クラウドソーシングとは。メリットや注意点、EC運営で依頼可能な業務を紹介
「クラウドソーシング」とは、インターネットを通して企業が自社の業務を不特定多数の人に委託する業務形態だ。EC運営を進めていく中で、クラウドソーシングを利用して業務の効率化を図りたいと考えている担当者もいるのではないだろうか。
今回はクラウドソーシングの概要と、EC運営において依頼可能な業務や利用する場合の流れ、クラウドソーシングを取り入れるメリットについて紹介する。クラウドソーシングを利用する際の注意点にも触れるため、導入を検討する際の参考にしてもらいたい。
クラウドソーシングとは
副業やテレワークなどの活性化により、仕事の発注スタイルの一つとして期待されているのが、クラウドソーシングだ。まずは、クラウドソーシングの概要やクラウドソーシング可能な主な業務について確認しよう。
クラウドソーシングの概要
「クラウドソーシング」とは、企業や個人事業主といった「発注者」が、自社の業務をインターネットを介して仕事を受けたい不特定多数の人に委託する、業務形態だ。必要な時だけ必要な人材やスキルを気軽に調達できるため、クラウドソーシングを活用する企業は増加傾向にある。
クラウドソーシングはアウトソーシングの一形態と言える。一般的なアウトソーシングは、発注者が特定の企業と業務委託契約等を結んで仕事を外注するのが一般的だ。一方で、クラウドソーシングの場合は、事前に委託先は決まっておらず、クラウドソーシングサイトを通して、登録しているフリーランスや副業として取り組む人と契約をして業務を委託していくケースが多い。
クラウドソーシングが可能な業務
クラウドソーシングで発注できる主な仕事は以下の通り。
・プログラミングやシステム開発
・Webデザイン
・イラストや音楽制作
・写真や動画の編集
・Webライティング
・アンケートやモニター など
専門知識を持つプロのエンジニアやデザイナー、ライターに発注し自社の業務を委託する以外にも、自社商品のアンケートやモニターといった、多くのデータが必要な場合にもクラウドソーシングが利用できる。
EC運営においてクラウドソーシング可能な業務
クラウドソーシングが可能な業務は多岐に渡るが、ECサイトにおいてどのような業務が委託できるのか気になる方もいるのではないだろうか。ECサイト運営に特化したクラウドソーシングが可能な業務内容を確認しておこう。
ECサイト構築
ECサイトの構築において、必要な箇所のみの機能追加や改修といった細かな内容については、専門の制作会社に依頼するよりもクラウドソーシングを利用した方が融通が利きやすい。例えば、複数運営しているECサイトのうち、ひとつのサイトのみ特定ページのデザインを変更したいなど、具体的な要望が定まっている場合には、クラウドソーシングを取り入れることで、スピーディーな対応が可能となる。
商品撮影や登録
商品の撮影や登録、商品説明のライティングなど社外でも対応可能な単純作業を、クラウドソーシングを活用して進めることも可能だ。単純作業であっても細かなマニュアルを作成することでクオリティーが担保され、インターネット上でコミュニケーションを取りながら進めると失敗も少なくなるだろう。
ECサイト運営
売上が伸び悩む、または売上増加などによって、サイト運営に負担を感じている場合にも、クラウドソーシングは利用可能だ。企業や個人では対応が難しい場合に、クラウドソーシングにおいて専門スキルを持つ人材を確保することで、生産性向上が期待できる。
クラウドソーシングを利用する場合の流れ
クラウドソーシングを利用する場合は、発注者(企業)と受注したい個々人をつなぐ「クラウドソーシングサイト」を介して依頼を行うのが一般的だ。クラウドソーシングサイトを利用することで、依頼から支払いまでの全工程を、全てインターネット上で済ませることが可能だ。クラウドソーシングをする場合の流れは以下の通り。
1、委託目的に合ったクラウドソーシングサイトに登録する
2、クラウドソーシングサイト上に、依頼したい業務内容を提示し公募を行う
3、応募者からの見積もりに応じて検討する(予め業務の対価を提示したうえで募集することも可能)
4、業務を依頼する人を選定し、発注を行う
5、業務の代金をクラウドソーシングサイトに預託する
