ヒカル氏プロデュースのサプリブランド「P3」が明かす不正検知の重要性 「O-PLUX」導入で生み出したリソースを売上・顧客体験向上に直結する業務に集中
ECの成長に伴って顕在化してくる課題が、転売目的の大量購入や初回限定価格を狙った不正注文だ。その被害は売上減少だけにとどまらず、チェックにかかる負荷は増大し、受注データに不正注文が紛れ込めばCPAは実態より安く見え、広告投資の判断を誤らせかねない。
YouTuberのヒカル氏と作り上げたサプリメントブランド「P3(ピースリー)」を急成長させた株式会社LADDERも、事業をグロースさせる裏で、転売や「初回荒らし」に悩まされていたという。そこで同社が導入したのが、かっこ株式会社が提供する不正検知サービス「O-PLUX」だった。
「P2C(Person to Consumer)」モデルで事業を拡大するLADDER社を悩ませていた不正注文の実態とは。そして同社はなぜ、国内外の不正検知サービスから「O-PLUX」を選んだのか。執行役員 吉原未斗利氏に話を聞いた。
ヒカル氏の「毎月13万円分のサプリ」から生まれた「P3」
──まずは、LADDER社の事業概要をお聞かせください。
当社は「P2C」という、インフルエンサー様などの影響力ある方(Person)と一緒に商品を開発し、消費者(Consumer)に販売を行う事業を展開しています。YouTuberのヒカルさんがプロデュースする「P3」以外にも、てんちむさんがアンバサダーを務める電子シーシャの「CHILLERS(チラーズ)」、ラーメンYouTuberのSUSURUさん監修のサプリメント「さらば糖脂塩」などを展開しています。また、P2Cが特徴的なのは、完成した商品の広告のためにタレント様をキャスティングするのではなく、ゼロから一緒に作る点です。
──「P3」はどのようなブランドなのでしょう。
「P3」は、ヒカルさんと一緒に開発したエイジングケアサプリ(※1)です。商品を開発する際、ヒカルさんから「毎日飲んでいる(さまざまな種類の)サプリを、全部まとめたものを作れないか」と、ご自身が飲んでいた13万円分のサプリメントを並べながらアイデアをいただいたんです。そこから、NMN(※2)をはじめとする55種類の成分を配合したサプリメント10粒を1包にまとめた「P3」が生まれました。
発売当初の購買層はヒカルさんのファンである20~30代男性が中心でしたが、広告配信を強化することで40~50代の男女にも広がり、現在の会員数は数万人規模、累計販売数2,500万包を突破(※3)しています。販売チャネルとしては自社ECを中心に、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピング、Qoo10、TikTok Shopなどでも展開しています。
※1:エイジングケア=年齢に応じた栄養補給のケア ※2:正式名称は「ニコチンアミド・モノ・ヌクレオチド」。人間の体の中でつくられるビタミンB3の一種 ※3:2023年4月〜2026年6月の間
ヒカル氏がプロデュースするサプリメントブランド「P3」。2023年4月に発売を開始し、Web広告だけでなく、タクシー広告やイベント協賛などでも認知を拡大している
不正が混ざると、効果が出ている施策を止めてしまう
──「P3」で不正注文が目立ち始めたのは、いつ頃でしたか。また、発生していた具体的な不正もお聞かせください。
発売から約2年が経ち、毎月数万件ほどの新規顧客を獲得できるようになったタイミングで一気に増えました。特に公式サイトでの定期購入は初回価格が安い(初回限定特別価格)こともあり、転売目的の大量購入や、同一人物と思われるユーザーによる複数回の購入が目立ちました。特に初回特別価格の不正購入は、売上の毀損だけでなく、既存顧客への公平性にも影響するため、大きな課題となっていました。
また、クレジットカードの不正利用も継続的に発生していましたし、Yahoo!ショッピングやAmazonで当社以外のショップが(無断で)「P3」を販売しているというケースもありました。
──不正注文の増加は、事業にどのような影響を与えていましたか。
当社では受注・発送・決済のそれぞれでCPAを算出し、媒体別や代理店別に実績を見ています。不正注文が混ざっていると一見、受注のCPAが安く見えたとしても、実際に発送するCPAは高くなってしまいます。その乖離があるままで「このメディアに広告を出すのは止めよう」といった判断を下してしまうと、「効果が出ているメディア・施策」だったとしても、誤って止めてしまうといったミスが起きてしまいます。
──当時、不正のチェックはどのように行っていたのですか。
すべて目視です。各販売チャネルの担当者が朝9時に出社し、12時の発送手配までに前日の受注データを1件ずつ確認していました。「名字しか入っていない」「住所が途中で切れている」「名前は違うけれど住所が同じ」といった、不正の可能性のある受注データを一つひとつ拾っていたのですが、注文数が増えるにつれて人によるチェックでは限界が生じ、見落としや対応遅延が発生することもありました。
