楽天市場のRPP広告とは?キーワードや費用の設定方法、運用のコツを紹介

ECのミカタ編集部

楽天市場のRPP広告とは?キーワードや費用の設定方法、運用のコツを紹介

楽天市場に商品を出店している事業者は、RPP広告を利用できます。RPP広告を出稿すると、楽天市場内で特定のキーワードが検索されたとき、検索結果画面に広告を表示できます。顕在層へのアプローチとして有効であるだけでなく、プラットフォーム内における露出増加にも効果的な方法です。RPP広告をうまく活用できれば、集客力を高める要因にもなるでしょう。この記事では、RPP広告の概要と特徴、出稿する手順、分析や改善のコツについて解説します。

楽天市場のRPP広告とは

楽天市場のRPP広告とは、楽天市場内における検索連動型広告です。過去には楽天サーチワード広告や楽天CPC広告などの名称で運用されていましたが、2022年7月現在、Rakuten Promotion Platformの略称でRPP広告と呼ばれています。クリック課金型で運用されており、GoogleやYahoo!のリスティング広告とよく似ています。

RMP広告との違い


楽天市場には、RPP広告とRMP広告の2種類があります。いずれも店舗内のすべての商品を対象としており、プラットフォーム内における露出を増加させることを目的として出稿されます。もっとも大きな違いとして、RPP広告は楽天市場内に出店している企業、RMP広告は楽天市場内に出店していない企業が出稿する広告です。

RPP広告の特徴

前述のとおり、RPP広告は楽天市場内に出店している企業が広告主となります。つまり、出店企業が売上をあげることを目的として出稿するものです。

以下では、RPP広告の特徴について解説します。

月額費用5,000円から出稿できる


RPP広告は、広告主が予算を設定して出稿します。月額5,000円以上で自由に設定できるため、広告費は最低5,000円から出稿できると考えるとよいでしょう。

クリック課金型となっているため、広告が表示されるだけでは費用が発生することはなく、クリックされてはじめて費用が発生します。基本的に自動で運用されますが、予算を超えないように広告の出稿がストップされるため、想定以上の広告費がかかる心配はありません。

自動でターゲティングできる


RPP広告は、自動でターゲティングが可能です。広告プラットフォームのなかには、広告主側が細かな条件を設定しないとターゲティングできないものもありますが、RPP広告は購買データをもとにマッチングした広告を自動で表示します。

国内最大級の規模を誇る楽天市場のビッグデータをもとに最適化されているため、コンバージョン率を高めやすいといえるでしょう。

商品ごと・キーワードごとにCPCを設定できる


RPP広告では、キャンペーンごとにCPCを設定できる仕様となっており、CPCの設定幅は25円から1,000円となっています。特定の商品やキーワードについてCPCを設定できるため、商品やキーワードごとに広告の露出の強弱を調整可能です。

RMS上でパフォーマンスレポートを確認できる


RPP広告のパフォーマンスは、いつでもRMS上で確認できます。パフォーマンスレポートでは、商品ごとのクリック率やクリック単価などが表示されます。RPP広告に限らず、広告運用においてはROASをもとに費用対効果を測定しつつ、日々改善を重ねていくことが重要です。

RPP広告を出稿する方法・手順

RPP広告は、楽天市場内の店舗運営や商品登録ができるシステム「RMS」から出稿できます。設定まわりもリスティング広告とよく似ていますが、Google広告よりもシンプルな設計となっているため、広告運用の経験がない方でも手順を追って進めていけば理解できるはずです。

以下では、RPP広告を出稿する方法・手順について解説します。

RMSにログインする


楽天市場で広告を出稿するには、RMSにログインする必要があります。RMSにログインするときの手順は、R-Loginのページを表示して、共通ID・パスワード・楽天市場のユーザーID・パスワードを入力します。

RPP設定画面に進む


RMSへのログイン後、「楽天RMSメニュー」→「広告・アフィリエイト・楽天大学」→「広告」→「検索連動(RPP)」と進むと設定画面が表示されます。

キャンペーンを設定する


はじめてキャンペーンを設定するときは、「プロモーションメニュー検索連動型広告(RPP)」から「キャンペーン」→「新規登録」を選択します。キャンペーンの設定には、以下の情報を入力する必要があります。

  • キャンペーン名

  • ステータス

  • 継続月予算

  • CPC(1クリックあたりの入札単価)


  • それぞれの項目についての詳しい説明は以下のとおりです。

    キャンペーン名


    キャンペーン名は、キャンペーンを管理するうえでわかりやすい名称を設定します。ユーザーには見える部分に影響を及ぼすことはなく、広告主が管理画面上で広告内容を識別するための名称です。

    ステータス


    ステータスは、広告の配信状況を確認・変更できる項目です。「有効」になっている広告は配信中、「無効」になっている広告は配信停止中です。

    継続月予算


    継続月予算は、月あたりの広告予算です。前述のとおり、RPP広告はクリック課金型の広告です。そのため、あらかじめ予算を設定しておき、限られた予算内で広告効果を最大化できるように広告が出稿されます。

