ヤフーがヤマトと提携し物流強化、Zホールディングスのさらなる取り組み

西村 勇哉

Zホールディングス株式会社は本日、物流・配送の強化に向けヤマトホールディングス株式会社と業務提携に向けた基本合意書を締結した。

他にも「Xショッピング」と称した新たな購買体験、ヤフーが長年培ってきたコマースエンジンの提供など、計3つのトピックが発表された。

楽天・Amazonに続く、ヤフーとヤマトがもたらす物流革命

近年、PayPayなど多くのキャンペーン、ZOZOの子会社化など活発な動きが目立つZホールディングス(以下、ZHD)。中枢企業でもあるヤフーはECモールのなかでは3位に甘んじてきていたが、近年の急成長によりAmazon・楽天のすぐ後ろまで迫っていているという。

そのヤフー要するZHDがNo1に進化するために、新たに注力する領域が物流だという。今回のヤマトとの提携によるサービスとメリットは主に2つ。

・物流品質の大幅改善
→翌日配送率が大幅にUP。

・ストアの負担軽減
→出荷作業に伴う手間暇や人件費の削減が可能。

サービスの内容はAmazonフルフィルメントサービスとほぼ同様と考えていいだろう。受注から出荷までをヤマトで行う。申し込み受付は3月24日から始まっている。

Amazonや楽天スーパーロジスティックスと何が違うかと言うと、ヤマトの力をそのまま使えると言う点だ。3,700もの宅急便センター、70拠点にわたる物流ターミナル。日本の物流を支えている企業の力は凄まじく、24時間365日稼働し続けるネットワークによりECに特化した機能追加を今後も行なっていくとしている。

またヤマトは今後、他の企業に対してもヤフー同様の提携を行う可能性はあるとしている。

さらに今回の提携を受けて、送料無料キャンペーンを6月30日〜12月で開催予定だ。このキャンペーンにて、店舗負担で送料が無料になることはないとしている。

リアルとECの垣根を無くし、相互作用を促進する「Xショッピング」とは

次にヤフーが発表した戦略が「Xショッピング」。ECと実店舗の連携は進みつつあるものの、まだまだ未完成だ。今回、ZHDが発表した「Xショッピング」はECで実店舗の在庫を確認・注文までを行い、実店舗には取りに行くだけでよくなる。オムニチャネル・OMOとは明らかに異なる。

「欲しいものが欲しい時に手に入る世界を実現」すると強く語った川邊氏だが、その言葉の通り、「Xショッピング」では今すぐ欲しい商品が実店舗にあるかどうかを確認し、注文まで行える。もちろん急ぎの商品でなければ、今までのEC通りに注文が進むのだ。

実店舗に消費者が足を運ぶことで、ついで買いのきっかけを増やし、今日の夜使いたいという消費者ニーズも満たすwinwinのサービスとなっている。

特にファッション領域では、大きな可能性を秘めているとZOZOの澤田氏。やはり実際に手にとって色味を確認したい、肌触りを確認したいというニーズは高い。そのような時に実店舗在庫を明記できればブランド側にとってもついで買いのチャンスになり得る。

最初はPayPayモールのZOZOTOWNで試験的にテストを行い、成果が出ればZOZOTOWNオリジナルにも同様なシステムを導入していくとした。

ヤフー版AWS?Yahoo!JAPANのショッピングエンジンを外部提供へ

3つ目のトピックは、Yahoo!JAPANが今までに培ってきたショッピングエンジン「XSエンジン」の外部提供だ。システム増築やサイト移管には費用と時間がどうしても発生してしまう。また自社のサイトを構築した後は集客に追われる。

ZHDは、このような課題を解決し、より継続した店舗づくりを可能にするため、今までヤフーが構築してきた「XSエンジン」を外部に提供するとした。

このシステムは今現在、PayPayモールやYahoo!ショッピングに使われているシステムで検索エンジンやレコメンド、決済システムが同様のクオリティで利用可能になるという。

導入企業第一弾は「LOHACO」。まずは、実際に運用し、チューニングを行なっていくとして、費用や提供開始時期はまだ未定とのことだ。現時点では、ターゲットとしては数百億の売上を誇る大企業向けとなっている。将来的には中小企業でも利用可能なシステムも提供を予定しているとした。

ECモール競争が激しく

最近、何かと話題に上がる楽天。送料無料ラインについては未だ店舗の理解を得られているとは言い難い。その動きを反面教師にしたかのような今回のヤフーの物流への取り組みと送料無料キャンペーンに店舗がどのような反応を見せるか注目が集まる。

ちなみに川邊氏は質疑で、送料無料を店舗負担で行うことはないと明言している。

Xショッピングの実現に向けての施策発表、XSエンジンの外部提供も行われた新たなZHDのコマース戦略。PayPayも順調に利用ユーザー・取扱高を増やしている。決済・物流を網羅し、楽天・Amazonに迫るZHDの今後にはLINEとの提携も予定されており、より注目を集めること必至であることは間違いないだろう。


記者プロフィール

西村 勇哉

メディア運営事業部 編集チーム所属
見た目はヒョロイのに7歳から空手を習っています。
他にも水泳、サッカー、野球、弓道の経験有り。
たまにメルマガに登場しますが乃木坂46の話しかしません。
連絡先→nishimura@ecnomikata.co.jp

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