STAFF STARTの「アパレル企業ECサイト実績データ」に感じるインターネット接客の本質

ECのミカタ編集部

 実店舗の販売スタッフを軸にオムニチャネル化を推進するアプリケーションサービス「STAFF START」を提供する株式会社バニッシュ・スタンダード(本社:東京都港区)は、2017年10月から2018年3月の半年間のSTAFF STARTを利用した各ブランドの自社ECサイト実績データを一部公開している。

 STAFF START(スタッフスタート)はファッション業界を中心に店舗販売スタッフの「オンライン評価軸」や「商品レビュー投稿」、「ブログ投稿」や「店舗取寄(客注)サービス」など、店舗と自社ECサイトのオムニチャネル化を推進するサービス提供をしている。

 多くの機能やサービスの中でも、現在、最もニーズが多いのが「販売員による自社ECサイト内のコーディネート投稿」だ。

 自社で扱う商品を販売員がコーディネートし、ECサイト内に投稿する。投稿したコーディネート経由で商品が売れた場合、その売上は投稿した販売員に紐付き、全国のユーザーへ販売した実績を可視化し、把握することができるという仕組みだ。

「STAFF STARTのコーディネート投稿」経由からの売上(半年間の実績)

 今回公開された、自社ECサイト内の「コーディネート投稿に限った半年間の実績」データによると、STAFF STARTコーディネートを経由しての売上は、半年間で約29億円(半期比+164%)にのぼる。1スタッフの最高売上は半年間で約5,500万円。1投稿の最高売上でも約500万円を叩き出しているという。

 自社EC内での「コーディネート投稿経由の購入率」を向上させるために、独自に開発した販売員のモチベーションコントロール機能が搭載されている点や、画像クオリティUPなど売上向上テクニックを販売員へ伝達している点などから売上が順調に伸びている。コーディネート投稿経由の売上が自社ECの約65%を誇るブランドも存在するという。

 コーディネート投稿のみで月間1,000万円以上販売実績を持つ販売員は既に数十名存在しており、最高約1,500万円を月間販売する販売員もいる。年間を通すと約1億円を一人で販売していることになる。

「業務の効率化」を選ぶか「熱量と説得力」で勝負するか

 STAFF STARTは販売員のコーディネートを始めとする各種コンテンツ投稿を「インターネット接客」と捉え、販売クオリティを向上させるための機能や知識を販売員に伝達し実行することで、より多くの顧客との接客機会を成功に導いている。

 インターネット接客といっても、AIなどが「顧客のセグメントや接客を自動で行ってくれる」ものから、STAFF STARTのような「ターゲットと商品を深く理解し、自分の考えやアイデア・使い方などの提案を”いちいち投稿する”」というものまで様々な種類のサービスが存在する。

 後者のサービスは一見めんどくさく、工数がかかると感じるかも知れないが、STAFF STARTではここまでの成果を上げているのだ。しっかり売れることで販売員も評価が可視化されモチベーションが維持され、投稿のクオリティも上がる。

 インターネット接客において大切なのは「熱量」と「説得力」にあるのではないかと思う。それを最大限ユーザーに伝える事ができたときに、それを初めて「接客」と呼ぶのではないか。インターネットを通じて多くの人に想いを伝えることは可能だ。そう感じさせてくれる有益なデータだった。


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