【これだけ読めばOK】ECメルマガの基礎からオススメの配信システムまで解説!

ECのミカタ編集部

【これだけ読めばOK】ECメルマガの基礎からオススメの配信システムまで解説!

ECマーケティングの有力な手法の一つとして「メルマガ」があります。
他のマーケティング手法とは違った側面もあり、組み合わせると売上に良い影響を与えてくれます。
今回はメルマガについて知りたい人や新たにメルマガを始めたい人、自社のマーケティングを最適化したいという人向けに、そもそもメルマガが何か、特徴やメリット、形式や書き方に関して解説します。

ECにおけるメルマガとは

メルマガは現在のEC業界においても有力なマーケティング手法の1つです。
「メールマガジン」の略で、メールで商品やサービスに関する情報発信を行い顧客との関係構築を図ることができます。

メルマガの特徴として、
・発信者側が知らせたい情報を任意で配信できる点
・発信者側が配信するタイミングを選択できる点
があります。

メルマガは購読希望者に対して、ユーザーに対して商品を購入する前の状態など送りたいタイミングで情報発信ができます。
企業側が主体のアクションなので、顧客の行動に左右されないのが大きな特徴です。
直近ではSNSを利用した集客手法が注目されがちですが、任意のユーザーに対して発信できるメルマガは、ECサイトの売上には特に大きく影響があり、侮れない大事な手法と言われています。

メルマガの目的と種類


メルマガの種類には「情報共有型・送客型・販売促進型」の3つが挙げられます。
それぞれの種類と目的について解説します。

情報共有型
情報共有型のメルマガは、購読者に対し自社の業界に関わるニュースの提供や知識の共有などをして、顧客満足度を上げることが目的です。
単なる商品紹介だけではなく、製品選びの方法であったり、Q&A、メンテナンス情報やブランドの想いなど、ユーザーにとって必要な情報や興味を引く情報を共有します。
例えばPCを販売している会社であれば、PCが故障した際の対処法など、購読者にとって正しく有益な情報を伝えることで、読者はメルマガに価値を感じるようになり信頼感が生まれ顧客満足度の向上に繋がります。

送客型
送客型のメルマガは、メルマガを通じて自社のECサイトや店舗へ送客する、もしくは興味を持ってもらうことを目的としています。
ECサイトのマーケティングの方法として、ホームページや店舗に送客する方法は大きく3つに分かれます。

・プル(Pull)型:検索エンジンなどユーザーが興味を持ち情報を探してもらうのを待つ
・フロウ(Flow)型:SNSなどユーザーが興味のある情報を見ながら取捨選択し、たどり着いてくれるのを待つ
・プッシュ(Push)型:メルマガで興味を持っているユーザーに個別で情報を届ける

この3つの中でメルマガのみがプッシュ型としての役割を持っています。
また1度の送客で終わらず、複数回メルマガを配信することで親近感や安心感を持ってもらい、リピート顧客へ繋げることが出来ます。
送客型のメルマガでは購読者の目を引くようなタイトルや興味を持ってもらうようなコンテンツを配信することで、送客への転換率を上げます。

販売促進型
販売促進型のメルマガは、セール情報や新着情報など直接購買に繋がる内容のメルマガを配信することで商品購入を促すことが目的です。
ECサイトではZOZOTOWNなどアパレル系のメルマガはこのタイプが多く、季節の変わり目やセールの時期にメルマガを配信します。
商品情報に興味を持ったユーザーは、メルマガから自社のサイトに訪問し最終的には購買へ繋げることが可能です。

引用:ZOZOTOWN(https://zozo.jp/_mail/?p_no=1


上図のように営利目的の企業でも、販売促進以外の目的でメルマガを配信します。
ユーザーに価値ある情報を提供し続けることによって、顧客の満足度が高まり初回以降も購入するようになり、顧客のLTV(顧客生涯価値)が高まります。
目的に合わせたメルマガ配信を行い、効果的に新規顧客やリピート顧客を作りましょう。