ブランド名の「P3」は、「PERFECT PERSONALIZED PROGRAM」を意味する。「P3」からNMN配合量を増やした「P3 プレミアム」も展開している
ABテストで約2倍の不正注文を検知した「O-PLUX」を導入
──そうした不正注文が顕在化するなか、導入したのが不正検知サービス「O-PLUX」だったんですね。導入の決め手は何だったのでしょう。
不正注文を減らそうと、それまで導入していた他のサービスと「O-PLUX」を比較するABテストを実施したところ、「O-PLUX」のほうが倍くらい多く不正を検知しました。精度の高さが数字で明確に可視化されたので、導入を決めました。それに、当社が使っているecforce(※4)とも連携でき、それまでのEC運用に無理なく組み込める点も大きな決め手でした。
──不正検知の「精度の高さ」とは、どのような点に表れているのでしょう。
たとえば初回限定価格を狙った「初回荒らし」では、同じ人が下の名前をひらがなに変えて、もう一度買おうとするケースがあります。最近ではさらに巧妙になって、業者が闇バイトで集めた人を使って初回限定価格で買わせる手口もあるそうです。そうなると、目視では通常の注文と変わらないように見えてしまい、まず気づけません。
その点「O-PLUX」は、導入しているサイトを横断して初回ばかり購入している人を検知して、はじいてくれます。かっこ様側で他社の不正傾向も踏まえて検知条件を随時見直してくださるので、自分たちで細かなメンテナンスをする必要もありません。目視でチェックしていた頃には発見できなかった不正まで防げているので、とても安心しています。
──導入の決定から実装まではどのくらいで完了したのでしょう。
「O-PLUX」がecforceとの連動性が高いこともあり、導入を決めてから実装までは2週間ほどでスムーズに進みました。当社の運用に合わせたルール設定やチューニングを細かく相談できたため、現場の負担なく立ち上げられましたね。
※4:「ecforce」は株式会社SUPER STUDIOが提供しているコマースプラットフォーム

「O-PLUX」には「O-PLUX Account Protection」と「O-PLUX Payment Protection」があり、決済前・決済時・決済後と、一貫した不正対策が可能 ●参考記事:不正検知サービス「O-PLUX」がリニューアル セキュリティガイドライン【6.0版】対応で不正対策を包括的に支援(ECのミカタ))
月間で200件弱もの不正注文を防止
──「O-PLUX」の導入後、どのような効果を得られているかお聞かせください。
まず、不正目的での購入が大幅に減少しましたね。実際に、ある月には200件弱の不正注文を排除することができました。これによって不要な広告費を支払うこともなくなり、仮にCPAを1万円としても、かなりの金額的な効果があることがわかります。
さらに、「O-PLUX」を導入して最初の数カ月は不正注文を“試みる”人が多かったのですが、最近は狙われること自体が少なくなりました。不正注文を事前に防いでくれるため、そうした人たちも諦めているのだと思います。
──「O-PLUX」の導入で、現場の業務はどう変わりましたか。
運用工数の削減につながりました。導入する前は7名ほどが毎日、一定時間目視でチェックを行っていたので、その時間を削減できました。削減した分の時間で、発送オペレーションの改善やリードタイムの短縮、問い合わせ対応の品質向上、新商品の企画やキャンペーン施策の検討といった「売上や顧客体験に直結する業務」にリソースを振り向けられるようになりました。
株式会社LADDER 執行役員/株式会社SHINY 代表取締役社長 吉原未斗利氏
月間新規1000件を超えたら導入をすすめたい
──EC事業を成長させるうえで、不正対策をどのように位置づけていますか。
不正対策をしなくても事業自体は回りますが、対策を講じなければ無駄な広告費がかかり、担当者がチェックする時間も必要になります。ですので、初期費用やランニングコストが発生するとしても、「不正を検知し対策すること」は結果的に全体の費用削減につながると捉えています。
私の感覚ですが、月間の新規獲得が1000件を超えるのであれば「O-PLUX」を導入するのがおすすめです。「P3」では数万件を超えたタイミングで入れたので、もっと早く導入すればよかったと感じています。
──最後に、「P3」とLADDER様の今後の展望をお聞かせください。
「P3」をNMNブランドとして日本一にしたいです。また、ブランドとしての“独り立ち”もさせたいですね。今はヒカルさんを知って、買ってくださる方が多いのですが、まず商品を知っていただき、後から「この人がプロデュースした商品だったんだ」と気づいてもらえる流れを、より増やしたいです。会社としては、今後もP2Cのリーディングカンパニーだと思ってもらえるよう事業を拡大していきます。ネット上だけでなく、店頭や地上波にも出ていくブランドを作りたいと考えています。


