LINE Payで銀行振込が可能に 進むキャッシュレス決済の総合フィンテックツール化

ECのミカタ編集部

LINE Pay株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:高 永受)は、モバイル送金・決済サービス「LINE Pay」の送金機能拡充をおこない「LINE Pay残高」を法人・個人の銀行口座へ振込できるサービスを開始した。

銀行口座への振込機能は国内の業界で初

「LINE Pay」の銀行口座振込サービスは「LINE Pay」アカウント残高から、手ごろな手数料で法人・個人の銀行口座に振込できるサービスだ。スマートフォンさえあれば24時間365日どこでも利用することができる。

同サービスは「LINE Pay」アプリもしくは「LINE」アプリのAndroid対応端末から利用できる。同社によれば残高を銀行口座に振込可能にするのは、国内決済事業者として初となる。

これまでの「LINE Pay」アカウントへの送金に加え、相手の銀行口座情報が分からなくても、相手の名前と電話番号・Eメールアドレスのいずれかを知っていれば、残高を銀行口座に直接振込むことが可能になり、「LINE Pay」での送金の幅が広がることになる。

◆「LINE Payアプリ」概要

名称:「LINE Payアプリ」
対応端末:iPhone/Android
対応言語:日本語
サービス地域:日本
サービス公式開始日:2019年4月17日(水)
価格:無料
配信:LINE Pay 株式会社

新機能・銀行振込サービスの特徴

◆特長

1)
スマホだけで簡単に銀行振込が可能に。

2)
相手の銀行口座を知っていればインターネットバンキングと同じように振込できる。相手の銀行口座を知らなくても相手の名前と電話番号やEメールアドレスを知っていれば残高から振込が可能だ。

3)
法人の口座への振込も可能。習い事の月謝や商品購入代金、受験料、家賃等様々な用途に利用できる。

4)
金融機関のインターネットバンキングに比べて、曜日時間帯によって変動しないシンプルな料金設定。

5)
送金・送金依頼の履歴が直近最大20件まで残るため、同じ相手に定期的に振り込む際、都度の情報入力の手間が省略できる。

利用方法

利用方法

◆振込

1)
「LINE Payアプリ」もしくは「LINE」内「ウォレット」タブの「送金」から、「口座に振込」を選択する。

2)
相手の口座番号を知っている場合は「口座番号」、電話番号やメールアドレスを知っている場合は「SMS・Eメール」を選択し、必要情報を入力する。

3)
振込額を設定する。

4)
口座情報や手数料の確認をする。(一律176円/回(税込))

5)
あらかじめ設定した6桁の「LINE Pay」専用パスワードを入力する。

6)
振込指示完了。最短で即時に相手の口座に入金される。

*同サービスはLINE Money(本人確認後)のみで利用でき1日あたり10万円が上限。

*自身の残高より大きい額は振込できない。事前にチャージが必要。

*振り込んだ時間帯等によっては着金が翌営業日になる場合がある。

◆受取

銀行口座で受け取った場合は、受け取り側で自身の口座への着金を確認できる。SMSやEメールで送り手から振込通知を受け取った場合には、SMSやメールに表示されているリンクをタップすると、振込まれた内容が確認可能だ。振込通知受領後、別途SMSやメールで認証番号が通知さるので、認証番号を入力して本人確認を行い、受け取りたい口座情報を入力することで受け取れる。

*SMS・メールで通知されたリンクの有効期間内に受け取る必要あり。有効期間は送り手から通知を受け取った当日を含む7日間となる。有効期限が切れた際は振込金額を受け取ることができず、送り手の残高に返金されるので注意。

新たな振込手段として定着するか

同社はサービス提供開始の背景として次のように述べている。

「日本国内においては、成人のほぼ全員が一つ以上の銀行口座を保有していることもあり、銀行口座振込でのお金のやりとりは法人から個人まで日常の様々なシーンで利用されています。そのため、日本のキャッシュレス決済比率は約20%と言われていますが、銀行口座を使った支払いを含めれば約50%まで引き上がるとも言われています。

日本銀行がおこなった調査で、現金以外の決済手段の利用状況について聞いた項目では、様々な支払い方法の中で『金融機関口座からの自動引落」』63.4%)『金融機関窓口やATMからの振込』(42.2%)と、『クレジットカード』(70.2%)に次いで多くの方が利用していると回答しています。一方で、同じく銀行が提供する『インターネットバンキングでの振込み』を利用していると回答した方は数パーセントに留まっています。窓口に比べて時間や場所の制限なく利用できる利便性や、手数料も割安なのにも関わらずインターネットバンキングを使わない理由として、『ATMの利用で足りる』『登録が面倒である』『銀行窓口を利用したい』などが挙げられています。すでに金融機関のATMや実店舗の数はスリム化がすすめられているものの、いまだ給与は銀行口座への振込となっており、銀行口座が日本国民の最も大きな“おサイフ”であることは変わりません。

今年、政府方針を受けキャッシュレス化が本格的に進展しており、様々なところでキャッシュレス決済が可能になっていますが、特に高額決済においては、企業・店舗側が決済手数料を懸念し、クレジットカードへの対応がなされておらず口座振込が指定される場合もあります。このような状況に加え、『LINE Pay』に日常の生活資金を入れておく方も増えてきていることから、誰でも使いやすく、さらに安心安全な銀行口座振込手段を『LINE』上で実現することが必要になってきていると考えております」

ヤフーとの統合交渉が進むことでPayPayとのサービス融合についても期待の集まるLINE Pay。政府の後押しもあってキャッシュレス決済が一気に熱を帯びる中で、スマホからの銀行口座の振込みに新たに対応した。同社も指摘しているように、これまではインターネットバンキングはあまり活用されてこなかった。しかし浸透するキャッシュレス決済の機能で銀行振り込みが可能となれば、新たな送金手段としてユーザーの利便性は格段に上がることだろう。今後、キャッシュレス決済がネットを介した送金手段として定着するかを占う上でも画期的な新機能と言えそうだ。


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