ECサイトのコールセンターにおけるKPIとは?算出方法や設定のポイント

ECのミカタ編集部

ECサイトのコールセンターにおけるKPIとは?算出方法や設定のポイント

ECサイトで設定した目標の達成度を測るための指標、「KPI」。KPIにはさまざまな種類があり、コールセンターでは特に数が多いため、「コールセンターで用いられるKPIにはどのようなものがあるのか把握したい」「KPIを設定する際に注意すべきことを知りたい」というEC担当者もいるのではないだろうか。

今回は、コールセンターで用いられる代表的なKPIとその算出方法を解説するとともに、KPIを設定する際のポイントを紹介する。

目次

●KPIとは
●コールセンターにおけるKPI設定の必要性
●代表的なKPIとその算出方法
●KPIを設定する際のポイント
●まとめ

KPIとは

KPIとは、「Key Performance Indicator」の頭文字で、日本語では「重要業績評価指標」という。「KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)」と呼ばれる、企業や部署の最終的な目標の達成度を図るための中間指標として用いられる言葉だ。

KPIは達成度を可視化するための指標の総称であり、単一の指標を指すものではない。コールセンター業界は特にKPI指標が多いと言われているが、どのKPIを設定し計測していくかは、コールセンターの目的によって異なる。


コールセンターにおけるKPI設定の必要性

コールセンターがKPIを設定する理由は、目標を達成するためのプロセスを可視化するためだ。例として、「顧客満足度の向上」と目標を定めるだけでは、達成までの道筋を描きにくく、オペレーターごとに認識や対応が異なる可能性もあるだろう。「顧客満足度の向上」という成果目標を達成するために「応答率の向上」「処理時間の短縮」というプロセス目標を掲げることで、オペレーター全員が明確な指標を持って業務に臨むことができるという訳だ。

また、KPIをもとに起因する要素を特定し、打つべき対策を施すことで、個々のオペレーターのパフォーマンスが高まるだけでなく、コールセンター全体の効率化や生産性の向上も期待できるだろう。


代表的なKPIとその算出方法

コールセンターで用いられるKPIは、大きく4種類に分類できる。それぞれの代表的なKPIと、その算出方法を見ていこう。

応答品質


電話のつながりやすさや、応答の質を測るためのKPIは以下の通り。

「応答率」と「放棄呼率」は表裏一体の関係にある。応答率の悪化には「テレビで紹介された」「スタッフ数が減った」「オペレーター1人あたりの対応件数が落ちている」など、さまざまな背景が想定されるため、原因の所在や一時的なものであるかを確認したうえで対策を行うことが重要だ。

「SL(サービスレベル)」や「ASA(平均応答速度)」は顧客満足度に大きく影響するため、「オペレーターの適正配置」や「オペレーションの改善」などを行うとよいだろう。

効率性・収益性


対応のスピードや効率性を測るための指標は以下の通りだ。それぞれのKPIは「オペレーター個人で算出する」場合と、「コールセンター全体で算出する」場合とがあり、オペレーターの習熟度や、コールセンターの生産性を測る指標にもなる。

「AHT(平均処理時間)」は、「ATT(平均通話時間)」と「ACW(平均後処理時間)」の合計でも求めることができる。一般的にはAHTが短いほどSLが上がり顧客満足度の向上につながると言われているが、AHTにのみ捉われて時間を短縮すると顧客満足度が下がる可能性もあるため、注意が必要だ。

顧客満足度


顧客の満足度を測るためのKPIは以下の通り。

「CS(顧客満足度)」は、アンケート調査などの結果をデータ化し、客観的に分析・数値化する。顧客満足度にはこれまでに紹介したKPIの内容が関係するため、原因によって「システムの導入」「研修の実施」などの対策をするとよいだろう。

「NPS(顧客推奨度)」とは、ECサイトや商品に対する愛着や信頼、他者への推奨の度合いを数値化することで、ロイヤリティを評価する指標のこと。項目ごとに点数で回答してもらい、点数に応じて「推奨者」「批判者」にカテゴリ分けすることが一般的だ。収益性と密接に結びついていることから、計測するコールセンターが増加している。

マネジメント


オペレーターの管理や職場環境の整備を図るためのKPIは以下の通りだ。

「欠勤率」が上がると、応対品質が低下し、顧客満足度を下げる原因になる恐れがある。欠勤の理由には「身体的な要因」と「心理的な要因」とが考えられるため、「季節的・時期的な要素」「繁忙期の業務体制」、「人間関係のストレス」などをきちんと把握することが重要だ。オペレーターに改善を要求するだけでは離職につながる可能性もあるため、注意しよう。


KPIを設定する際のポイント

最後に、KPIを設定する際に注意すべきポイントを紹介する。

KGI(重要目標達成指標)にあわせて設定する


KPIはあくまでも目的を達成するための中間指標に過ぎないため、企業やコールセンターにおけるKGI(重要目標達成指標)に応じたKPIを設定する必要がある。

例として、「顧客満足度は現状維持し、コストを●%台に抑える」という目標がある場合、課題であるコストカットを目的とした「稼働率」や「CPC」などをKPIとして設定するのが有効だ。

定期的に測定し、PDCAサイクルを回す


KPIを設定して業務状況を把握するだけでなく、改善に向けた施策を行い、再度効果を計測をしていくことも重要だ。具体的には、以下の流れで「PDCAサイクル」を意識するとよいだろう。

●P(Plan):目標とKPIの設定
●D(Do):目標達成に向けた施策・対策の実行
●C(Check):効果の検証
●A(Action):問題点の解決に向けた行動や、次の計画の思案


まとめ

KPI指標は、ECサイトの現状を把握する大切な手段であり、対策を施すことでオペレーターの応対品質の向上や個々のスキルアップにもつながる重要な指標だ。目標に応じたKPI指標を設定し、施策の効果を測定・検証していくことは、ECサイトの顧客満足度や信用に大きく影響するだろう。今回の記事を参考に、KPIの設定やコールセンターの業務体制の見直しを行ってみてはいかがだろうか。自社での対策や効果測定が難しい場合は、コールセンターのアウトソーシングも検討しよう。


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