メルマガのメリット

他のマーケティング手法にはない、メルマガのメリットは以下の3つが挙げられます。

・低コストでの運用ができる
・プッシュ型のアプローチができる
・特定のユーザーとの強固な繋がりの醸成

それぞれ順に解説します。

低コストでの運用ができる


1つ目のメリットは、低コストでの運用が可能な点です。
メルマガにかかる工数は文章作成のみなので、商品カタログを送付するダイレクトメッセージなどと比較しても、物理的なコストはかからず同じ金額で大量に案内をすることが可能です。

プッシュ型のアプローチができる


2つ目のメリットとして、プッシュ型のアプローチが可能な点が挙げられます。
メルマガは顧客に対しプッシュ型のアプローチであるため、特定のタイミングで情報やサービスを特定のユーザーにダイレクトで案内することが可能です。
直接ユーザーに対してアプローチすることは、他のマーケティング手法には出来ないので大きなメリットです。

特定ユーザーとの強固な繋がりの醸成


3つ目のメリットとして、特定のユーザーと強固な繋がりの醸成がしやすい点があります。
メルマガは販売促進の側面以外にも、最新情報や関連情報の提供をすることによって、ユーザーが企業に対して価値を感じ、顧客満足度を最大化することが可能です。
特にメルマガは年齢や性別などのセグメント毎に対する配信も容易なため、顧客が本当に求めている情報を提供しやすい側面があります。
メルマガを通じユーザーとの繋がりを強固にすることによって、企業のブランディングや顧客のLTV向上に繋げることが出来ます。


メルマガの形式


メルマガにはテキストメール形式とHTML形式の2通りあります。
それぞれの特徴を説明します。

テキストメール形式


テキストメール形式は文字のみで構成されたメルマガの形式です。
装飾やレイアウトは文字のみでの表現に限られており、派手なビジュアル表現は出来ません。
商品紹介やセール情報を配信したい場合には不向きですが、特別なツールが不要な点や難しい知識を要さないため、初心者でも始めやすいというメリットがあります。


HTMLメール形式


HTMLメール形式はWEBページ用の言語で作成されたWEBページ型のメルマガの形式です。
画像を入れたり、レイアウトを変えたりなど自由な表現が可能で、ユーザーの目に止まりやすいメルマガの作成が出来ます。
また開封率などの測定も可能で、運用管理がしやすい点が特徴です。
テキストメール形式とは違い、HTMLの知識が必要で受信者側の環境によっては表示が崩れたり、受け取れない可能性があります。

メルマガの書き方

実際にメルマガ運用をする際に必要となる書き方とポイントについて説明します。
メルマガの作成の際には、下記の3つのステップで行います。
①「ターゲットの設定」
②「タイトルの決定」
③「本文の作成」


ターゲットの設定


まず、メルマガを書く上で重要なのは「ターゲットの設定」です。
ターゲットとなるメルマガを読む人とその目的を明確にします。
「30代の働く女性で、美容に興味がある人」など細かく人物設定をすることによって、顧客目線の内容のメルマガ作成が可能になり、配信対象者により興味を持ってもらうことができます。

タイトルの決定


2つ目のステップが「タイトルの決定」です。
メルマガにおいて、タイトルはメールの開封率に影響を与える重要な要素です。
キャッチーで内容を誇大しないようなタイトルづけをしましょう。
開封されるタイトルづけのコツは、「今だけ!」や「このメルマガのみ」などの限定感を出す言葉や、「プロが教える知られていない〇〇」などの知的好奇心を生み出す言葉、「最大70%OFF」や「〇〇が無料!」などお得感がある言葉を入れることです。
ユーザーの心理をついて、メールを開いてもらえるようなタイトルにしましょう。

本文の作成


3つ目のステップとして、本文の作成です。
メルマガにおいて本文は一番重要な要素で、本文が顧客にとって有益でない場合は送客も販売促進も難しくなります。
内容はターゲットや目的によって変わりますが、基本的な構成は以下の通りです。

ヘッダー
ヘッダーはメルマガを開いた際のファーストビューとなる部分です。
会社名やメルマガ名を記号などで囲い装飾します。
毎回同じヘッダーを利用することで、同じ配信元から届いていることが分かり、ユーザーの印象に残ります。

