【2022年最新】近年のアメリカEC市場の動向は?商材別の市場規模や事業者ランキングを紹介

ECのミカタ編集部

近年のアメリカEC市場の動向は?商材別の市場規模や事業者ランキングを紹介

アメリカのEC市場は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、成長を続けている。担当者としては、「アメリカのEC市場規模やEC化率を把握したい」「越境ECを検討したい」と考えることもあるのではないだろうか。

今回は、経済産業省が発表した資料読み解きながら、アメリカのEC市場の現状を解説していく。最新のアメリカ市場の動向も紹介しているので、参考にしてほしい。

目次

●アメリカのEC市場規模は世界第2位
●商材別に見るアメリカのEC市場規模
●アメリカEC市場における事業者シェアランキング
●最新のアメリカEC市場の動向
●まとめ

アメリカのEC市場規模は世界第2位

まずは、経済産業省が発表している資料をもとに、アメリカの市場規模やEC化率について見ていこう。

アメリカのEC市場規模は世界第2位


経済産業省が2022年8月に発表した『令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』によると、アメリカの2021年のEC市場シェアは19.0%で、1位中国の52.1%に次ぐ2位となっている。1位の中国とは2倍以上の開きがあるものの、3位イギリスの約4倍、4位日本の約6倍であることに鑑みると、市場規模の大きさが伺える。

 

参考:経済産業省『令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』

アメリカのEC市場規模とEC化率の推移


経済産業省の同報告書によると、2019~2021年におけるアメリカのEC市場規模とEC化率は、以下の通りだ。

 

参考:経済産業省『令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』

2019年後半以降の新型コロナウイルス感染症拡大を受け、2020年は小売店舗の閉鎖や外出禁止の影響が大きかったと推察され、グラフからも、特に第2四半期にECへの急速なチャネルシフトがあったことがわかる。

2019年第1四半期に10.2%であったEC化率は、2021年第4四半期では12.9%と、2.7ポイント増になり、2020年第2四半期には15.7%と最高値を記録した。日本の2021年のEC化率は8.78%であることから、アメリカのEC化率の高さがうかがえる。

同報告書では、2022年以降もEC化率14%前後の維持が見込まれるとしており、アメリカのEC市場は今後もますます拡大するだろう。


商材別に見るアメリカのEC市場規模

次に、経済産業省の同報告書より、アメリカの商材別EC市場規模を確認しよう。

「家具、建材、電子機器」のEC需要が急増


2021年のアメリカのEC市場を商材別に見ると、「衣類・雑貨」「家具、建材、電子機器」の市場規模が大きい。特に「家具、建材、電子機器」は大きく拡大し、コロナ禍で在宅時間が長くなったことにより、居住空間の改善に取り組むユーザーが増えたことが予想される。

 

参考:経済産業省『令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』

コロナ禍は食料品・飲料のEC市場にも影響


2020年のアメリカの食品EC市場規模は245億USドルと推計されており、新型コロナウイルス感染症が拡大した第2四半期には、売上高が前年比221.4%を記録した。一方、外食業界はコロナ禍によって大きな打撃を受け、2020年の売上高は6,590億USドルと、予想から2,400億USドル減少する結果に。外食を控えてテイクアウトやデリバリーを選択することが増えただけでなく、これまでEC化が進んでいなかった生鮮品分野においても即日配送サービスが整備されたことで、EC利用が拡大したとされている。

参考:経済産業省『令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書』

アメリカEC市場における事業者シェアランキング

経済産業省の同報告書によると、2021年のアメリカEC市場における事業者シェアランキングは、以下の通りだ。

1位:サードパーティ事業者(23.3%)
2位:Amazon(17.4%)
3位:Walmart(6.5%)
4位:Apple(5.3%)
5位:eBay(4.5%)
6位:Target(2.3%)
7位:Best Buy(2.2%)
8位:Home Depot(2.1%)
9位:Kroger(2.0%)
10位:Wayfair(1.5%)

参考:経済産業省『令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書』

サードパーティ事業者が1位を占めてはいるものの、2位のAmazonが3位のWalmartに2倍以上の差をつけていることがわかる。Amazonは広告媒体としても活用できるため、マーケットプレイス内の自社サイトへの誘導だけでなく、外部の自社サイトに促す効果が、結果にあらわれていると言えるだろう。


最新のアメリカEC市場の動向

最後に、最新のアメリカEC市場の動向を紹介する。

Googleショッピング広告を活用


Googleショッピング広告とは、検索したキーワードに関連する商品の画像や価格などをGoogleの検索結果に表示する「検索連動型広告」のこと。コンバージョン率が高く、Googleを利用して検索するユーザー数は世界的にも多いことから、利便性が高いと注目されている。今後、越境ECを行う多くの事業者がGoogleショッピング広告を利用すると予想されるだろう。

D2Cが活発化


現在、アメリカではブランドメーカーが自社サイトで商品を直接販売する「D2C(Direct to Consumer)」が活発化。人口ボリュームが多く、消費意欲も高い「ミレニアル世代」をターゲットにSNSを積極的に活用し、個々にアプロ―チを仕掛けることで、「LTV(顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益)」の向上を図っている。


まとめ

アメリカのEC市場規模は世界第2位で、EC化率も日本に比べ高い。ニューノーマルな生活様式を受けて、今後ますます拡大することが予想されるだろう。アメリカのEC市場への参入を視野に入れている場合は、最新の動向をチェックしながら対策を検討してみてはいかがだろうか。


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