スマホで食品の在宅臨床試験ができるアプリが運用開始、半分以下のコストで多彩なデータ取得が可能

ECのミカタ編集部

医薬品等に関する臨床試験業務やシステム開発、情報提供サービスを手がける株式会社HiBeeM(ハイビーム、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:三原酉木)は、健康食品や化粧品の研究開発に不可欠な臨床試験にあたり、スマートフォンを活用して被験者のデータを在宅で記録・収集できるアプリ「Bee Life Trial(ビーライフトライアル)」を開発し運用を開始したと発表した。

新型コロナウイルスの影響で、同じ会場に多くの被験者が集まる臨床試験の件数は減っている。オンライン方式とすることで被験者は安全・手軽に試験に参加でき、メーカーにとっては実施のコストを従来の半分以下に減らすことができるという。

臨床試験のオンラインシフトへ

従来の臨床試験の多くは、20~200人程度の被験者(健常者)に医療機関などに集まってもらい、データを取得していた。しかし、コロナ禍にあってメーカーは感染リスクを避けるため多数の被験者を一堂に集めることに慎重になり、人数を分散させるために確保する会場の数や所要日数が増えていることで経費も増加している。

一方で、巣ごもりの影響で消費者の健康志向は強くなり、機能性表示食品のマーケットが拡大するなど健康食品にはビジネスチャンスが生まれている。

こうした状況下で、同社は被験者の安全を確保し、かつ多彩なデータを低コストで取得できるシステムの開発を進めてきた。ウィズコロナ時代の臨床試験はオンライン方式の「在宅型」へシフトすると想定し、スマホを活用したアプリ「Bee Life Trial」が完成した。

低コストで詳細なデータが取得可能

被験者は、本アプリに食事、運動、睡眠、体重、体脂肪を入力する。従来の臨床試験では手書きが中心であったが、いつも持ち歩いているスマホを使えば手が空いた時に手軽にデータを打ち込むことができる。

スマホ内蔵の歩数計とも連動。アプリは一般の生活者が無料でダウンロードでき、臨床試験の期間以外も自由に使うことができる。臨床試験を実施する際にアプリ利用者に募集をかけ、希望者に被験者として参加してもらう方式をとる。

簡単に入力ができる点も特徴的で、例えば食事の場合、「ラーメン」と打ち込めば、外食なのかインスタントなのか、醤油なのか味噌なのか塩なのか、チャーシューの枚数やメンマの量は、といった選択肢が画面に自動的に出てくるようになっている。約6000項目をメニュー化しており、細かいデータを簡単に入力してカロリー換算ができる。

用紙に記入する方式では、毎日の3食のメニューを調べようとすると煩雑で、記録を忘れたり欠けていたりするケースがあり、被験者への謝礼もかさんでいた。本アプリなら簡単に入力ができるため、健康食品の効果と食事の関係について、低コストで詳細なデータを取得できる。

また、対象の健康食品を摂取する前と後のデータも取得可能。摂取すればすぐに効果が出るのか、摂取をやめるとどうなるか、といった点が明確になり、有効性や安全性をより詳しく把握できる。

アプリ利用者データのビッグテータ化も検討

同社は第1弾として、機能性食品素材などの開発を手がけるファーマフーズ(本社:京都市西京区、東証1部上場、:代表取締役社長 金 武祚)と契約し、本アプリを使って食品と美容系の臨床試験を開始した。

今後は、臨床試験の採血や検尿も在宅でできる仕組みの構築を進めるとともに、本アプリ利用者の試験期間内外の日常記録をビッグデータ化してAIで分析し、メーカーへ研究基礎データとして提供したり、アプリ利用者一人ひとりに合わせた健康指導をしたりすることも計画しているという。

健康や美容に関する効能効果をうたって健康食品を販売するためには、臨床試験を行って安全性や機能性を評価したうえで合理的な根拠を提示することが求められる。

従来、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品の許可を得るための臨床試験は多額のコストがかかっていたが、臨床試験の在宅シフト・オンラインシフトにより、そのハードルが下がることを期待したい。

ECのミカタ通信22号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事