越境ECプラットフォーム「豌豆（ワンドウ）」を運営するインアゴーラ株式会社（以下：インアゴーラ）は、中国消費者向け代理購入サービス「日淘市集（リータオシージー）」において、日本語の商品説明文をAIによって中国語や英語に翻訳する機能とAI検索機能を実装し、2023年9月26日より提供開始した。

自然な中国語で日本商品を的確に訴求する

今回、インアゴーラが実装したAI翻訳およびAI検索機能の特徴は以下の通りである。

◆多国語理解能力を持つChatGPTによって日中・日英翻訳サービスを開発

ChatGPTの能力を活用し、日本語と中国語、日本語と英語間の翻訳サービスを新たに開発。商品の詳細情報を海外の消費者に向け、現地言語で訴求することによってコンバージョン率の向上を実現する。

◆プロンプトによる知識活性化で追加トレーニング不要のAI検索機能を開発

ChatGPTは広範囲な知識ベースも備えているため、異なるプロンプトを用いることで事前学習した知識を活性化できる。この特徴を利用し、追加のトレーニングなしで企業の既存データと深く連携するAI検索サービスを開発した。

多くの中国消費者にとって、日本語のECサイトから欲しい商品を探すことはハードルが高く、機会損失や購入商品がイメージと違うことによる返品が発生していた。今回インアゴーラが実装したAI翻訳によって、商品紹介などの翻訳がより自然な表現に変換される。その結果、中国消費者は商品についてより的確に理解できるようになるだろう。

加えてAI検索機能によって、中国語で検索ワードや使用シーン、使用イメージなどを入力すると、豊富な商品からより的確なおすすめ商品の提案を受けることが可能となる。

機会損失の減少とコンバージョン率の向上を図る

今回のAI機能実装について、インアゴーラは以下のようにコメントしている。

「ChatGPTは多国語翻訳サービスから知識ベースとしての機能まで、多岐にわたる用途での活用が可能です。（中略）今後も当社は、この革新的な技術を用いてさまざまなビジネスソリューションを展開し、中国消費者によりスムーズなショッピング体験の提供と、機会損失の減少ならびにコンバージョン率の向上を図ってまいります」。

中国向け代理購入サービス「日淘市集」では、中国に居住しながらも日本のECサイトで取り扱う商品のショッピングが実現。インアゴーラがこれまで越境EC事業で培ってきたノウハウや強みを生かして決済や物流をサポートすることで、日本のECサイトと中国のユーザーを繋ぐサービスである。

インアゴーラは本機能の提供を皮切りに、今後もAI領域における最先端のテクノロジーを積極的に活用し、Eコマースにおける課題解決と効率化、商取引の活性化に取り組むとしている。今回実装されたAI機能は日本商品を求める中国消費者に対して、より一層利便性の高い購買体験を提供するはずだ。