6、納品物の検収を行う(修正がある場合は、再納品を依頼することも可能)
7、検収完了後、クラウドソーシングサイトから受注者に代金が支払われる
8、発注者と受注者の相互で評価を行う(相互に評価することで、品質や評価の高い受注者や企業を判断しやすくなる)
この他、コンペ形式といって、キャッチコピーやロゴのデザインなどを公募し、複数の提案の中から1点に絞り、採用者に代金を支払うといった流れもある。
クラウドソーシングを取り入れるメリット
クラウドソーシングを取り入れるにあたり、どのようなメリットがあるのか確認しておこう。
専門知識やスキルを持ったプロに依頼できる
クラウドソーシングは、自社が持っていない専門知識やスキルを活用できる。クラウドソーシングの利用により、自社が求めるスキルを持った人材に仕事を依頼できれば、事業を滞りなく進めることにもつながる。
コストを抑えられる
クラウドソーシングは必要なときに必要な量の仕事を依頼できるため、時間や人材コストの抑制や削減につながる。例えば、従業員を増員した場合、給料以外にも、人材育成にかかる教育費用といったさまざまなコストの増加が予想されるが、クラウドソーシングの利用によりコストを最低限に抑えられる。
業務の効率化が図れる
時間や育成コストを抑えられることで、社員はコア業務に集中できるため、業務の効率化が図られ売上増加につながるといった効果も期待できる。また、組織運営においては、人員配置の変化などによって業務の煩雑化が問題になる場合もあるだろう。必要なときに外部に委託できることで、業務がスムーズに進み組織のスリム化も実現しやすくなる。
従業員のワーク・ライフ・バランスの実現
外部委託を利用するといった業務内容の見直しは、従業員の負担軽減につながり、従業員のワーク・ライフ・バランスの実現を後押しするというメリットもある。従業員が働きやすくなることで、仕事へのモチベーションやパフォーマンスが高まり、企業の成長につながるだろう。
クラウドソーシングを利用する際の注意点
クラウドソーシングは、クラウドソーシングサイトに登録すれば簡単に発注が可能だ。しかし、ただ負担の大きい業務をクラウドソーシングを利用すればよいというわけではない。クラウドソーシングを利用する際の注意点を確認していこう。
社内の成長機会が失われる
クラウドソーシングによって外部のスキルばかりに頼っていると、結果的に社内人材の成長機会が失われるといった懸念がある。さらに、自社に業務のノウハウが蓄積されないケースも考えられる。クラウドソーシングを利用する場合には、社内の人材育成の将来性を見据えて、ノウハウを蓄積したい業務は社内で行うなど、クラウドソーシングを利用するべき業務なのか、見極めが不可欠と言える。
自社ノウハウの流出する可能性がある
依頼する仕事内容によっては、自社の技術やノウハウを開示する必要があるケースも考えられる。このような場合は、ノウハウの流出に注意が必要だ。クラウドソーシングを利用する場合には、どこまでのノウハウを共有するのか検討するとともに、秘密保持契約書の締結も重要と言えるだろう。
活用できる業種やサービスが少ない
クラウドソーシングはインターネットを介して業務を受発注する。そのため、クラウドソーシングで発注できる業務は、ITやシステム関連といった一部の業種に偏る傾向がある。求めるサービスや人材を探すことが困難な場合は、必要に応じて専門業者と直接コンタクトが取れるような、アウトソーシングを検討することもひとつの方法だ。
クオリティーの確保が難しい
不特定多数の中から業務を委託する人を探すため、人材によってはクオリティーの確保が難しいといった場合も念頭に入れておく必要がある。テスト期間を設けるなど、自社が必要としているクオリティーなのか見極めることも大切と言える。
まとめ
業務の効率化を図るうえで、即戦力として活用できるクラウドソーシング。EC運営を取り巻く環境においては、多様な業務を少数人で兼任するといったケースも多く、クラウドソーシングの需要はますます高まっていくのではないだろうか。クラウドソーシングを利用する場合には、メリットや注意点をしっかり理解した上で、自社に適した導入方法を検討していってもらいたい。
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