インドECの潮流に変化!? 大手小売FutureグループがAmazonと提携

Amazonでファッション系のオリジナルブランドを販売


インドの大手小売Future グループが、Amazonと提携しファッション系のプライベートブランド商品を展開すると発表した。

Futureグループはインドの代表的な小売チェーン、”Central”や”Big Bazaar”、“Foodhall”、 “Planet Sports”、”Brand Factory”、”Home Town”、”eZone”を展開し、国内の合計店舗数は30,000以上、累計来店者数は年間3億人に及ぶ。

AmazonとFutureグループの提携は、Amazonの創業者Jeff Bezos氏が訪印し、Future グループのCEO、Kishore Biyani氏と会談後に発表された。
発表によると、Future社はAmazonのプラットフォームで”Lee Cooper”や”Converse”、”Indigo Nation”、”Scullers”、”Jealous21”などのオリジナルブランドを販売する予定だ。
さらに将来的には商社はファッション分野以外のカテゴリーも協力して拡充させていく計画だという。

ファッション事業を拡大させることは、Amazonにとっても重要な意味合いを持つ。Amazonはまだインドでプライベートブランドを展開しておらず、Flipkart社やSnapdeal社などと比べると、Amazonのファッション事業は商品数、販売者数、ブランド数とも劣っているからだ。

Amazon India社の副社長でカントリーマネージャーでもあるAmit Agarwal氏は、今回の提携について、お互いが”win-win”の関係であると述べている。
同氏によると、Future社はAmazonの販促活動も支援するという。

これまでインドの大手小売企業各社は、EC業界の可能に対してあまり積極的な姿勢をとっていなかったが、流れは変わりつつあるようだ。

ただし、FutureグループのCEO、Biyani氏はECの可能性については不信感を示し、「EC業界の存在感はEC業者が想像しているほどではない。」と述べている。
この姿勢をどう見るべきだろうか?

将来的に発展する可能性のあるインド市場


Biyani氏がECの可能性について不信感を持っているのは、インドにはまだあまりパソコンが行き渡っていないせいだろう。インドのパソコン普及率は、11.4%に過ぎない(2012年6月)。そのほか、社会全体が貧しくて購買力が低いとか、宅配便のような輸送手段が十分に整っていないとか、様々な理由が考えられる。

ただし、人口は日本の約10倍もあるため、インターネット人口は日本よりも多い。マーケットとして、可能性がないわけではない。
実際、インド3大財閥のひとつTataグループのファッションブランドCroma社は、デリーに本社を置くインターネット事業者Snapdeal社との提携を発表した。

AmazonとFutureグループ、Snapdeal社とCroma社の提携は、小売業者と技術・物流を提供するプラットフォームの連携だ。「未成熟な市場ながら可能性は感じている」というのが、大筋ではないかと思われる。

近年Amazonはインスタント食品等の食料品販売を開始し、Futureグループも食品ブランドの展開を計画している。AmazonとFutureグループの提携では、将来的には食料品事業も予想される。