楽天への出店は儲からないって本当?失敗する店舗の特徴や赤字を防ぐポイントを紹介

ECのミカタ マーケティング部

楽天への出店は儲からないって本当?失敗する店舗の特徴や赤字を防ぐポイントを紹介

楽天への出店は儲からず、撤退率が高いといわれています。楽天への出店で儲からない理由や利益が出ない店舗の特徴には、一体どんなものがあるのでしょうか。

今回は楽天に出店しても儲からない店舗の特徴や、実際の撤退率について解説します。また楽天への出店を後悔しないために利益率を上げるポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

楽天への出店は儲からないって本当?

楽天市場には5.7万店舗が出店しており、年間国内EC流通総額は5.6兆円と年々増加していることから、楽天市場は日本で最大規模のECサイトといわれています。

またインターネット通販全体でのシェアは29%にもおよび、集客力が高いECサイトといえるでしょう。

ネットショップ成功のための販売ノウハウを学べる講座や、ショップ選任ECコンサルタントのサポートを受けられることも、楽天出店ならではのメリットです。集客力の高さや手厚いサポートをもとに、楽天市場での売上を増やせるでしょう。

一方で「楽天への出店は儲からない」という声が散見され、撤退率の高さが話題に挙がることがあります。実際の撤退率はどれほどでしょうか。

(出典:

楽天市場出店のメリット|楽天

「売れる」ネットショップを開くなら楽天市場|楽天)

楽天市場における撤退率

楽天市場での退店率は、76%だといわれています。競合店舗の多さや高い手数料によって利益率が下がることや、楽天独自のルールによって運営が厳しくなることが大きな理由です。

中小店舗だけでなく、大手会社でも楽天市場からの撤退を決めるところが多くみられます。それだけ楽天市場でのショップ運営が難しいといえるでしょう。

(出典:相次ぐ楽天市場離れ 理想に現実追いつかず|日経ビジネス)

楽天への出店が「儲からない」と言われる理由

楽天への出店が「儲からない」と言われる理由は多岐に渡ります。ここからは、具体的な理由について解説します。

楽天市場への出店におけるデメリットを押さえたうえで、運営継続の可否や楽天への新規出店について検討してくださいね。

出店料・手数料が高い

楽天市場への出店料や手数料が高いことが「儲からない」と言われる理由の1つです。

楽天市場での店舗運営では、3つの出店プランから適切なものを選択します。

出店プラン名 月額費(税別) システム利用料
がんばれ!
プラン
19,500円
※年間一括払い
パソコン経由の売上:3.5%~6.5%
モバイル経由の売上:4.0%~7.0%
スタンダード
プラン
50,000円
※半年ごとの2回分割払い
パソコン経由の売上:2.0%~4.0%
モバイル経由の売上:2.5%~4.5%
メガショップ
プラン
100,000円
半年ごとの2回分割払い
パソコン経由の売上:2.0%~4.0%
モバイル経由の売上:2.5%~4.5%
またすべての料金プランに共通でかかる料金があります。
料金の種類 価格(税別)
初期登録費用 60,000円
楽天ポイント 楽天会員の購入代金(税抜)
×付与率(通常1.0%)
楽天スーパーアフィリエイト アフィリエイト経由売上の
2.6~5.2%(※1)
モールにおける取引の安全性・利便性向上
のためのシステム利用料
月間売上高の0.1%
R-Messe(※2) 月額固定費:3,000円~
楽天ペイ利用料 月間決済高の2.5%~3.5%

※1:パートナーサイトに掲載されたリンクを経由した売上については、店舗が設定したアフィリエイト料率に応じて、パートナーに成果報酬を支払う

※2:ユーザーと店舗間のコミュニケーションを円滑にする機能

楽天市場でのショップ運営ではさまざまな料金がかかり、売上の10%程度を楽天に手数料として支払うことになるため、「利益を得にくい」と感じる人が多いです。

(出典:

プラン・費用|楽天

サービス・料金詳細|楽天)

他店との激しい価格競争・差別化が難しい

楽天市場では5.7万店舗の出店があり、競合が多く激しい価格競争に巻き込まれやすいため、「儲からない」と言われます。

楽天市場にはサイト内で同じ製品コードをもつ商品をまとめて表示し、価格やレビュー、在庫などを比較できる「商品価格ナビ」という機能が導入されています。

この機能によって利用者は最も安い店舗を見つけられるため、他店の値下げがあれば販売数を確保するために、自店での商品価格も下げる選択をせざるを得なくなります。

また他店と差別化を図るために魅力的な特典やキャンペーンなどを活用すれば、集客力の上昇は見込めますが、利益率の低下は避けられません。

楽天独自のガイドラインの対応が大変

楽天市場には独自のガイドラインがあり、ルール改定によって負担が増えることがあります。たとえば2020年3月に送料無料ラインが導入され、出店店舗の金銭的負担が上がりました。この改定により、多くの店舗が楽天市場から撤退したといわれています。