    CPC


    CPCは、1回のクリックあたりにかけられる広告単価です。CPCが高いほど、広告が上位に表示されやすくなりますが、その分クリックあたりの単価が高くなるため、バランスをとって設定することが大切です。

    一般的にコンバージョンに近いキーワードは平均CPCが高く、コンバージョンから遠いキーワードは平均CPCが低くなる傾向があります。RPP広告では、商品やキーワードごとにCPCを設定できるため、パフォーマンスレポートをもとに調整していく必要があるでしょう。

    RPP広告のCVRを高めるコツ

    広告を運用する際、最大の課題はコンバージョン率(CVR)を高めることです。コンバージョン率を向上させられれば、同じ広告費でより多くのコンバージョンを獲得できるため、広告効果を最大化させることにつながります。

    以下では、RPP広告のコンバージョン率を改善するコツについて解説します。

    R-Karteを活用する


    楽天市場では、売上アップをサポートするデータ分析ツール「R-Karte」を提供しています。新規・リピーターの割合、流入チャネルの比率、顧客単価などの情報が集約されており、さまざまなデータをチェックできます。

    売上改善アクションツールを利用する


    売上改善アクションツールとは、分析結果をネクストアクションにつなげるためのツールです。RMSにログインして「データ分析」に進んで、左側のメニューから「売上改善アクション」を選択すると表示されます。

    商品別検索キーワードや商品別特典設定のほか、関連キーワード・ユーザートレンドなどがチェックでき、どんなキーワードに対してどんな商品が人気となっているかがデータ化されています。

    商品別検索キーワードをチェックする


    売上改善アクションツールのなかでも、とくに重視したい部分として「商品別検索キーワード」があります。商品別検索キーワードには以下のような項目が含まれます。

  • トップ5の流入キーワード

  • 楽天市場内検索からのアクセス数

  • キーワードごとの転換率

  • キーワードごとの検索順位


  • RPP広告のような検索連動型広告においては、どんなキーワードからユーザーを獲得すべきかを理解することが重要です。キーワードごとの転換率や検索順位をもとに、コンバージョンに近いキーワードを発見して、適切なCPCを設定できるとよいでしょう。

    商品別特典設定を見直す


    商品別特典設定は、商品ごとのポイント倍率や送料無料・あす楽などの特典を設定できる機能です。商品の購入を検討するユーザーに対して、最後のひと押しになる要素でもあり、コンバージョン率の向上が見込めるはずです。

    改善アクションを確認したときに「転換率を上げよう」と表示されている場合は、商品別特典設定を追加してみるのも効果的です。

    RPP広告を運用する際の注意点

    RPP広告は、楽天市場内で露出を増やし、売上をあげるのに効果的なツールです。しかし、運用にあたっておさえておくべき注意点もあります。

    以下では、RPP広告を運用する際の注意点について解説します。

    売り切れSKUがあると転換率が下がる


    商品としては在庫が残っていても、売り切れのSKUがあると転換率が下がります。たとえば、広告に接触したユーザーが商品を魅力的に感じてクリックしたとしても、ほしいサイズやカラーが売り切れていれば離脱してしまうため、転換率が下がる結果となります。

    在庫管理においては、商品ベースではなく、SKUベースで適切な在庫量を確保できるとよいでしょう。

    次月予算は自動で設定されてしまう


    RPP広告の月額予算は自動更新となっており、RMSの継続月予算に設定されている金額が自動で設定されます。そのため、前月とは予算を変えて広告を出稿したい場合は、月初に設定を変更しておく必要があります。

    RPP広告の表示ロジックも知っておく


    RPP広告は基本的に自動で運用されているため、簡単に運用できる一方、恣意的なコントロールが難しいともいえます。広告表示に関するロジックが公開されているわけではありませんが、主に以下の要素が関連していると考えられています。

  • 商品の売上金額

  • 商品の売上件数

  • CPC

  • レビュー件数


  • なかでも、商品の売上金額・売上件数・CPCの3つは、広告の露出に大きく影響する要素です。そのため、売上金額や件数が不十分な場合、CPCを上げないとなかなか広告が表示されないケースがあります。

    RPP広告が表示されないときはどうする?

    RPP広告をはじめ、検索連動型の広告は出稿していても、CPCや商材によってはなかなか表示されないケースもあります。コントロールが難しいとはいえ、キーワードや予算の設定で改善できる部分もあるため、RPP広告の表示ロジックを調べたうえで設定を見直してみるとよいでしょう。

    まとめ

    RPP広告は、楽天市場内の検索連動型広告として提供されており、顕在層の獲得に適している広告です。細かい設定がいらず、ほぼ自動で最適化できるため、広告運用に慣れていない方でも簡単に利用できる点がメリットです。

    一方、広告主側でもR-Karteのデータや表示ロジックを解析しつつ、広告効果を高められるよう工夫する必要があります。楽天SEOをはじめとする販促施策を絡めながら、適切に運用できれば競合他社に対して、商品以外の部分で差別化を図れるでしょう。


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