EC業界News1週間まとめ〜セブン メルカリ ヤマトらスマホ決済に参入する理由/日本的キャシュレスの勝機

石郷“145”マナブ

こんにちは。
編集長の石郷です。

今週、読まれた記事はこちら。
■【速報】楽天 新プラン発表「経営者向けサポート制度」
https://ecnomikata.com/ecnews/19158/
■【速報】メルカリ上場 記者会見で山田進太郎氏語る
https://ecnomikata.com/ecnews/19211/
■【第8回】商品の良さを語れないお店に未来はない
https://ecnomikata.com/column/19209/
■買い物と決済が可能になる『クロネコペイ』が提供開始へ
https://ecnomikata.com/ecnews/19176/
■希望する決済手段が無いと〇割の人がカゴ落ちする?【Paidy調べ】
https://ecnomikata.com/ecnews/19156/

セブン&アイ、メルカリなど決済参入に見る決済の発展のあり方

 キャッシュレスの世の中の到来を迎えています。昨年末、EC業界大図鑑で予測して書いた通りなんですが、やっぱりなという印象で、あらゆるペイが登場しています。今週に入ってから話題に上がったペイだけでも、クロネコペイ、セブンペイ、メルペイと言った具合です。

 この間、誰かがカードがスマホになっただけと言った趣旨の話をしていましたが、それもそうなんですけど、そういう単純な利便性の問題でもないという気もしていて、スマホの持つ特性を考えると、よりお客様のデータと紐づいて、リーチしやすい販促、マーケティングがしやすい状況になってきたというところに価値があります。

 だから僕なりに言えば、かつてで言う「ポイント」が「決済」に置き換わったという言い方のが適切なのではないかと思っています。今までで言えば、アナログ的にその店などで使うとポイントが貯まって行く仕組みで、それゆえ、ロイヤルカスタマーが生まれていて、例えば、Tポイントなどのように、様々なサービスの連携をすることで、使える場所が増えれば、その顧客の利用頻度は向上すると言う風に進化してきました。

ポイント重視から決済重視、これが日本らしさの鍵となる

 ところがテクノロジーの進化に伴って、決済そのものも独自のプラットフォームを構築できるようになると、ポイントで引き止めるのでは無く、そもそもその独自の決済のプラットフォームを手に入れることで、その決済自体を使ってもらえれば、先ほど、話したスマホの特性が生かされて、決済手段だけでなく、独自のデータを手に入れ、そのお客様にとって、新たなメリットを提供できるというわけなのです。

 しかも、なぜこの場で、ポイントの話をしたかというと、これがある意味、日本独自の在り方なんじゃないかと思うからなんです。キャッシュレスという文化は中国のが進化しているように見えますが、日本はそれとは違う道を歩みそうな気がしています。なぜなら、中国はある意味、国自体が巨大な株式会社みたいなものですから、その決済手段も特定企業に集中させて、世界的な実績と企業価値を生み出すでしょうが、日本の場合は、日本独自のポイント制という文化と結びついて、数多くの企業が共存する中で存在していくように思います。だから、ポイントが決済に置き換わったと書きました。

 そして、様々な企業とアライアンス、そしてそこから生まれる経済圏が混じり合いながら、“お客様をシェアしあう”というようなことがあり得るのではないかと思っています。

お客様をシェアしあう、そこに新しい活路がありそう

 話がそれるかもしれないですが、先日、とあるECサイトと話していて、「ライブコマース」の話で、メルカリチャンネルに出店をしてみたら、時間単位でみると、ECサイトと同じくらい売れたというのです。しかも、その購入してくれたお客様の多くは新規だったということで、僕は思ったわけです。

 メルカリというのはフリマアプリだけど、その価値観で人が集まるコミュニティであって、これをECサイトにライブコマースというきっかけで提供すると、ECサイトにとってはモールでは得られなかったお客様が獲得できるチャンスとなる。つまり、企業が追い求めてきたその価値観で集まったそのコミュニティのような集まりは、今度はそれをオープンにして、“お客様をシェアしあう”というフェーズにきているのだと思うわけです。

 だから、今まで積み上げてきた企業の価値を、決済というプラットフォームに乗せて、オープンにしていくことで、“お客様をシェアしあう”こととなり、それぞれにとって、得られぬお客様を獲得し、新しい価値を提供できる、と思うのです。これはいわゆる中国のように徹底的に使えるプラットフォームを制限するのとは独自の文化を形成するように思えて、企業の成長のあり方としては、より広い視野で物事を見て、その時々で違ったアライアンスを形成していくことで、日本らしいキャッシュレス文化というのはあり得る気がしています。

 というわけで、今日はこの辺で。
笑顔溢れる1週間でありますように。
また来週お会いしましょう!


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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