リード文
ヘッダーの後はリード文です。
リード文には挨拶や時事ネタ、特集記事の導入部分を入れます。
リード文にユーザーの名前をいれると、特別感や親しみが増します。
メルマガ配信ツールなどを使うと、自動で各メール毎に、ユーザー名を本文に差し込むことも可能です。
使用する際は文字化けなどに注意しましょう。

本文
本文にはユーザーに対して最も訴求をしたいコンテンツを1つ用意します。
2番目に訴求したいコンテンツがある場合はサブコンテンツとして差し込みましょう。
長いメルマガは読まれない傾向にあるので、重要なコンテンツは先に記載することがポイントです。
1回のメルマガに対して、1つのテーマで書くことによって情報が分散されず、ユーザーにとってわかりやすい内容で伝えることが可能です。
HTMLメール形式の場合は、写真や動画を入れることによって視覚的に訴求しましょう。
テキストメール形式の場合は、箇条書きやポイント毎にブロック分けするなど、目的に合った文章構成で文に余白を作ることによって、ユーザーが読みやすいようにしましょう。

フッター
フッターは、発行元やホームページのURL、連絡先やメルマガ配信停止方法を記載する部分で、ヘッダー同様毎回フッターを入れます。
後ほど説明しますが、メルマガで商品を宣伝したりWEBページへ誘導する記載がある場合は「送信者の氏名または名称」、「受信拒否ができる旨」の記載が特定電子メール法に基づき義務つけられていますので、フッターに必ず入れるようにしましょう。

また、メルマガ全体に項目毎に罫線等を引くとユーザーにとって見やすくなります。
ユーザー目線で読みやすく興味を持ってもらえるような内容で書くことを心がけましょう。

EC向けメルマガの配信方法

次にメルマガの配信方法と注意点について説明します。

メルマガの配信方法


メルマガの配信方法は主に以下の4つです。

・ExcelとOutlook
・GoogleスプレッドシートとGmail
・BCC配信
・メルマガ配信システム

ExcelとOutlook
ExcelとOutlookを使用して行うメルマガ配信は宛先をExcelで作成し、Outlookで作成したHTML形式に情報を反映させて行います。
ExcelのVBAというプログラムを組む必要があるので、難易度は高めです。

GoogleスプレッドシートとGmail
GoogleスプレッドシートとGmailを使用して行うメルマガ配信も、ExcelとOutlookを使用する方法と同様に、「Google Apps Script」という言語コードの知識が必要です。
また、メール送信数が1日500~2,000通の制限があります。

BCC配信
通常のメールアプリからBCCで配信する方法です。
BCCに入力されたメールアドレスは、TOやCC、他のBCCの受信者には表示されません。
とはいえ、誤ってTOやCCにメールアドレスを入れた場合など、情報漏洩のリスクが伴うことを念頭におきましょう。
また100個以上のメールアドレスに一斉送信すると、受信側のキャリアからブロックされる可能性もあります。

メール配信システム
メール配信システムは知識や技術がなくても簡単にメルマガの管理が出来るのでオススメの配信方法です。
システムによってはセグメントの設定や分析なども可能で、効果測定の機能やメルマガ購読フォームの作成など様々な機能が提供されています。
慣れていない初心者から高度なメールマーケティングを行いたい方に向いています。


メルマガを配信する際の注意点


メルマガはプッシュ型のアプローチとして効果的なマーケティング手段ですが、運用にあたって「特定電子メール法」に注意が必要です。
特定電子メール法とは迷惑メールを規制する法律で、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」の略です。
全ての商用メールが適用対象となっているため、メルマガを配信する際には必ず理解して遵守する必要があります。
主なルールには以下の5点があります。

・商用メールは事前にユーザーの受信の同意を得ること(オプトイン)
・名称やメールアドレス、HPのURLなど送信者情報の記載
・問い合わせ対応ができる電話番号や、メールアドレスの記載
・配信停止がスムーズに行えるように、明確に「配信停止」などのボタンで導線を提示する
・配信停止を希望したユーザーへの配信は禁止(オプトアウト)

上記以外にも細かいルールがあるのでメルマガ配信を行う際は、下記の消費者庁のガイドラインを必ず参照しましょう。

消費者庁「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」: https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/specifed_email/

違反した場合は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」または「行為者に対して3,000万円以下の罰金」が処されます。

