SaaSおよびソフトウェア製品の無料比較プラットフォームの提供を通して中小企業をサポートしているCapterra（キャプテラ）は、スマートフォンの最新利用動向について、スマートフォンアプリの日常的な利用者1009人を対象に調査を行い、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

日本で現在最も利用されているアプリは？

ほとんどの世帯がスマホを保有している現在、私たちの日常にアプリの利用は欠かせないものとなってきている。様々なサービスを提供する数多くのアプリが存在するが、どのようなアプリが最も使われているのだろうか。アプリの使用頻度「毎日使う」、「週6回未満」、「インストールしたら使っていない（もしくはインストールしていない）」ごとに人気のアプリについて質問している。

◆「毎日使う」日常利用アプリ

・スーパーアプリ　64%
・メール　62%
・SNSソーシャルメディア　52%
・ニュースと情報　48%
・動画ストリーミング　40%

◆「週6回未満使われている」単発利用アプリ

・マップとナビゲーション　60%
・ショッピング　56%
・写真と動画　51%
・電子決済　44%
・コミュニケーション(音声/テキストメッセージ)　41%

◆「インストールしているが使っていない（もしくはインストールしていない）」低利用アプリ・ニッチアプリ

・教育　86%
・フィットネス　74%
・読書　73%
・健康とウェルネス　70%
・旅行とチケット　69%

いわゆる「スーパーアプリ」が毎日使われる日常利用アプリとしては最も人気のようだ。また、今回の調査で年齢層による回答の違いも明らかになった。18歳〜25歳の半数以上（57％）が音楽ストリーミングアプリを「日常利用アプリ」に位置付けており、36歳以上の大多数はこのタイプのアプリをインストールしていない、または使用していないと回答した。同様に、ゲームアプリは35歳までの回答者の38%～39％が毎日使用していが、この割合は65歳以上では9％に減少した。

アプリインストールの特典で最も人気なのは？

スマホユーザーが新しいアプリをダウンロードする際、特典として最も人気なのは「割引」（35％が回答）だった。しかし、データを見ると37％の人が「特に特典を求めていない」と回答していることから、新しいアプリインストールには特典の有無はそれほど重要視されていないのではと分析している。

Q1.「アプリをダウンロードするときに、重視する特典は何ですか？」
注）複数回答のため、合計は100％にならない

・割引（35％）
・製品・サービスの早期利用（18％）
・有料アプリの無料利用（16％）
・限定コンテンツ（12％）
・イベントへの特別招待（8％）
・その他（2％）
・特に得点を求めない（37％）

それでは、新しいアプリをインストールする際に重要視されているのは何でしょうか？（多かった回答）

・ホテルの予約や食事の注文など、特定のニーズが発生したとき（32％）
・ニュースや記事の情報（29％）
・家族や友人からの口コミ（24％）

つまり、新しいアプリをインストール際に重要視されているのは、特典ではなく必要性と機能性だと同社は結論づけている。

アプリを削除する理由は？

どのような時にどのような理由で新しいアプリがインストールされるのかについて見てきたが、次はユーザーがアプリを削除する理由について聞いている。まずアプリを削除する頻度について質問したところ、回答者の大半 (59%)が年に数回しかアプリを削除しないと答え、さらに32%がアプリを全く削除しないと回答した。日本のスマホユーザーは、一度使い始めたアプリを使い続けようとする傾向があるようだと分析している。

◆アプリを削除する主な理由

Q1.「アプリを削除する主な理由は何ですか？（３つまで選択可）
注）「アプリは削除しない」と答えた回答者以外を対象に質問

・アプリが不要になった（75％）
・メモリを使いすぎる（30％）
・動作が遅い・不具合が多い（27％）
・他に良いアプリが見つかった（20％）
・通知、スパムが多い（14％）
・広告、アプリ内課金が多い（11％）
・セキュリティ上の問題、脆弱性（8％）
・評判が悪い（7％）
・ユーザー体験やUIの問題（5％）
・収集する個人情報が多い（5％）

サマリー

調査結果にあるように、日本で現在最も利用されているアプリは多機能型「スーパーアプリ」で、アプリインストールの特典で最も人気なのは「割引」だった。またアプリを削除する理由は「不要になったから」が75%となった。

今回の調査では、アプリの開発とマーケティングにおいて、アプリ自体の機能性とターゲットとするユーザー層のニーズへしっかり対応することが重要だと示唆されたようだ。今後ますます増え続けていることが予想されているスマホアプリの利用者数。EC市場向けをはじめとしたアプリを開発する企業にとって、アプリの利用動向を常に把握しつつユーザーの変化するニーズに対応することが欠かせない要素となりそうだ。