EC業界News1週間まとめ〜配送をシェアして生鮮食品ECを具現化 クックパッドの挑戦/アリババ馬雲の引退 

石郷“145”マナブ(編集長)

こんにちは。
編集長の石郷です。

今週、読まれた記事はこちら。
■アリババ創業者のマー氏が会長職を退任へ、後任は現CEOのダニエル・チャン氏
https://ecnomikata.com/ecnews/19993/
■【速報】GMOペパボ開催「カラーミーショップ大賞2018」会場潜入!
https://ecnomikata.com/ecnews/20019/
■リリースから1年。日本企業がAmazon Businessを選ぶ4つの理由
https://ecnomikata.com/ecnews/20018/
■楽天『Rakuten-EXPRESS』の対象エリアを千葉県に拡大!自社配送も一部で開始
https://ecnomikata.com/ecnews/19994/
■ヤフオク!、配送料金を全国一律に。10月16日(火)0時スタート
https://ecnomikata.com/ecnews/19985/

クックパッドマートは配送の“シェアリングエコノミー”

 最近は、ECのあり方が多様化しています。
今週、クックパッドマートの受取場所がさらに増えた、というニュースがありましたが、まさかクックパッドがECに参入しようとは思わなかったわけです。と言っても、この話のポイントは、ここ最近の配送の問題と紐付いているところにあります。

 指定の受取場所で保管して預かってもらう「置き配」をベースにしているわけです。従来で言えば、家で商品が届くのを待っているわけですが、それを身近な拠点で預かっておいてもらい、購入者はそこの場所で受け取って、家に持ち帰るというわけです。

 クックパッドと言えば、レシピで有名ですが、レシピに沿った具材に関する近隣での購入情報も紐付き、情報提供するようになって、そして、その具材は購入できて、かつ身近な拠点で届けてくれるというわけです。

 で、今週は発表されたのがその受取拠点が増えたというニュースで、カクヤス、スマイルドラッグ、ツルハ、鉄人化計画などが名乗りを上げたわけです。その名前を見れば分かる通り、ありとあらゆる業者な訳です。それもそのはず、受取場所ですから、きちんと保管さえできれば、どこでもいいわけです。

配送の着眼点一つで、世の中に新たな価値を生む

 そうすると、世の中にある店などの全てが対象となり、自分の店に空きスペースがあれば、それを預かって行けばいい。かつ、それをきっかけに、新規のお客様が立ち寄るきっかけになるという一石二鳥なわけです。

 一方、まだ拠点は限られていますが、一台の配送車がある一定の地域を販売店や生産者に回って、それを受取拠点に持って行くから、配送に関わるコストが軽減できるわけです。ある意味、シェアリングエコノミーだなと思いました。

 最近、名古屋、高知などに伺っていて、地元の個性を生かした商品は数多くあって、地道に販売されていることを目の当たりにすると、これって地方でもできないかなとすごく思うわけです。地元の生産者の商品に目が行き、それで受取場所があることでそこへのアクセス機会が創造されるわけですから。

 これぞ、BtoBを得意とする佐川急便やCtoCを得意とするヤマト運輸にはなかなか着想し得ないBtoCならではの発想であって、かつ ECの強みを生かして、クックパッドのレシピの付加価値をあげる見事なサービスだなと思います。先行者利益で、その受取拠点を増やせば、ある意味、クックパッド経済圏が生まれます。

アリババだってECを通して小売の既成概念を変えて行く

 ただモニターの前でポチポチと商品を購入するのがECではなく、リアルの生活の中にECの技術が溶け込み始めているのがここ最近の特徴です。それが、これまでの発想にはない違った文化を生み出します。

 一歩先ゆくアリババでは「ニューリテール」と言って、リアルでもECでもない新しい小売を模索しています。例えば、「盒馬鮮生」というお店がリアルに存在し、お客様は生鮮食品は実際に見た上で購入するのだけど、決済はアリペイでスマホで完結し、届けるのは配送で、そこで店に並んだ状態のものを鮮度を落とすことなく、家に届けてくれるというわけです。店舗がものを買う場所からショールーム的であり倉庫的でもある場所へと変化して、これまでにない文化を形成しています。

 ECがリアルの世界に入り込んで、今までとは違った視点でのリアル世界の価値を生み出していて、まさに、既存の考え方に囚われていると、時代遅れと言われても仕方がない状況です。

 そのアリババでは、今週、別の話題で多くの人に関心を集めました。これまで中国のEC業界を牽引してきたと言ってもいい、アリババ創業者ジャック・マーが来年アリババが20周年を迎えるのを機に、引退を表明し、ダニエル・チャンが今後のアリババを率いて行くという発表があった。もともと独身の日など先頭に立って率いて来たこの人物が表舞台に立って、どんな変化をもたらすのかは注目だと思います。

 彼は、アリババが「ジャック・マーのものではない」ことをその声明の中で言い、自分がCEOを退いて以降もそれはダニエル・チャンのもと、組織として確固たるものが完成し、今後、多くの人にその意味をもたらす企業となったことを明らかにし、自分が退くことにしたようです。

 もともと彼が教師をやっていたところから始まっていますが、また教師に戻るとも言います。あくまでも予感でしかないのですが、アリババという名だたる企業を作りだしたが、今後は、世界を発展させるべく、アリババという枠にとらわれない、多くの可能性ある人材やサービスを生み出す後方支援を、教師さながらにして、背中を押していくつもりなのではないでしょうか。

 時代の変化、テクノロジーの進化で、新しい発想が生まれ、下手すると既存のビジネスにとって変わるようなことを、わずか20年以内に生まれて来た企業の取り組みが指し示してくれているように思います。

ECがアーティスト、クリエーターとユーザーを繋ぐ

 さて、最後に、つい先日、DELI GRAPHICS(デリ・グラフィックス )というECサイトが目黒駅前で、ポップアップショップが行い、そのお誘いを受けたので、伺いました。このショップのコンセプトは、“アートを身近に!”とのこと。アーティストやクリエーターが手がける作品をウェアやグッズにして幅広いユーザーに発信していくECサイトです。

 このサイトの主張からすれば、DELI GRAPHICSをアーティスト、クリエーターとユーザーをつなぐプラットフォームと位置付けていこうというわけです。

 今回のポップアップショップには、上記の写真のように、TシャツやiPhone用ケースといった身近な生活アイテムをキャンバスにしたアート作品が並んでいます。このECサイトの意図としては、これらを気軽に身につけて、多くの方が作品に触れる機会をつくりたいということなのでしょう。そもそも日本にはアート活動を生計と連動して、活躍出来る環境が少ないという、この世の中への問題提起の側面も持っています。

 ECサイトがものを売る場所でありながら、それを通してコミュニケーションが生まれるメディアとして、日本のアートの発展に結びつけていこうとするのは、歓迎したいと思いました。ECが発信する側にも受け止める側にも、手の届きやすい、身近な存在となった証なのではないかと思いますし、あとはこのアーティスト達がおのおのが抱えるコミュニティをどうこのショップで融合させて、アート全体の盛り上げにつなげていくかが大事になってくるでしょう。

というわけで今日はこの辺で。
笑顔溢れる1週間でありますように。
また来週、お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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