イーコマース事業協会17周年イベント開催 「和気文具」がグランプリ

石郷“145”マナブ

ウェブマガジンを作るスタッフとともに

 ネットショップにとっての節目であり、拠り所なのだろう。4月16日は、イーコマース事業協会(EBS)の17周年イベント「ネットショップカンファレンス」が開催された。この日は200名を超える人が集まった。一年間の頑張りを振り返り、一年前と今を比較して、成長の度合いを推し量る。横には信頼する仲間たちがいて、讃え合いながら、明日への活力を得て、また次の一年へと繰り出す。

 この一年間の一つの成果を示すものがこの「全国ネットショップグランプリ」だろう。店舗により優れた店舗を選ぶ、「全国ネットショップグランプリ」で選ばれた店舗とは?各賞の受賞店舗の紹介とそれぞれの代表者によるコメントを添えた。

社員を讃える社長や台風の逆境を力に変えたお店等、現場の雰囲気が伝わるスピーチ

社員を讃える社長や台風の逆境を力に変えたお店等、現場の雰囲気が伝わるスピーチ

特別賞(大阪府知事賞) 「HEADS」
素晴らしい賞をいただいた。僕は何もやっていなくて、四人のスタッフがやってくれただけだ。彼らが頑張ってくれただけで、彼らに拍手を!(というと会場から拍手が起こった)。BtoBのギフトラッピングで創業して30年、ネットは10年。業務用資材、販促用品、ラッピング用品、ギフト用品を取り扱い、企画から製造まで幅を広げてきたが、そんな中で毎日、本当に夜遅くまで頑張ってくれて、今がある。いろんな方と寄り添いながら、より幸せにするお手伝いをしていきたいと考えている。

特別賞(中小機構理事長賞) 「鶏肉、からあげ通販のチキンナカタ 」
弊社は鶏肉を売る会社なんだが、去年9月に台風があって、鳥の鶏舎が半壊してしまい、仕入れることができなくなった。故に、1ヶ月の半分くらいしか営業できなくなってしまい、地元の人の助けもあって、急遽サイトを作ったという経緯がある。和歌山の名産品も売っていこうかと思い、鶏に関係のないものも売ってみたところそちらの動きも良くなり、まさに9月の台風は逆風を乗り切って、ピンチをチャンスを変えていけた。ただこのサイトは僕一人でこの企画を考えたわけではなく、一緒に頑張った友人が支えてくれたので、その友人にも感謝している。

店舗にも受賞が一つの振り返りのきっかけに〜EBSの価値はそこにある

店舗にも受賞が一つの振り返りのきっかけに〜EBSの価値はそこにある

準ブランプリ 「ふとん通販 ねむりサプリ」
このような賞をいただけるとは思っていなかったので驚いている。今から思い起こせば二人の娘がいるのだが、二人目を妊娠して、まだお腹にいるときに妻が楽天大学に行ってくれて、16年間にやってきた。寝具を通して、人に良い眠りを提供していくつもりで、ねむりサプリと名付けたわけだが、いろんなこともあった。実際、数年前、数年前ウェブのスタッフが皆辞めてしまうなんてこともあって、体制を整えたことが今の成長の足がかりとなっている。今は会社としては店舗と運営サイト以外にも BtoBで寝具の販売などもさせてもらっていて、その過程においてはEBSで学んだことがあって、血となり肉となって今に至っている。

準ブランプリ「ひなたライフ」
「ひなたライフ」はブランディングを重視しているサイトで、オウンドメディアとして自社サイト一本に絞ってやっている。特に、インスタグラムにおいてはインスタグラムが去年6月くらいから始めた新機能「チェックアウト」を「ひなたライフ」でどこよりもいち早く展開しており、そういう動きが今回の受賞につながったのだと考えている。今後も、こういう姿勢で拡大と認知度を図っていこうと思っているので、ぜひスマホを開いて、ひなたライフを探してもらえたらと思う。

グランプリは「和気文具」愛されるサイトに成長

グランプリは「和気文具」愛されるサイトに成長

グランプリは「和気文具」だ。

 グランプリに到るまでの受賞のポイントに関しても添えてみると、EBSの話すところによれば、こういうことのようだ。文具というと店舗数も多いし、ディスカウントに陥りやすい商品。徹底的な差別化を提供した点が評価された。品揃えの豊富さ、ギフト対応、文具の楽しみ方、などコンテンツ力でユーザーの心を掴みつつも、SNSの活用によってユーザーとの接点を作る工夫をしてきたと。

 それではコメントを見てみよう。
正直、文房具はコンビニでも百円均一でも売っている。昨日、急遽自分の息子のノートが足らないとなって、近所のスーパーに走ったように、そういうところで僕たちは専門店としてどういうところを目指していくのかを見つめ直した。僕らは文房具を好きになってほしいし、中毒者になるくらいの気持ちでやっている。特に最近は「JOIN US STATIONERY HOLIC」という言葉を掲げて本店サイトを作り直していき、情報を文房具の楽しみ方を強化していた中で、その点を強化していった中でのことなので嬉しい。

ショッピングは楽しいものなんだ

ショッピングは楽しいものなんだ

 思うに、ショッピングは楽しさなんだと思う。利便性を追えば、大手サイトを使えば良いが、そればかりではない。それぞれのお店には個性豊かな店長がいたり、魅力的な商品があったりして、その価値を今一度見つめ直すことが大事なのではないかと思う。

「和気文具」然りであるが、彼らもまた自らがショップというよりメディアとなって、文房具の楽しさを伝えたことがお客様の心を掴んだのだと思う。確かにSNSやウェブマガジンなどを効果的に使ったのはあるが、あくまでそれらは手段に過ぎなくて、注目したいのは、彼らの文房具への愛だと思うのだ。愛を持って商品と向き合うこと、そこから派生してどんな風に伝えるか、ネットショップの正しい未来はそこにあると思うのだ。

受賞各社の皆さん、おめでとうございます。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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