また楽天市場のガイドラインに複数回違反すると、利用制限や営業停止などの厳しい処分があります。ガイドラインは改定も多く、そのたびに対応が必要になる点も、店舗運営が厳しくなる一因でしょう。

(出典:送料無料ライン対応ショップ「39(サンキュー)ショップ」のご案内|楽天)

顧客対応や発送作業の負担が大きい

楽天市場への出店では、顧客対応や配送作業をすべて自店でおこなう必要があります。楽天に支払う手数料以外にも人件費や配送料がかさみ、利益率が低下する可能性があります。

新規店舗に不利な検索システム

楽天市場の検索システムでは、売上上位のショップで販売されている商品の順位が高い傾向にあります。つまり競合する他店が人気だと、新規ショップは不利になります。

新規ショップが売上を出すには、検索上位になるような対応が必要です。短期間での売り上げを目指すなら、多くの広告費などがかかり利益率が低下しやすいでしょう。

画像リンクの例 画像リンク

楽天へ出店しても儲からない店舗の特徴

楽天市場のすべての店舗が儲からないわけではなく、実際に売上を立てている店舗があります。一方で売上が伸びない店舗には、改善すべき共通点がみられます。

ここからは、楽天市場へ出店しても儲からない店舗の特徴を詳しく解説します。自店舗に当てはまる点があれば、速やかに改善してくださいね。

商品の利益率が低い

楽天市場で利益率が低い商品を販売する店舗は儲かりません。

商品の販売において、手数料を考慮に入れた価格設定が必要です。また低単価で利益率が低い商品は手数料以外にもランニングコストがかさみ、利益が出ない可能性があります。

楽天市場に出品する商品は、仕入れ値が安い商品を選択しましょう。

競合商品や他店に関する調査が甘い

競合商品や他店に関する調査が甘く、対策が不十分だと、売上が伸び悩むでしょう。

他店の価格設定だけでなく、サービスや商品の質などをリサーチし、自店で改善できるポイントがあれば対策してください。

たとえば楽天市場では、ポイント還元率やレビュー特典、送料設定などで他店と差をつけるところがみられますよ。

売上につながる商品がない

売れ筋商品がない店舗は、売上を立てにくいです。店舗の知名度を上げてリピーターを増やすためには、利用者の入口になる需要の高い商品を用意してください。

高い需要がある商品を積極的に売り出せば、新規ショップでも売上を立てやすいでしょう。

急に売上が落ちた場合に考えられる原因は?

今まで順調に伸びていた売上が急に落ちてしまうことは、楽天市場で店舗を運営していく中でよくある悩みです。急に売上が落ちた場合は、次に挙げるポイントを確認してください。

  • 競合店が値下げした
  • より高品質な類似商品が登場した
  • よく売れる商品が欠品している
  • 低評価のレビューがついた
  • ペナルティが発生している

これらはすべて、楽天市場での検索順位が低下する原因です。検索順位が低下すれば利用者の目に留まる頻度が減り、売上が低下してしまいます。

他店のリサーチ・対策や適正な在庫管理を徹底するとともに、丁寧な顧客対応をおこなうことで順位が回復してくるでしょう。

商品を定期的に改善・リニューアルすることも、継続的に売上を出すために大切です。

またペナルティが発生する原因の1つに、楽天への料金未払いがあります。プラン料金の支払い時期を忘れないでくださいね。

楽天に出店して後悔しないために押さえておくべきポイント

楽天市場への出店で失敗・後悔しないためにできることが気になりますよね。ここからは、楽天への出店で押さえておくべきポイントを解説します。楽天出店をやめたいと思う前に、この記事を参考にして対策してください。

利益率を計算する

楽天市場への出店における利益率を計算しましょう。

楽天に支払う手数料だけでなく、送料や人件費、広告費、仕入額を加味して原価を計算してください。そのうえで利益率や扱う商品数などを考慮に入れて、適切な出店プランを選びましょう。

楽天のページでは、出店・運営の料金シミュレーションができます。目標とする月商・予想される客単価・取り扱い予定の商品ジャンルを計算ツールに入力すれば、3つの出店プランを比較検討できますよ。

また利益率を上げるためには、仕入先を見直すことも検討しましょう。

(出典:プラン・費用|楽天)

商品や他店のリサーチを徹底する

自店の商品や同様の商品を販売する他店のリサーチを徹底し、他店と差別化を図りましょう。価格設定はもちろん、商品画像や説明文、特典やキャンペーンなどの他店の動向をこまめにチェックし、把握しておくべきです。

また売上を立てるための施策や商品の入れ替えをおこなうためには、自店で販売する商品の需要をリサーチすることも大切です。

商品の認知度を上げる

楽天市場で儲かるためには、商品の認知度を上げる工夫をしましょう。

広告運用に加えてプレスリリースやSNSでの情報発信を活用して、人の目に留まる機会を増やしてください。

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楽天市場への出店は、さまざまな手数料や競合店舗の多さなどが理由で「儲からない」といわれています。

楽天市場で売上を立てるには、利益率の計算や他店のリサーチが必須です。しかし1人ですべてを対策するのは難しいと感じる方も多いでしょう。

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