博報堂、生活者にきいた「2024年生活気分」を発表 来年の景気予想は「悪くなる」が「良くなる」の2倍以上に

ECのミカタ編集部

博報堂生活総合研究所、生活者にきいた“2024年 生活気分” を発表

博報堂グループのシンクタンクである博報堂生活総合研究所(以下:博報堂)は、2015年から毎年秋に、翌年の景況感などについて全国の20~69歳男女3900人に予想してもらう調査を実施。2023年11月21日、最新の調査を加えた2024年の景気予想が公表された。

サマリー

◆来年の景気予想「悪くなる」は36.2%で「良くなる」の2倍以上に
◆来年の「世の中の景気」予想は「悪くなる」(36.2%)が前回から減少するも、「良くなる」(14.7%)の2倍以上に。この「悪くなる」のスコアは、コロナ禍1年目(2020年調査)と同程度の高い水準
◆景気が「悪くなる」と思う理由は「物価上昇」が最多
◆来年お金をかけたいのは「1位:旅行」「2位:貯金」「3位:ふだんの食事」
◆「来年お金をかけたい」が「今年お金をかけた」の数値を最も大きく上回ったのは「貯金」で+7.1pt増

以降で詳細を確認していく。

来年の景気予想は「悪くなる」が4割弱で高水準

今年の「世の中の景気」実感は「悪かった」が56.9%と、前回調査(66.1%)よりもマイナス9.2ptとなり、4年連続で減少。

来年の「世の中の景気」予想は「悪くなる」が36.2%と、スコアが大幅に増加した前回(44.9%)よりマイナス8.7ptと減少した。一方「良くなる」(14.7%)は前回(12.1%)よりやや増加しているものの、「悪くなる」の方が2倍以上のスコアとなっている。

来年の変化について「多くなる」は3年連続で減少

今年の「世の中の変化」実感は「多かった」が37.2%、「少なかった」が11.1%と、ともに前回から大きな変動はみられなかった。

一方、来年の「世の中の変化」予想は「多くなる」が3年連続での減少となった。その要因については「物価上昇の継続・加速」や「国際情勢の変化」「異常気象や災害の増加」など、ここ数年間で特に問題視されている変化がさらに続くと考える声が目立った。

来年は旅行や貯金、筋トレなどへの意欲がみられる

「来年お金をかけたいもの(全25項目)」に関しては「旅行」「貯金」「ふだんの食事」がトップ3に並ぶ。

上位15位の指標に関しては、以下グラフの通り。

また、「2024年に始めたい/やめたいこと」については「来年始めたいことがある」人は28.1%、「来年やめたいことがある」人は18.9%と、前回調査から大きな変化はみられない結果に。

「始めたいこと」では「運動・体操・筋トレ」がトップとなり、「副業」「投資・資産運用」が続いた。一方、「やめたいこと」については「無理しての人付き合い」「無駄遣い・衝動買い」「スマートフォンの使いすぎ」が上位に並ぶ。

その他指標に関しては、以下グラフの通り。

来年度は支出の先を絞った消費行動となるか

今回の結果では、来年の景気が「悪くなる」は前回より減少したものの、コロナ禍1年目(2020年調査)と同程度の高い水準を維持している。

株式会社帝国データバンクが2023年10月に調査した景気動向調査によると、各種イベントやインバウンド需要の増加、半導体関連がプラス要因となったことで、景気DIは3カ月ぶりに改善したという。

関連記事:2023年10月の景気動向 インフルエンザ流行の影響も?全体的に景気DI回復も物価高や2024年問題が課題に

一方で、人件費の増加や生活必需品の高止まり、人手不足の長期化、2024年問題による時間外労働の上限規制など、来年度へ向けた懸念材料は数多く存在する。

本調査では、来年は今年より「旅行」へお金をかけたいという意欲が高まっていることが明らかになった。しかし、「貯金」に対する意識も強いことは無視できない。これらの結果からは、支出の先を絞ることで長引く物価上昇から家計を守る、といった消費者像が浮かび上がってくるだろう。

多くの事業者はいかにユーザーを繋ぎ止め、購買意欲を維持させるかが重要になるかもしれない。今後の景気動向を注視しながら、来年度へ向けた施策を検討すべきだろう。

調査概要

◆調査地域:全国11都市(首都40km圏、名古屋40km圏、阪神30km圏、札幌20km圏、仙台20km圏、新潟30km圏、金沢20km圏、静岡20km圏、広島20km圏、高松30km圏、福岡30km圏)
◆調査手法:インターネット調査
◆調査対象:20~69歳の男女 3900人
◆調査時期:2023年10月2日~5日
◆企画分析:博報堂生活総合研究所
◆実査集計:株式会社H.M.マーケティングリサーチ


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