返品処理の重要性とは?フローや対応のポイントを解説

ECのミカタ編集部

返品処理の重要性とは?フローや対応のポイントを解説

ECサイトを運営する上で、必ず発生する「返品処理」。返品作業にはどのような行程があり、サイト運営においてどのような影響があるのだろうか。

今回は、返品処理の基本的な知識や業務の重要性、ケースごとの返品処理の流れなどを紹介する。返品処理におけるポイントも解説しているので、自社のECサイト運営をよりよくするための参考にしてほしい。

目次

●返品処理とは
●返品処理対応の重要性
●返品処理の流れ
●返品処理におけるポイント
●まとめ

返品処理とは

「返品処理」とは、商品を購入した顧客が返品を希望した場合に行う、一連の作業のこと。まずは、返品処理に関わる基本的な知識をおさえよう。

ECサイトの返品率は高い


実店舗で購入された商品の返品率に比べ、ECサイトを通じて購入された商品の返品率は高いと言われている。ECサイトでは顧客が自分の目で商品を確認することができないため、想像していた商品と実物が異なることが多いからだ。ECサイトにおいては、返品処理への対応を充実させ「顧客に安心して買い物をしてもらうこと」「顧客離れを防ぐこと」が重要だ。

特定商取引法による定め


特定商取引法により、通信販売の広告表示においては、「返品に関する事項」(返品の可否、返品の期間条件、送料負担の有無など)を記載することが義務付けられている。加えて、返品特約(売買契約の申し込み撤回などについての特約)がある場合は、その内容を省略せず記載すること、インターネット通販では最終申し込み画面にも表示することが定められていることにも注意が必要だ。

また、商品の引き渡し日から8日間以内であれば、顧客は申し込みの撤回や返品をすることができる(広告において返品特約を表示していた場合は、その特約による)。

従来は顧客都合による返品を認めないとするEC事業者も多かったが、近年は顧客都合の返品も認める事業者が増えているようだ。


返品処理対応の重要性

顧客都合の返品を認める事業者が増えている理由には、返品対応がECサイト運営に重要だと考える事業者が増加していることが挙げられる。ここでは、返品処理対応の重要性を確認しよう。

ECサイトの評価につながる


どのような返品対応を行うかによって、顧客の自社サイトに対する評価は大きく分かれるだろう。対応が遅れれば顧客の信用は下がり、レビューの低評価や、それにより新規顧客獲得が難しくなることも想定される。ECサイト運営では、商品の発送だけではなく、アフター対応の丁寧さやスピード感も重要であることを認識しておきたい。

ファンを獲得できるメリットも


誠意をもって返品に対応することで、ファンを獲得できる可能性もある。自社の対応がよければ、顧客は「注文を間違ってしまっても、きちんと対応してくれるので安心して購入できる」「対応が丁寧だったので、また利用したい」と考えるだろう。スムーズな返品プロセスで利用しやすい体制を整えておくことで、CXの向上や購入頻度の増加が期待できる。収益だけでなく、長期的な関係づくりを意識することが大切だ。


返品処理の流れ

返品処理が発生するケースには、「顧客都合の場合」と「自社都合の場合」とがある。それぞれのケースに応じた返品処理の流れと、会計処理について解説する。

顧客都合の場合


顧客都合の場合、「カラーやサイズを誤って注文してしまった」「商品がイメージしたものと違った」「注文したが不要になった」などの理由で返品を希望されることが大半だ。「どのような条件で返品処理を受け付けるか」「送料をどちらが負担するか」は、ECサイトによって取り決めが異なる。

顧客から返品の連絡が来たら、まずは購入者が注文した商品や購入日などを確認する。商品確認や返品期日などに問題がなければ、返品を受け付けることになる。代金の支払いが既に済んでいる場合は、返金対応を行おう。

自社都合の場合


「誤って異なる商品を発送してしまった」「商品に傷や汚れがあるとクレームが入った」などの理由によって、自社都合で返品処理を行う場合もある。その場合は、まず事実関係を確認したうえで、丁寧な謝罪を行うことが大切だ。返品にあわせて正しい・新しい商品を発送しなければならないケースも多いため、すぐに在庫を確認しよう。

顧客が商品を返送する際の送料は、EC事業者が負担することが一般的だ。顧客から商品が送られてきたら、検品をして商品状態を確認し、自社のミスや異常が認められ次第、交換または返品処理を行おう。

会計処理


返品処理が発生した場合、既に記載された帳簿や伝票を修正する必要がある。返品に関する諸々の対応を終えたら、帳票の借方と貸方を逆に仕訳し直す「売上戻し」を行おう。ECサイトの場合は返品処理に時間がかかるケースも多いため、「期ズレ」(計上すべき期と異なる期に計上してしまうこと)にも注意が必要だ。


返品処理におけるポイント

最後に、返品処理を行う際のポイントを紹介する。

丁寧でスピード感のある対応を心がける


返品処理において大切なのは、丁寧でスピーディな対応だ。どのような返品理由であれ、不要な商品を長時間手元に置いておくことは、顧客満足度を下げる原因となる。話をよく聞き、対応が難しいケースであっても、なぜ対応できないのかをわかりやすく簡潔に説明することが重要だ。

改めて商品を発送する際は、「顧客への感謝のメッセージ」や「お詫び文」を添えるなどし、今後も関係を築くための工夫をするとよいだろう。

返品対応のレビューを依頼する


返品対応であっても積極的にレビューを依頼することで、「自社の対応を見直すきっかけになる」「好意的なレビューで宣伝効果が期待できる」といったメリットがある。近年はレビューを参考にして商品を購入する顧客も多いため、「丁寧な対応をしてもらえた」「また利用したい」などのレビューが増えれば、自社サイトの利用者や評判も自然と上がっていくだろう。

評価や意見を運営に活かす


返品処理は自社の改善ポイントを直接指摘してもらえる貴重な機会であるため、寄せられた評価や意見を活かすことは、よりよいストア運営につながるだろう。例として「サイズ間違い」の返品処理の場合、単純な顧客のミスもあれば、自社サイトの表記がわかりにくいために誤解を招いている可能性もある。返品に至った経緯などを確認し、販売方法や表示方法を見直すことも重要だ。

また、これまでの返品処理のデータを分析し、返品発生時の処理方法や手順書をマニュアル化しておくと、より迅速な対応につながるだろう。

アウトソーシング化も視野に


「返品処理にあまりリソースが割けず、対応に時間がかかる」「よりスピーディーかつ正確な返品対応を行いたい」という場合は、返品処理を外部に委託するという方法もある。プロのノウハウに基づいた返品処理は、顧客満足度の向上やリピーターの獲得につながる他、自社社員がコア業務に注力できるといった効果が期待できるだろう。


まとめ

返品処理は発生しないにこしたことはない業務であるものの、自社サイトの評価向上やファンの獲得につながるチャンスとも言える業務だ。丁寧でスムーズな対応を行うことで、他サイトとの差別化も可能になるだろう。顧客との長期的な関係性を構築するためにも、一度社内の業務体制や対応内容を見直してみてはいかがだろうか。


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