入により、お客さまからのお問い合わせに対してより迅速な対応が可能となるのだ。さらに、今後は、チャットサービスをご利用いただけなかった夜間や休日の時間帯にもAIチャットボットの提供を予定しており、今まで人間では限界のあったことも可能にしていくわけだ。

三井住友が選んだAIはNTT Comの「“COTOHA”(コトハ)」

 このたび、提供を開始する「AIチャットボット」を改めて説明するならば、口座開設方法のほか、新規公開株式(IPO)、NISA、マイナンバー、ダイレクトコースのご案内に対応し、今後は、株価照会や投資信託の銘柄選びなど、サービス範囲を順次拡充していくという。

 AIエンジンはどこのものを活用するのか。同社が発表したところで言えば、NTT ComのAIエンジン「Communication Engine “COTOHA”(コトハ) 」(以下、COTOHA)だとしていて、お客様からの問い合わせ内容を理解し、不足している情報を自動で質問するなど自然な応答を得意とするサービスだ。

 さらに、オペレータの応答をAIエンジンが学習することで、応答能力が自動的に強化される機能を持っており、その上、オペレータへのエスカレーション機能を有し、AIチャットボットとのやり取りで解決しなかった質問については、オペレータへの交代を提案し、回答へ導くことが可能だとしている。

EC業界も他人事ではない。お客様との向き合い方を考えるべき時

 SMBC日興証券では、コンタクトセンターのオペレータ業務の一部にAIを活用することで、時間外労働の抑制など、従業員の「働き方改革」や「ワークライフバランスの実現」に寄与するとしており、こうした動きが進むにつれ、当たり前とされて来た業務が大きく変化していくことになりそうだ。

 こうした大きな流れにおいて、最新の技術を的確に、お客様に対してのサービス向上につなげていくための助言については、アクセンチュアがおこなっており、技術の支援にとどまらず、プロジェクト計画の立案支援から進行管理までと、幅広く担当していて、今後もその支援は続けていくとしている。

 今回は金融機関の話ではあるが、問い合わせが生まれるすべての業種にとって、他人事ではないように思う。今まではプル型だったお客様対応も、より良き提案でさらに発展的な関係を構築につなげていくプッシュ型に変わっていく中で、人工知能まではいかなくても、お客様との関係性のあり方は考えていく必要がありそうだ。

記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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