【花王調査】約半数が「買い物を楽しみたい」。シニア女性の元気の源
花王株式会社(本社:東京都中央区/代表:澤田道隆)の「生活者研究センター」では、高齢者の買い物事情に着目し、首都圏で自立生活を送っている70〜80代の高齢女性に実施した調査結果について発表。
なお、本文ではレポート内の表記に合わせ、「高齢女性」を「シニア女性」とする。
≪調査概要≫
「高齢者の買い物意識実態調査」(郵送調査)
・2012年5、9月/郵送調査/首都圏在住70~80代女性/95名
・2012年6~9月/家庭訪問インタビュー/首都圏在住70~80代女性/8名
・2012年12月/買い物写真調査/首都圏在住70~80代女性/2名
・2017年6月/郵送調査/首都圏在住70~80代女性/115名
約半数のシニア女性が「週に4~5日以上」「ひとりで」買い物に行く
調査の結果、買い物に行く頻度は「ほぼ毎日」「週に4~5日以上」が合わせて49%と、約半数との結果になった。買い物に行くスタイルも家族の誰かと行くのは4人に一人程度、大半が「ひとりで」買い物に出かけるという。
買い物先として最も多いのはスーパーマーケット。他にはドラッグストア、百貨店、個人商店、コンビニエンスストアなどが続く。
コンビニエンスストアの利用は敬遠されがちだったが、近年は総菜やあと一品のおかずを買う際に重宝され、前年比10%以上の増加を見せている。
なぜ買い物に出かけるのか?シニア女性の本音
70~80代のシニア女性といえば、体が思うように動かなかったりと外出を嫌う傾向にあると思われがちだが、今回の調査では意外な本音が明らかになった。買い物に出かける一番大きな理由は「自分の目で確かめて買いたいから」。他にも「元気なうちは自分で買い物をしたい」「運動のため」「老化防止のため」というポジティブな理由が大半で、買い物は「楽しみ」の一つとしてシニア女性の心と体に元気を与えているようだ。
不安もあります
もちろん、シニア女性の買い物には不安も付きまとう。やはり店舗まで歩いていく、重い荷物を持てないといった不安はあるようだ。
ニーズにあったEC展開を
50代以上のEC利用率は、急激ではないものの増え続けている。店舗まで行く体力がない、重い荷物を運べない、といった方にはECはこのうえなく便利なサービスだが、自分のkらだを動かして買い物を楽しむ、という概念を持っている方にはECは敬遠されがちかもしれない。電子書籍が普及しても、紙媒体の本が好まれ続けるのと似ている。
逆に言えば、そうした体をつかった買い物体験を家でも楽しめるようになれば、シニア女性の需要も増えていくかもしれない。
ニーズを知り、それにあったアプローチをしていくことは大切だ。