味の素『AJINOMOTO ID』スタート、同社D2C立ち上げの基盤に

ECのミカタ編集部

味の素株式会社(社長:藤江太郎 本社:東京都中央区、以下「味の素」または「同社」)は、味の素グループが提供する複数のデジタルサービスにおいて共通ID「AJINOMOTO ID」の導入を開始した。

シングルサインオンを可能に

味の素は、2022年12月7日(水)より、味の素グループが提供する複数のデジタルサービスについて共通ID「AJINOMOTO ID」の導入を開始した。まずは同日より「味の素ダイレクト㈱オンラインショップ」、続いて本年度中に、レシピ・献立を主なコンテンツとした同社オウンドメディア「AJINOMOTO PARK」に導入するとしている。

同社は、これにより「ID・パスワード・会員登録情報」の一元化、シングルサインオンを可能とし、それぞれのユーザーの利便性を高めると共に、サービス間連携の強化を進めるとしている。

D2Cブランド立ち上げの基盤に

D2Cブランド立ち上げの基盤に

同社は、さらに現在構築を進めている「味の素グループD2Cプラットフォーム」にも「AJINOMOTO ID」を導入する予定とのことだ。同プラットフォームは、各ブランドのECサイト、会員情報、物流や会計に関する機能を集約した、味の素グループ内で新たなD2Cブランドが立ち上がる際の基盤となるものだという。

今後、同プラットフォームを活用し、会員一人ひとりに適した新たなD2Cブランドの提案につなげていくとしている。また将来的には、すでに同社が提供している食・健康サポートアプリへの導入も計画しており、製品とサービスを連動させた食・健康の顧客体験価値を提供する予定とのことだ。

生活者との直接的なつながりを強化

公表に際して同社では次のように述べている。

「近年、生活者のEC利用や健康意識の高まりに伴い、日常生活において食や健康に関する提供価値の多様化が急速に進み、デジタルサービスを通じて生活者が自らの嗜好やライフスタイルに合った製品・サービスを選択できることが一般的になっています。このような状況を受け、当社グループとして生活者との直接的なつながりをより強化し、嗜好やライフスタイルに合わせて複数のデジタルサービスを横断した最適な提案を実施していくために、今回『AJINOMOTO ID』の導入を開始することとなりました」

同社はさらに、これらの取り組みを通じて同社の強みである食と健康領域におけるサービス間の連携強化を行うと共に、新D2Cブランドの立ち上げを加速することで多様化する生活者のニーズに柔軟に対応した製品・サービスの提供を進めるとしている。これまで特にECを活用したD2Cモデルは、スタートアップや中小事業者が比較的参入しやすい分野として見られてきた。

近年、D2Cが持つ顧客とのロイヤリティ醸成の面でのアドバンテージなどが注目され、大手メーカーもこぞってD2C展開をする動きが活発になっている。今回の同社の施策も、顧客とのつながりを重視するものとなっており、同様の動きが他の大手メーカーにも広がるか、引き続き注目と言えそうだ。

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