EC向けメルマガ配信システムまとめ

メルマガ運用にはメルマガ配信システムを導入することをオススメします。
メルマガ配信システムを使うことによって、リスト管理や配信設定の手間はもちろん、不達対策や効果測定、HTML形式でのメルマガの作成も可能です。
ECサイト向けのメルマガ配信システムを提供している有名なサービスを3つ紹介します。

blastmail(ブラストメール)


引用:blastmail(https://blastmail.jp/

ブラストメールはシンプルな使いやすさと価格の安さ、機能面の充実度から、顧客導入シェア数が9年連続で1位となっているメルマガ配信システムです。

官公庁や学校から大企業、中小企業と幅広く導入されており、定番のメール配信システムです。
導入社数も12,000社以上と有名企業も含まれており、実績のあるサービスです。

主な機能として、
・HTMLメール作成
・レスポンシブデザイン(スマホ画面への最適化)
・ターゲット配信
・効果測定
・迷惑メール対策
などがありメールマーケティングに必要な機能が一式揃っています。
料金設定は初期費用10,000円、月額費用3,000円〜となっており、アドレスは3,000件〜登録することができます。

ブラストメールは他のメール配信システムに比べ、コストパフォーマンスが高いことが売りであり、メルマガ配信システムを初めて使う方や現行のシステムからコストを落としたい企業にオススメです。


配配メール


引用:配配メール(https://www.hai2mail.jp/

配配メールは充実した機能が魅力のメルマガ配信システムです。
GoogleAnalyticsとの連携や2通りのパターンでどちらが顧客の反応が良いか試すことができるABテスト配信などの分析面に優れた機能があります。
また、顧客毎に前回の開封時間に合わせて送るメモリー配信などメールマーケティング面の機能も充実しています。

主な機能として
・A/Bテスト機能
・グラフ形式での効果測定レポート確認
・HTMLメール作成
・迷惑メール対策
・多言語配信
などがあります。

配配メールは定期的にメールマーケティングのセミナーを行っており、アフターフォローも充実しているのでメール配信の効果測定をしっかり行い、数値を分析した上で売上戦略を立てていきたい方にはオススメのシステムです。


Mailsales(メールセールス)


引用:Mailsales(https://mailsales.jp/

メールセールスは見込み客を獲得するために、営業コンサルティング会社が監修したメルマガ配信システムです。
見込み客を獲得する必要最低限の機能に絞られており、マーケティングの専任担当者がいない中小企業でも簡単に始めることができます。

主な機能としては、
・ターゲット配信
・本文へ宛名の差し込み配信
・リスト管理
・効果測定
・相手の受信環境に応じた表示
などがあります。

ターゲット配信は登録してある属性を基に「大阪府在住」「20代女性」などユーザーに合わせてメールを送ることが可能で、条件にマッチした宛先は自動的にグループに追加される仕様となっています。

初期費用10,000円、月額費用4950円〜となっており、アドレスは3000件〜登録することができます。
登録アドレスが100件未満であれば、無料で利用できるプランも用意しているのでまだ規模が小さい企業でもお試しでメルマガを運用することができます。

Cuenote FC

 「Cuenote FC」は、ユミルリンク株式会社が提供するメール配信システムです。1時間に300万通以上の配信速度を実現しながらも、届き辛いスマートフォンなどにも、送りたいタイミングで確実にメールを配信することができます。もちろん、メール運用・管理に必要な機能は全て標準搭載されています。なおかつ、20秒3ステップで配信設定まで完了、一度の設定でその後も自動配信されるので負担がありません。これらの機能を活かすことで、カート放棄商品やお気に入り登録商品などのリマインドメールを送付することもできます。また、他社と比較するとセキュリティ対策に特に注力していて、個人情報に一切触れずに運用できるシステム連携、ワンタイムパスワード対応など、常に最適なセキュリティ技術を導入しています。

まとめ

メルマガはSNSが発達している現代でも有効なマーケティング手法の一つです。
他のマーケティング手法との違いを明確にし組み合わせることで、自社の売上を最大化することが可能です。
「顧客との接点を増やしLTVを伸ばしたい」「新規顧客の獲得を図りたい」などECサイトの集客に課題がある場合は導入を検討してみましょう。


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