EC業界News1週間まとめ〜デジタルな時代だからこそ「人」の中身を知る努力が大事

石郷“145”マナブ

こんにちは。
編集長の石郷です。

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LINEでお客様の中身に迫る

 先日、LINEで話をしていたら、LINEの使い方が変化しているという話を耳にしました。以前はLINEの機能でもトーク機能を通じて、然るべきタイミングに、クーポンを表示できるというところに、価値を感じている企業が多かったようですが、むしろ最近の傾向としてみると、1対1のコミュニケーションに使われることにLINEの意味を感じている企業が増えて来ていると話していました。

 オーダーメイドなどをする企業などがLINEで何度かのやりとりをする中で、より顧客のニーズに近い商品を浮かび上がらせて購入に至るという話も耳にしました。徐々にではありますが、お客様との関係性がより柔軟になって、丁寧で心に入り込むアプローチができるようになったということなんだと思います。これって、実店舗における1対1に近い感覚を、いつどこの場所にいてもウェブ上で行うことができるということであって、ほぼリアルと変わらぬ関係性をこれからはECでも意識することが大事なことなのかもしれません。

デジタル化は、アナログあってのこと。

 そこで重視するべきことは何かといえば、ツール、、、ではなく、すごくシンプルな話で「人」なんだと思います。飽きさせることなく、継続的に関係性を築いていけるコミュニケーションを、ネットだからといって特別に考えることなく、リアルに置き換えていけば答えが出てくるのではないかと思いました。

 この間、日本通販CRM協会で、そこに来ている「はぐくみプラス」と話をしていて、聞いたのですが、こんな話がありました。もともと妊活の商品を売られている企業なんですが、勿論、妊娠できるようにとコールセンターのスタッフが様々な心のケアをして、商品も買っていただくわけですが、ここでのコミュニケーション度合いが極めて高い。お客様に色紙を送ってみたり、企業とお客様の関係性が深い。

 だから、そうなると、もはや妊活を終えた女性も引き続き、この会社で商品を買い続ける。この会社との深い関係性が信用を生んで、妊活以外の「はぐくみオリゴ」という商品を買い続けるわけです。この「はぐくみオリゴ」は妊活用の商品ではなく、妊婦さんの便秘解消用の商品です。これが売れているわけです。

 ここから何をみるかというと、通常の企業においてもそういう関係性を日頃から築いておく必要性があると思うわけです。そのベースは究極追えば、先ほどの1対1のコミュニケーションにあると思います。

 勿論、最初はその関係性を築くのにコストがかかるかもしれません。しかし、自分たちの企業とお客様とが何で深く繋がっているかを把握している上で、それを自動化して、広げていこうという動きがあって、そこで初めてツールで言えば、マーケティングオートメーションであったり、CRMツールなんじゃないかと思うわけです。

 別にLINEがどうこういっているわけではなく、LINEもできて来ているし企業によっては、それだけお客様との直接的な接点を作る機会が増えているのは、他社も同じです。それだけお客様を知って自分たちのビジネスに活かせるチャンスがあるというわけで、そこは戦いに挑む上で理解しておきたいことだと思います。

「やっぱり人が好き」にならなきゃいけない

 人にこだわる時代なんだと思います。どこまでいっても我々が相手するのは生身の人間であり、それはテクノロジーがどれだけ変化しようとも人の本質は変わらない。では逆にテクノロジー側がどう変わって、人の中身の分析を浮かび上がらせるか。ここに集約されます。

 人への追求はあらゆる角度で進んでいきます。話は変わますが、ファッションではメイキップがバーチャルフィッティングミラーを出して来た時に、思うのです。この会社はネットのウィークポイントである人の「採寸」に着目して、ネットでいくつかの質問に答えると採寸の問題をクリアできるというツールを出しています。今度はミラーというガジェットを使って、リアルの世界の採寸にアプローチしています。

 おそらくメイキップの狙いは、採寸にこだわり、ネットで得られた採寸情報をリアルでも行い、人の姿を浮かび上がらせることでしょう。つまり、採寸がらみのデータの有効活用させることにあるのでしょう。これまでの性別などの属性にとどまらず、より人間味を持って、あらゆる角度で、体温のあるデータを持つ企業が時代を制することになりそうです。

高知e商人養成塾に潜入しました

 今日はこの辺で、と言いたいのですが、
 ちょっと最後に一言。僕は昨日と今日、高知e商人養成塾にお伺いさせていただきました。僕自身の講演もありましたが、それと同時に、僕は現場が大事だと思っていて、店舗の方々が店舗同士でどんな想いで、やりとりをしているのかの現場を見てみようと思ったからです。

いうまでもなく、ネットショップというのは試行錯誤の連続です。
夜中まで続いた、大懇親会では、迷いある店舗さんがプレゼンすると、その商品の売り方などに関して、かなり白熱したやり取りがありました。また、昨年の合宿で同じく皆から指摘を受け続け、その中で売上を宣言したとある店舗は、自ら登壇し、今年の成果を発表し、そこに関して、質問を通して、その課題を浮き彫りにして、考えを促す、というのを目の当たりしました。

 こういう熱いやり取りで、人は自分を見直し、また譲れないものを確認して、自分の進むべきものを再確認するんだと思いましたし、改めて、自分の意志の大事さを思いました。これだけ鋭いツッコミも、自分のやりたい意志があってこそ、向き合えるのではないかと思うわけです。

 ここは学びの場であり、皆の意思確認の場なのかなと思いました。半端な気持ちではこれらのツッコミにおそらく向き合えない。そこになるほども、なんだとという思いも、本人の揺るぎない想いがあってこそ生まれることであって、そういう本気の人の集まりなんだなと。

ネットショップの情熱がありました。ECの本気を感じましたし、横の繋がりの強さを見ました。

明るい未来はこういう熱い想いを持つ中で生まれるんだと思いました。
それでは、
また来週お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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