令和に幸あれ!ニコニコ超会議2019レポ 小林幸子が語る「平成最後の一文字」。超歌舞伎は今年も中村獅童、初音ミク見参!

石郷“145”マナブ

 株式会社ドワンゴが開催する「ニコニコ超会議2019」が先程、閉幕した。同イベントでは「ニコニコのすべて(だいたい)を地上に再現する」をテーマに、2012年より開催しているイベントで、今年はもう8回目を数える。

 思うに、人にはいろんな価値観があって、趣味嗜好は多種多様である。印象的なのは、そうした様々なあらゆるカルチャーが一同に会するというところであり、特筆すべきはそれらの多くがネットで生まれたものであるということ。ネットの力がリアルな場面にまで及ぼすその力を示すイベントである。

小林幸子さんの平成最後の漢字一文字は「幸」

 ニコニコ超会議では「ニコニコ動画」や「ニコニコ生放送」でのコンテンツをブースとして展開、ネットの世界をリアルで体験でき、皆で楽しめる。リアルに出現したネットの熱量はかなりのもので、昨年の会場来場者数で言えば、過去最高の16万1,277人を動員、ネット視聴者数612万1,170人を記録して、今年の記録も気になるところだがまだ発表されていない。

 さて、冒頭の写真の様子は、平成最後の言葉は「幸」と語る小林幸子さんの姿だ。これは「平成最後の漢字一文字」で表現してみよう!という企画に絡んだもの。この企画は「Twitter」と「ニコニコ超会議2019」がコラボしたもので、ハッシュタグ「#平成最後の漢字一文字」をつけて投稿されたツイートの中から、抽選でブースの壁に掲出するという趣向で、この会場に小林幸子さんも現れたのだ。そして、自ら筆をとって、非常に達筆に、平成最後の漢字の一文字「幸」を掲げた。

 ここで掲げた文字の「幸」とは…。小林幸子さん自身「私の名前に入った漢字」であり、「平成の時代は必ずしも幸せと言える出来事ばかりではなかったけれど、それでも皆が夢を持って、前向きに、皆に幸せになってもらいたい」と話して、そういう強い思いを胸に、新しい令和の時代を思い描いて、祈念して書いたものだ。人を想い、このニコニコ動画ユーザーをはじめ、老若男女から慕われる小林幸子さんらしい一面を見せた。

古き良き歌舞伎の世界に、最新鋭の技術でリアルに浮かび上がる初音ミク

 数々なカルチャーを既成概念にとらわれない発想で切り開いていくのは今年も例年通りで刺激的だ。毎年恒例の「超歌舞伎」は「今昔饗宴千本桜」を装い新たに上演し、中村獅童らが華やかに盛り立てた。古典歌舞伎を代表する「義経千本桜」と、初音ミクの代表曲「千本桜」のそれぞれの世界観を融合して生まれた世界観で、日本の伝統である古典歌舞伎と最新鋭のデジタルを織り交ぜたハーモニーなのだ。

 本日、上演を見ていて思ったが、リアルと幻想を行き来して、観客は新感覚でそのファンタジーな世界に酔いしれる。リアルな舞台では、中村獅童さんの気迫溢れる演技もさることながら、演者達の統一感に圧巻。様々な道具を使って、見事な立ち居振る舞いをし、その世界には誰しもひきこまれるのだ。最後には中村獅童さんが「ハイッ!ハイッ!ハイッ」と威勢良く発すると皆、桜にちなんでピンクに光る棒を振って、声を上げてそれに応えた。

ヤマト運輸は配送員の人手不足という社会問題と働き方の新しさを伝える

 また、様々な企業ブースも多いが、企業にとっては、自分たちのビジネスなりを一般の方々に身近な接点を作り、その認知と理解を深める場としている。例えば、ヤマト運輸で言えば「異世界のアンカーキャストクエスト」というブースを設置していた。このブースで発生するクエストには「KADOKAWAブースへ荷物を運ぶ」といったリアルな配達の疑似体験ができるような内容になっており、まだ認知の低い「アンカーキャスト」に光を当てる工夫がなされる。

 ちなみに「アンカーキャスト」とは午後から勤務できる配達ドライバーのことで、配送における人手不足を解消させるべく、少ない時間で働ける多様性を持たせた働き方で、ある意味、企業ブランドに直結するメッセージとなっている。

「ミライアカリ」や「電脳少女シロ」VTuberの存在感は年々増すばかり

 また、最近のニコニコ超会議には欠かせない存在となっているのが「virtualYouTuber」である。ここには「ミライアカリ」や「電脳少女シロ」「猫宮ひなた」「月ノ美兎」「ときのそら」「富士葵」など「virtualYouTuber」が続々登場するVtuber Special Stageという専用のステージが用意され、リアルと変わらぬステージ上のパフォーマンスを見せて、来場者を熱狂された。

 もはやリアルのアイドルと変わらぬ活躍を見せておリ、そこにはそれぞれのキャラクターに惹かれる要素があり、アニメなどとは一線を画して、それらが一つの文化として当たり前に定着して、これだけの熱狂ぶりを生み出すだけのポテンシャルを持っていることをこのステージは知らしめたことになる。

 その名の通り、youtubeでも活躍する精鋭たちではあるが、ニコニコ超会議ではそれらすらも網羅してイベントに直結させているのを見ると、ニコニコ超会議が追うべきはあらゆる日本のカルチャーの集結なのではないかと思う。


 他にも、そこにいるのはコスプレイヤーではなく紛れもないお坊さんだったり、まさにカオスなわけだが、それでこそ、ニコニコ超会議と言える。元DJという異色の経歴を持つお坊さんが「テクノ法要」を説けば、創業453年の老舗「西川」が高級ベッドを用意して、睡眠に関するお悩み相談にも応える。

ニコニコ超会議に GLAYまでやってきた。

 【GLAY×ゴールデンボンバー】超プレミアムライブ in 超音楽祭2019といったメジャーな存在すらも当たり前に顔を出し、カルチャーの祭典とも言えるこのイベントにその華を添えた。写真を見れば分かるが、いつもライブとも違う笑顔を浮かべているではないか。

 いろんな思いが交錯しながら、その様々な文化の混ざり合いの中には、それぞれが生み出した文化への敬意も感じられる。自分の価値観で惹かれる文化をきっかけに、歌舞伎がそうであるように、それまで知らなかった文化の偉大さに惹かれる人も出てくるといえ、ドワンゴの業績そのものには色々な指摘もあるが、その意味では、日本では唯一無二なあらゆるカルチャーを堪能するイベントであるように思う。

 忘れてならないのはこれだけネットの世界に影響を及ぼすだけのネット発信のイベントが当たり前に存在しているという事実である。我々はEC業界ではあるが、ネットの世界はリアルと変わらぬ存在感で当たり前に、浸透している。その中で、ネット通販のジャンルにおいては何を思い描くかは、こういうイベントをヒントに考えてみる必要があるように思う。思い切った仕掛けをし続けるその企業姿勢に学ぶべきところはあると思う。それが今という時代であり、変わりゆく時代の中で取り残されないための大事な備えであると思う。

 ドワンゴにおいては夏野新社長を筆頭に、日本の文化を牽引してもらいたいものだし、ネットに関わる企業たちはこのようなリアルな場面と融合して一体何ができるのかを真剣に考える先に、新しい時代の「ワクワク」「ドキドキ」があるのではないか。


記者プロフィール

石郷“145”マナブ

キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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