物流の2024年問題解決の一歩となるか 物流業界向けスマートグラスシステム「ロジスグラス」とは

ECのミカタ編集部

物流業界の人手不足に終止符!「ロジスグラス」で労働環境を改善

株式会社コーユービジネス(以下:コーユービジネス)は2024年1月10日より、物流業界向けスマートグラスシステム「ロジスグラス」を発売した。

ツールが物流業界のDXを推進

倉庫業務・配送業務の作業効率化を実現する「ロジスグラス」は、主に以下の3つの問題を解決する。

◆倉庫業務の荷入れ作業からピッキング・出荷作業の労働時間を短縮
荷物に貼られている荷札ラベルの商品バーコードをロジスグラスで読み取ると、瞬時にAR機能により、倉庫の通路番号、エリア番号、棚番号、商品名が浮かび上がる。

◆拠点間配送の積み込み時間を短縮
ピッキング用の顧客別ボックスの固定バーコードをロジスグラスで読み取ると、瞬時に荷物の棚の位置情報がAR機能によって浮び上がり、スムーズにピッキング作業を行う。

◆戸口配送の置き配課題を解消
トラックから戸口までの動画を撮影、動画データは一定期間保管されるため、建屋や戸口の間違いの有無が短時間で判明する。

このような基本的な機能の他に、利用者のニーズに応じたシステムをオプションとしてカスタマイズし、グラスに搭載できる。

◆AR機能による情報表示イメージ

「2024年問題」をはじめとした社会問題を解決

コーユービジネスは「ロジスグラス」開発の背景について、以下のようにコメントしている。

「倉庫会社や運送会社の得意先の多い当社では、『2024年問題』を懸念する声を耳にする機会が増えていました。当社として何かできることはないか、という熱い意志を持つメンバーが集まった事業開発チームが議論を繰り返しました。その結果、これらの社会問題を解決するためには、デジタルツールによる効率化ソリューションが最適だという結論に至りました」。

不在時、宅配ボックスがあっても多量の荷物は入りきらず、物量が増えるにしたがって置き配の誤配トラブルも増加。ドライバーのみならず消費者の大きなストレスにもなっている。こうした課題に加え、物流現場の人手不足といった課題を解決するべく「ロジスグラス」は1年の開発期間を経て完成した。

事業者は最新の物流情報を注視すべき

2024年4月より「働き方改革関連法」による時間外労働の制限によって、トラックドライバー1人あたりの走行距離が短くなることが予測されている。結果として売上減少、ドライバーの収入減少に繋がることは総称して「2024年問題」と呼ばれている。

2024年に入り早くも2週間が経過し、「2024年問題」はいよいよ目前に迫ってきた。しかし、人手不足に悩む物流現場の労働環境を即座に改善させることは困難だろう。そうした状況においては「ロジスグラス」といった新たなツールの活用が必要不可欠だ。

今後はロボットが倉庫で働き、ドローンが配達するといった未来も考えられる。事業者は最新の物流情報を注視しつつ、スムーズな配送確保のために柔軟な対応が求められるはずだ。


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