収益につながるECサイト構築を支援 顧客体験管理(CEM)ツール『Quantum Metric』の提供開始

ECのミカタ編集部

株式会社キメラ(英文社名:XIMERA, Inc、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長COO:大東洋克)は、顧客体験管理ツール「Quantum Metric」の国内提供を開始することを公表した。同ツールは「CEM」(Customer Experience Management)というジャンルに分類される、サイト上のユーザー体験を効率よく改善できるものだ。

UX(顧客体験)が優れたサイトほど収益性が向上する

経済産業省の調査によると、2018年の個人向け電子商取引(EC)市場規模は約18兆円に上る。コンテンツや生活消費財、食品、電気製品、チケットなどネットを通じてサービスや商品を購入するのはもはや日常となった。

一方でサービス提供側の課題は、収益性を向上するためユーザー満足度を上げることでもある。そのカギとなるのが、ページ表示速度や操作性といった「ユーザー体験」(UX)だ。UXが優れたサイトほど、サービス利用や商品購入の機会が増え、結果として収益性が向上する。

キメラ社が日本国内代理店として提供を開始した「Quantum Metric」は、こうしたサイトのUXの改善をサポートするツールだ。このツールを利用することで、成果を見込めるUX改善の意思決定を素早くできるようになるという。

UX改善のポイントを客観的に判断できる

Quantum Metricの調査では、一般的なサイトはユーザー体験が原因で15%の収益を逃しているというデータがあるそうだ。ユーザーにとってのボトルネックを突き止め、UXを改善することで、ユーザーのロイヤルティと収益の両方を継続して向上可能になる。

Quantum Metricでもっとも特徴的なのが、「ユーザー体験が損なわれていることに起因する機会損失をユーザー数と金額で数値化できる」機能と「ユーザーの操作画面を動画で再現できる」機能だ。

これまでサイトの問題を改善する場合、運用チームが考えた仮説やユーザーの申告から、改善内容や作業の優先順位を考えるしか無かった。しかし、こうした意思決定は属人的かつあいまいなことが多く、場当たり的な進めかたになりがちだ。

Quantum Metricなら優先順位を定量的に判断でき、問題が発生しているポイントの具体的な改善策を立案できるという。導入も8行のJavaScriptコードをサイトの各ページに埋め込むだけと手軽だ。

Quantum Metricの主な機能

Quantum Metricの主な機能

[Machine Intelligence(機械知能)]
サイト表示速度や、ユーザーが操作で困惑する場面、システムエラーや不具合を検出し、影響を受けたユーザー数、想定機会損失金額で表示。サイト改善を実施する優先順位を容易に決定できる。

[Session Replay(セッション・リプレイ)]
エラーの発生や、操作でユーザーが困惑している場面を、一人ひとり動画で再生。エラーやページ設計不備の原因を簡単に特定できる。ユーザーが入力する住所やクレジットカード番号など個人情報は、フォーム内容のマスク機能で動画記録から除外可能。

[Funnel Analysis(ファネル分析)]
「APIエラー」「警告を表示」「ページ再読み込み」などQuantum Metric独自定義のセグメントやユーザー定義のセグメントが、通常の場合と比べてコンバージョンに悪影響を及ぼしているポイントを可視化。

[Interactions(インタラクション)]
ヒートマップ機能。ポップアップなど動的なページ表示もサポートする。
Dashboards and Reporting(ダッシュボードとレポート):コンバージョンの実数や平均値、中央値などの数値、トラフィックの推移グラフ、ファネル、エラー発生数を表示できるダッシュボード兼レポート機能。A/Bテストなど、セグメントでデータにフィルターをかけることも可能。

[Alerting(アラート)]
特許出願中の異常検知アルゴリズムでアプリケーションやシステムのエラーを自動的に識別。これまでは運用チームが「どのようなエラーが発生したか」を事前定義する作業が不要になる。

[Lookback(振り返り)]
実装済みのタグを修正することなく、管理画面のUIでイベント定義を追加できる。

データがUXを向上させる

両社のキーマンからは次のようなコメントが出されている。

株式会社キメラ 代表取締役社長COO 大東洋克氏からのコメント。

「ECサイトの運営におけるUX改善やエラー対策は、販売収益増に直結する重要なプロセスです。経験則や推測という曖昧な判断基準で進めていたこれまでのプロセスをQuantum Metricで明確化すれば、的確な事業判断により継続的なPDCAを素早く繰り返せるようになります。サイトのUX改善と販売収益の向上をサポートすることで、デジタル事業基盤の新しい価値の想像と提案を続けていきます」

Quantum Metric, Partnerships & Alliances VP, Sean Finnegan氏からのコメント。

「昨今、企業が受けるあらゆるタイプのデジタルフィードバックの増加は、多くの場合、製品のイノベーションにとって大きな障壁になります。キメラとのパートナーシップにより、日本市場でユニークな機会を生み出し、あらゆる業界の顧客に新しいデジタルエクスペリエンスのインサイトを見出し、 データ駆動型の組織体制への移行をサポートします。

(原文:"The increasing volume and varied types of digital feedback that organizations receive today can often be a significant barrier to product innovation. Our partnership with Ximera creates a unique opportunity in the Japanese market to help customers across all industries identify new digital experience insights and move towards data-driven organizational alignment.")」

キメラ社は、記事コンテンツのエンゲージメント分析ツール「Chartbeat」、ソーシャル動画分析ソリューション「Tubular」、メディアのサブスクリプション管理ツール「Piano」、エンタープライズ向けDXP(デジタルエクスペリエンス・プラットフォーム=新世代CMS)「Altis」を国内で提供している。

Quantum Metricのサービス提供により、コンテンツに加えてUXの改善環境も提供できるようになった。同社ではこれら海外ツールの提供だけでなく、日本国内の課題に合わせた自社サービスの準備も進めているとしている。今後の新たな展開にも期待だ。


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