「タイムバンク」で個人の時間を株のように取引することが可能に。個人の影響力が試される時代へ

ECのミカタ編集部

株式会社メタップス(本社:東京都新宿区)は、様々な「時間」を10秒単位でリアルタイムに売買できる時間取引所「タイムバンク」の開設に向けて、自分の時間の発行(販売)を希望する「専門家」の事前募集を開始した。

 個人の影響力がモノを言う時代はここまで来た。タイムバンクは、技術者、経営者、アスリート、歌手等、「専門家」と呼ばれる人達の空いている時間を、一般の「消費者」が購入、使用、売却、保有する事ができる「時間」の取引所になる。タイムバンクにおいて、「専門家」は自分が最も価値を発揮できる用途で「時間」を売り出すことができ、「消費者」は主に以下の4つのことが実現可能になるという。

1)時間を買う:興味のある専門家が発行(販売)する時間を購入できる。
2)時間を使う:購入した時間は指定された用途で使用することができる。
3)時間を売る:買ったけど使わない時間は欲しい人に売ることができる。
4)時間を持つ:時間発行者を長期的に応援したい場合は時間を持ち続けることもできる。

 消費者が購入した「時間」の用途の例としては、相談・コンサルティングの依頼、講演・取材・登壇への参加、ランチ・ディナーへの招待、ライブイベントやサロンへの招待など、時間を発行した「専門家」の得意なことに合わせて設定することができる。

 また、時間を購入して使わずに保有し続ける「タイムオーナー」という選択肢もある。時間の発行者(販売者)は、販売した時間の収益を原資に自分の時間価値を高める活動に専念することができ、購入者(消費者)は、時間発行者の活動を間接的に支援することができる。保有している時間はいつでも欲しい人に市場価格で譲ることもできるのだ。

各SNSで個人の影響力を診断。新たな概念の市場を形成

各SNSで個人の影響力を診断。新たな概念の市場を形成

 時間を発行する「専門家」は自分のもっとも得意な領域で使える時間を販売することで、隙間時間から収益を得ることができるようになる。タイムバンクではオンライン上の影響力をスコア化して、一定のスコア以上の方を対象に時間の発行(販売)を申請できる仕組みを採用している。

 Facebook、Twitter、YouTube(Instagramは現在準備中)でアカウント連携をすると、システムが自動的にオンライン上の影響力を計算してスコアを算出。影響力スコアが一定以上の場合は申請が可能になる。その後、プロフィールや時間の用途などを入力し申請いただくと、運営スタッフが審査に入るという流れとなる。

 審査と初期の時間価値の決定に関しては、①影響力、②信頼性、③専門性の3点を軸に運営スタッフとその業界の外部アドバイザーなどによる審査で決定し、時間発行後は売買で形成される市場価格になるという。

時代の流れに合わせた柔軟な発想と瞬発力が必要とされていく

 ECとはまた趣が違うのかもしれないが、ついに「個人の時間」を使って取引が行えるようになる。そしてそこにはSNS等で算出される個人の影響力で市場価値に差が出る。同じようなシステムとしては、個人の株取引に近い「VALU」が最近話題になったばかりだ。

 ビットコインや時間など、新しい概念で個人間取引が可能になった今、そこに疑念や違和感だけを抱くのではなく「まずは理解してやってみる」という柔軟性と先見性を持ち合わせることが大事なのではないだろうか。そうすることで新時代の旨味を享受することができ、アーリーアダプターとして時代がどう動いていくのかを肌で感じられるようになるのだと思う。

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