日立ソリューションズが、より効率的なサプライチェーン構築を支援する『グローバルSCMシミュレーションサービス』の提供を開始

ECのミカタ編集部

株式会社日立ソリューションズ(本社:東京都品川区、取締役社長:星野 達朗/以下、日立ソリューションズ)は、サプライチェーンのデジタルツインを構築し、製造プロセスの改善を支援するクラウドサービス「グローバルSCMシミュレーションサービス」の提供を開始する。

「生産拠点・生産量・販売量・コスト」をシミュレーション

日立ソリューションズは、サプライチェーンのデジタルツインを構築し、製造プロセスの改善を支援するクラウドサービス「グローバルSCMシミュレーションサービス」を、7月15日から提供を開始する。同サービスは、顧客事業体が設定した売上や利益などの目標値を実現するために、生産・販売計画、物流拠点の統廃合、生産拠点の新設など多様な目的で、最適な生産拠点や生産量、販売量、トータルコストなどをシミュレーションできるとしている。

設備や需要、輸送、為替・関税などの情報とIoTデータから数理的最適化手法で算出し、帳票や画面で複数のシナリオの目標値の達成状況を提示する。また同サービスは、日立製作所が提供するOTと IT を融合し先進のデジタル技術を活用するLumadaの製造業向けソリューションに適用されているという。

◆活用事例

1. 需要量の変動に応じた生産・販売計画、利益・キャッシュフローのシミュレーション

2. 働き方改革に伴う、物流拠点の統廃合のシミュレーション

3. 新たに参入する地域での生産拠点、調達経路のシミュレーション

サービスの特長

サービスの特長

同社がまとめるグローバルSCMシミュレーションサービスの特長は次の通りだ

◆トータルコストの比較や製造プロセスの改善を支援

需給量の変動や生産・販売施策を組み合わせた複数のシナリオで利益やコストを比較し、最適な生産、販売計画を迅速に立案することが可能となる。企画、営業、製造部門がデータに基づき議論できるようになり、担当者の勘や経験に頼らず、合理性の高い意思決定を迅速に行うことができる。

◆サプライチェーンのデジタルツインを構築

既存のサプライチェーンのデジタルツインを構築し、数理最適化手法にて独自に開発した計算モデルによって、売上や利益、キャッシュフローの目標値を実現するための生産量や調達経路、販売経路、輸送経路など、さまざまなシミュレーションを行うことができる。需要増加に対応するための生産計画、災害が発生した際の調達経路の見直し、新たに参入する地域での販売計画、輸送経路の統廃合の計画など、さまざまな用途で利用することが可能だ。

◆IoT機器から取得するデータを利用した高精度シミュレーション

IoT機器からリアルタイムに取得できる設備稼働時間や生産量、作業員の作業実績、消費電力などのデータを活用することで、より高精度なシミュレーションが可能となる。また、生産計画に対する実績として比較することもできる。目的に応じてシミュレーションできるシステムを、導入しやすいクラウドサービスとして提供する。

リスクに強いサプライチェーン構築を支援

リスクに強いサプライチェーン構築を支援

サービス提供の背景として同社では次のように述べている。

「製造業ではサプライチェーンがグローバルに広がる中、新型コロナウイルスの感染拡大のように予測できない要因によって、生産や販売、流通網の停止や遅延など、製造プロセスに甚大な影響を受けるリスクが急速に高まっています。また、為替変動や自由貿易協定(FTA)による関税率の変化も業績に影響を及ぼしています。そのため、企業は外部環境や需要の変化に応じて、生産や販売、流通などの事業計画を迅速に見直し、製造プロセスの最適化を迅速に行うことが重要な経営課題となっています。製造業では従来、事業の企画部門や営業部門、製造部門ごとに年度計画が作成され、担当者の経験による判断ですり合わせが行われるなど、製造プロセスの改善までのリードタイムが長くかかっていました。

日立ソリューションズはこのような課題解決を目的に、製造業の企業において、売上や利益などの目標値に応じて事業計画や生産拠点の最適化をシミュレーションするシステムを構築し、検証してきました。導入企業では、シミュレーション結果をベースに、企画、営業、製造部門が客観的に議論できるようになり、早期に計画立案から実行までを実現できたという効果が出ています。日立ソリューションズはこのたび、これまで提供してきたノウハウを統合し『グローバルSCMシミュレーションサービス』としてクラウド上で提供し、より多くの製造業のデジタルトランスフォーメーションを支援していきます」

同社も述べているように、新型コロナウイルスによる感染拡大や災害をはじめ、近年は特に不測のリスクによってサプライチェーンが打撃を被るケースが増えている。これはEC市場を考える上でも看過できない状況だ。こうしたリスクに対して、事前に理論的な予測が立てられれば、それへの備えも進むことになる。同社の新ソリューションは、それを含めた、より効率性の高いサプライチェーン構築の支援に対応しており、多くの事業体のビジネスを加速させることになりそうだ。

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