EC業界News1週間まとめ〜アリババ、JDの独身の日 記録更新の中身/ヤフーに見る日本版「独身の日」の未来

石郷“145”マナブ

こんにちは
編集長の石郷です。

今週、読まれた記事はこちら。
■トイザらスで『スーパーブラックフライデー』開催!
https://ecnomikata.com/ecnews/20780/
■Yahoo!ショッピングの「いい買い物の日(11月11日)」の結果を公表!
https://ecnomikata.com/ecnews/20789/
■【独身の日結果発表】アリババが流通総額2,135億元(約3,5兆円)を達成
https://ecnomikata.com/ecnews/20779/
■2018年の「独身の日」はアリババを筆頭に史上最大規模になる予測に【App Annie調べ】
https://ecnomikata.com/ecnews/20763/
■楽天が2018年12月期 第3四半期の決算内容を公表!
https://ecnomikata.com/ecnews/20761/
■「OK Google ヤマト運輸につないで」ハンズフリーで宅配の届け日時の変更も可能に
https://ecnomikata.com/ecnews/20799/
■再配達のストレスとサヨナラ!女性にこそOKIPPAのある生活を。
https://ecnomikata.com/ecnews/20815/

アリババグループの独身の日は日本円で約3.5兆円売れた

今週は「独身の日(W11:ダブルイレブン/双11)」の記事がよく読まれました。
 11月11日は“1”が並んでいることから「独身の日」と言われていて、もともとは若者を中心にパーティーをしたり、買い物をする風習がありましたが、2009年にアリババグループのCEOジャックマー氏がセールイベントを企画・実施したことに端を発し、ネットショッピングを楽しむ日になり、それも丁度10年目の節目です。

 だからこそ、アリババのエコシステムを構成する全ての事業が「11.11」に参加しました。天猫(Tmall)や天猫国際(Tmall Global)、淘宝網(Taobao:タオバオ)などのECにおけるプラットフォームで仕掛けをするのは勿論、それに伴い、物流事業「菜鳥(Cainiao:ツァイニャオ)」による物流の最適化も行いましたし、他にもクラウド事業「Alibaba Cloud」による各プラットフォームの運営・決済処理の支援まで行って、グループ一丸となって、もはやECに限らず各企業の総合体でこのイベントにのぞんだと言っても過言ではありません。

 小売の革命も着々と進め、今年初参加となる「餓了麼(Ele.me:ウーラマ)」によるデリバリーでの即時配達など、エコシステムの「オールイン」を実現しています。

 それだけに、ECに全力投球でき、最大化も図れた事で、今年の勢いに繋がり、数々の記録を塗り替えました。まず開始後2分5秒で、100億元突破し、開始後1時間47分26秒で、1000億元突破。2016年の独身の日の総取引量(GMV)超えたのは11日午前8時で、2017年のGMV超えは午後3時で、すると気になるのは、今年2018年のGMVですが、2135億元。日本円にして、3.5兆円です。日本の大手オンラインモールで一年で売り上げる量を1日で達成したというのだから凄いです。

 あまりに規模が大きすぎて、実感がわかないと思いますので、こんな例でいうとわかりやすいかもしれません。日本のブランド・サントリーのウイスキー「響」(30年限定版)ですが、売り切れになるまでの時間はどれだけかかったでしょう?正解は何と開始3秒。その勢いがいかほどかがお分かりいただけるでしょう。

JD.com(京東商城・ジンドン)でも独身の日に日本円で2.6兆円売れた

 ただ、今年で言えば、それはアリババだけの話ではなくJD.com(京東商城・ジンドン)にも波及しています。たとえばカルビーは「独身の日」セール開始後30秒で昨年のセール売上げ記録を更新しました。

 特に中国人ユーザーに評価の高い日本の美容商品では「SK-2」がランクインしたほか、ユニ・チャームがトイレタリー部門の売上げランキングにおいて1位を獲得しました。資生堂はボディケア部門で売上げランキングが第1位になるだけでなく、ヘアケア部門では第2位にランクインし、さらに京東に出店している旗艦店の売上げランキングでもベスト5を記録しました。

