コスト増をAIや自動化が補って行くか?ニトリHDが2018年2月期の連結決算を公表

ECのミカタ編集部

ニトリ決算発表

ニトリホールディングスが2018年2月期の連結決算を公表した。同社の経営状況が詳らかにされ、EC事業に関しても記述がなされている。

売上・純利益とも増だが、コストがかさむ

ニトリホールディングスが2018年2月期の連結決算を公表した。その概要を見て見ると、売上高は12%増の5720億円、前期の営業利益は9%増の933億円となり、純利益は前期比7%増の642億円で着地した。

新規出店による人件費や賃借料の増加、店舗改装費用、物流費用などの増加により、販管費が上昇しているものの、寝具・寝装品やベッドルーム家具、ソファが売上を牽引。為替予約も荒利改善に寄与した結果、31期連続増収増益となったが、業界全体として販売競争の激化及び物流コストの上昇により、引き続き厳しい経営環境が続いている。

ECは好調、AIと自動化でコスト削減を目指す

ECは好調、AIと自動化でコスト削減を目指す

同社のEC事業についても詳細な記述がある。SNS上での発信をはじめとしたデジタルコミュニケーションの活用や、スマートフォンアプリ「手ぶらdeショッピング」の導入等により店舗とECのシームレス化を進めている。また、ニトリネットにおける売上も好調に推移しているとしている。

物流面については、発送配達費の高騰などにより物流コストが上昇傾向にある中、人材不足やEコマース市場拡大による物流需要の増加に対応する取り組みの一環として、AI(人工知能)が搭載された次世代型自動搬送ロボット「BUTLER®(バトラー)」の稼動を開始した。また、コンテナ内の商品の積み下ろし作業負荷を軽減するデバンニングアシストマシーン「EL-De/VAN(エルデバン)」を村田機械株式会社と共同開発した上で導入している。

さらに日本ロジスティクスシステム協会主催の全日本物流改善事例大会2017において、積み下ろし作業と車両運転の作業を分離することで車両不足の解消とドライバーの拘束時間の削減を実現した「スワップボディコンテナ」の導入効果が評価され「物流合理化努力賞」を受賞いしている。これらの取り組みにより、作業効率と労働安全衛生を向上させ、物流機能の強化を図っていく方針だ。

今後の「改装の効果」に焦点

今後の見通しては、地政学的リスク、中国をはじめとするアジア新興国等の経済動向や欧米の政策動向による海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響により依然として先行き不透明な状態が続くものと予想している。

また、家具インテリア業界においては、業態を越えた販売競争の激化及び物流コストの上昇、テクノロジーの進化に起因する様々な変革、消費者の価値観変化等により経営環境は大きく変化するものと予想する。

このような経営環境のもとで同社グループは、本格的なグローバルチェーンの確立に向け、組織・仕組み・システム改革を実行するとともに、独自のビジネスモデルである『製造物流小売業』の強みを活かし、よりユーザーの立場に立った商品・店・サービスを提供する方針だ。

通期の連結業績見通しとしては、売上高は6,140億円、営業利益は990億円、経常利益は1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益は680億円を見込む。EC展開と併せて今後の同社の成長がいかに達成されるか、視線が集まっている。

 ECノウハウ


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事