AIを活用しアイテム画像50万点以上からトレンド分析をする『#CBK forecast』がリリース

ECのミカタ編集部

ファッションに特化した人工知能を開発・展開するベンチャーの㈱ニューロープが、トレンド分析サービス『#CBK forecast(カブキフォーキャスト)』をリリースした。

トレンド分析サービスとして結実

#CBK forecastはTwitter、ブログ、ECサイト、メディアなどに掲載されているファッションスナップ画像に含まれる50万点以上のアイテムをAIで解析し、バイヤーやMDをデータで支援することを目的としている。

同サービスはメーカー・ECなどファッション企業に向けて既に提供されており、ファッションに特化した人工知能を開発・展開するベンチャーであるニューロープ社が、トレンド分析サービス『#CBK forecast(カブキフォーキャスト)』としてリリースされた。

2014年から蓄積しているTwitter、ブログ、ECサイト、メディアなどに掲載されているファッションスナップ画像のアイテム50万点以上をAIで解析し、色・柄・素材・形・ディティールなどを分析。どのようなアイテムが実際によく着用されているのか、ドレンドを定量データとしてメーカー、卸、リテールなどファッション関連の企業に提供するとしている。

「アパレル廃棄問題」緩和への挑戦

「アパレル廃棄問題」緩和への挑戦

同社によれば、余った新品の服が大量に焼却処分されるという、いわゆる「アパレル廃棄問題」が問題視されるようになっている。実際に国内のアパレル市場規模が15兆円から10兆円程度に減少する反面、供給量は20億点から40億点程度に倍増するということが起きているそうだ。

単純にセールで大幅にディスカウントして売り切るという手法はブランド価値の毀損にもつながりかねず、一方で同じ商品を棚に並べ続けることは顧客を満足させることはできない。この問題を解決するために余剰在庫を新しい経路で流通させる様々なサービスが注目を集めているのだ。

こうした現状をふまえて#CBK forecastは、そもそもの余剰在庫削減に貢献することを目指す。ブランドやメーカーは、自社が過去に販売した商品については十分に分析できるからだ。「過去に販売はしていないものの、仮に棚に並べていたら売れたはずの商品」を知る、いわゆる外部情報を得る手段は、コレクションやSNSのスナップを眺めるといった属人的なものに限られている。

#CBK forecastはSNSやECモールのランキングなどに掲載されている画像を解析して定量化することで、「過去に販売はしていないものの、仮に棚に並べていたら売れたはずの商品」を再現的に見つけるための支援が可能となっている。

人の力・AIの力の組み合わせで実現する最適解に向けて

人の力・AIの力の組み合わせで実現する最適解に向けて

#CBK forecastの導入企業は専用のダッシュボードで日々更新されるトレンド情報をウォッチすることで、グラフでビジュアライズされた様々なデータを見ることができる。また情報はローデータの形式でエクスポートし、任意の切り口で分析にかけることも可能だ。なおサービスはメーカー・ECなどに向けて既に提供されている

ニューロープ社は「#CBK forecastがアパレル廃棄問題に与えられるインパクトが限定的であることを理解している」としつつ、川上から川下まで各工程が複雑化を極める中で、人の力・AIの力の組み合わせで実現する最適解に向けて、各社の協力を得ながら引き続きサービスの開発を続けていく方針を明らかにしている。

活況を呈するEC市場を力強く牽引するアパレル分野。そこに横たわる課題と、各事業者のトレンド分析と自社アイテムの管理の面で、頼れる存在となりそうだ。

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