EC業界News1週間まとめ〜ECにLINEやチャットが必要な理由〜問い合わせ件数が約20%増加したあの店の話

石郷“145”マナブ

こんにちは。編集長の石郷です。
今週、読まれた記事はこちら。

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ECでLINE?とその関係性に「?」という声もあった

 最近、お客様との向き合い方において多様化が進んでいるなという実感があります。以前、提言した「インタラクティブなコミュニケーション」が徐々にECにも浸透してきているという気がしています。

 思えば、昨年春、ECのミカタ通信の巻頭インタビューで当時LINE執行役員だった田端信太郎さんに取材をして、LINEのようなインタラクティブなコミュニケーションが大事だという話を取り上げさせてもらい、かなりの反響を持って受け止められました。

 当時においては、ECでLINE?とその関係性に「?」という声もあったとは思うのですが、それも今では聞かれなくなりました。LINEという言葉に引きづられていくと、本質が見えなくなってしまうのですが、要は、「ECサイトとお客様との関係性が多様化している」という事なんです。

 最近、ECのミカタでオルビスの顧客サービスに関しての記事が掲載されていたかと思います。オルビスはコールセンターをお客様サポートの主軸に置いていたわけですが、最近ではチャットボットの重要性を述べています。

 PCやスマホでチャットが立ち上がり、勿論、LINEもやっています。ここでのやりとりがよりヒューマニズムになってきていて、それができている理由としては、その裏側で二つの要素が動いているからなんですね。

問い合わせ件数は全体で約20%増加

問い合わせ件数は全体で約20%増加

 一つはAIで話している言葉を機械学習させる事で、お客様の問いに対してより的確な答えをするようになっているということで、もう一つは、それをより柔軟に対応できるように、話し言葉を理解できるような仕組みを取り入れているということなんです。

 すると、自然と話す側も人間に近い形でライトに話しかけ、また、ライトな答えが返って来るので、それらはまた機械学習として蓄積されて、あらゆる問いに答えられるベースとなっていくわけです。しかも、PCやスマホで言えば、チャットが出てきますし、LINEのお友達になっていれば、それらのやりとりがインタラクティブに行うことができる。

 これがいわゆる1年前に話したメールとは違うということの意味なんです。より本音に近いコミュニケーションだからこそお客様は安心して問い合わせますし、ライトだから肩に力が入ることなくそれができます。そのおかげか、オルビスでは、チャット導入後の問い合わせ件数は全体で約20%増加したというのです。

関係性から売上を作るCRM的な要素

 オルビスはもともとコールセンターを軸にしていたわけで、お客様対応には自信があったわけです。ただネットというのはお客様との関係性が希薄になりがちだと。そこで、チャットを入れることでその距離を近づけ、結果的に、本来オルビスが大事にしているハートフルな関係性から売上を作っていくということになっています。

 また、電話をするというのは結構なパワーを必要としますが、チャットですと手軽です。タッチポイントが増えるというメリットもあり、しかも「うるにゃん」というキャラクターを前面に出しています。見た目から機械的な要素をなくして、自然と質問したくなる要素を生み出しているわけです。そして事実、中身も人間的であるというわけです。

 一年前に見られた「LINEとEC?」と言っていた人は今はもう皆無ですが、大事なのは、その本質です。チャットという要素を一言でわかりやすく例えるなら、友達とのLINEの関係性のようなもの。企業側が人を立てずして、そのような関係から何気ない本音や親近感を抱く関係性を築けるようになったことで、よりそれをもっと手軽にコールセンター、コンタクトセンターのようなポジションを担ってきているということです。

 ただ、忘れてはいけないのはコールセンターはコールセンターで依然として必要なものなのだということ。人間だからこそ答えられる要素もあります。ただ、それだけお客様の顧客対応に多様性が生まれてきたので、ここは今までにないプラスアルファの部分であって、これを活用しない手はない。この多様化に満ちたコミュニケーションでこれまで築けなかった新たなビジネスのチャンスを掴むとというところが大事なのだと思います。

 というわけで、今日はこの辺で。
また次の1週間も笑顔溢れる1週間でありますように。
また来週お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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