 さて、ではどれだけ売れたのかと言いますと、同じく11月11日の「独身の日」セールで、過去最高取引額1,598億元(約2.62兆円)達成したといいます。2.5兆円を超えるというのも普通ではありません。

 ユニークなのはJDが発表したところでは、50箇所の無人倉庫及び自社配送網により、セール期間中においても、90%の注文を当日もしくは翌日に配送。セール期間中、ドローンは約2万回飛行し合計12万キロに及び荷物を届けたという話もあり、比較的、物流に力を入れている側面がここで伺えます。

日本でもYahoo!ショッピングの「いい買物の日」浸透

 さて、ここまで中国の話をしてきましたが、日本はどうだったのかというと、日本ではYahoo!ショッピングを筆頭に、「いい買物の日」というキャンペーンを展開しました。「独身の日」の盛り上がりをヒントに、関連会社でもあるヤフーが仕掛けたこのイベントは、ある意味、着眼点としては良くて、「いい買物の日」開催前である2014年11月11日と比較し、約16倍の取扱高になったと言います。

 2018年の「いい買い物の日」では、ヤフーが誇る約80万店の出店が下支えとなって商品の品揃えを実現し、その中でも、最も取扱高が高かったのは「ヤマダ電機 Yahoo!店」でした。家電のEC化率は高いですし、ユーザーも家電を買いたいニーズはあるので、当然と言えば当然ですが、昨年の11月11日に比べ約5倍もの取扱高だっとそうです。トップがこの勢いなので、当然、それ以外のお店にも通常にはない追い風が吹いたと思います。売れた商品としては、Nintendo Switchや、4K対応液晶テレビなどの人気商品を中心に高額商品だったとのことです。

 ここで注目すべきは、 「いい買物の日」期間中(11月5日~11日)取扱高全体の約85%がプレミアム会員によるものだったという点です。11月11日当日は、取扱高の約95%を占めたそうで、ヤフーがこれまで続けてきたロイヤルカスタマー施策がこの日にピークを迎えるように持ってきているわけです。日本が中国と違うのは、ある意味、ポイントなどで経済圏をフックにロイヤルカスタマーを形成する方向になってきています。

 以前からお話ししてきていますように、徐々に各モールでは経済圏が形成され、ある意味、被らないユーザーが出てきていることからすると、楽天がまさに「おひとりさまDAY」を仕掛けてきたように、ヤフー以外、楽天やWowma!といったところが同じくこの日にセールを持ってきて、切磋琢磨し、この日自体を日本でもショッピングの日としていくのは、非常に作戦としては有りかもしれません。

  何よりヤフーが実績を叩き出している分だけ、参入する意味もありますし、経済圏の離脱を止めるためにも必要なことなのかな、と思います。

独身の日で日本はヤフー、楽天、KDDIなどの経済圏の争いをするべき

 ただ、楽天の「おひとりさまDAY」はあくまで楽天市場のイベントであり、1日限りの話で、目玉商品を用意し、楽天ポイント最大44倍の「ウルトラポイントバック」キャンペーン開催し、AbemaTV特別生番組放送なども行いましたが、グループ一体となってという印象はありません。その実績も公表されていません。

 単純に、ヤフーに対抗してという意味合いも見えなくはありませんが、それですと、単に「他がやっているからうちもやろう」という感じの印象でしか消費者の気持ちは盛り上がらないと思います。そういう視点ではなく、一緒になってこの日を盛り上げ、また各経済圏による競い合いという視点で、グループ一体で動くのが良いのではないでしょうか。

 という訳で、ECをキッカケに、今までにはない11月のショッピングの文化が生まれようとしているのは非常に経済的にもプラスだと思われ、日本でも中国同様に、盛り上がることを期待したいです。また、上記に示した経済圏に加えて、リアルのショッピングが充実する日本では、更にリアルを巻き込みながら、発展することがオリジナリティを生んで、消費者にも新しい刺激と購買を生むのではないかと思います。

という訳で今日はこの辺で。
笑顔溢れる一週間でありますように。
また来週お会いしましょう。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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