ドワンゴが電子書籍ビューワ「i文庫」を取得 電子書籍開発を強化か

日本製電子書籍ビューワの草分け

株式会社ドワンゴが、株式会社Nagisa Worksより電子書籍ビューワ「i文庫」の事業を譲受したと発表した。開発者の浅田康之氏はドワンゴ社の電子書籍開発チームに加わる。9月25日付のプレスリリースで明らかになった。

「i文庫」は、日本における電子書籍の黎明期に登場した。iPad用アプリケーション「i文庫HD」がリリースされたのが2010年5月10日。iPadが日本で初めて発売された同年5月28日よりも約半月前というから驚きだ。「i文庫HD」は同年のグッドデザイン賞を受賞している。


"日本で一番ポピュラーな電子書籍サービスのひとつである。多くのiPad のアプリは単なるソフトでなく、サービスの入り口である。つまり、見た目や機能のデザインではなく、電子書籍を読むという一連の「行為」がデザインされていることが求められる。i文庫HD はページをめくる時の感触など、英語版アプリにはない細かい工夫が際立っている。" ―グッドデザイン賞受賞時の審査員コメント

その後も「i文庫HD」はバージョンアップを続け、2014年9月現在の最新版はバージョン3.0.5。iPodに対応した「i文庫S」もリリースされている。

ドワンゴ社 電子書籍開発部門の強化へ

株式会社ドワンゴは、主に携帯電話向けのコンテンツ配信事業を行う日本企業。「ニコニコ動画」を運営する株式会社ニワンゴの親会社である。ニコニコ動画の関連サービスである「ニコニコ静画」において、イラストやマンガなど多数の電子書籍を取り扱っており、また出版社と連携したさまざまなサービス展開を行っている。

今回の「i文庫」取得により、同社の電子書籍開発を強化する狙いがあるとみられる。今後のサービス展開にどのように活かされるかが注目される。