顧客データ活用の内製化、実施企業はわずか14%に 【企業の顧客データ活用に関する調査】

ECのミカタ編集部

-企業の顧客データの活用に関する調査 – 課題は人的リソース不足!?顧客データ基盤を構築・運用している企業はわずか36.2%と判明

インキュデータ株式会社(以下:インキュデータ)は「企業の顧客データ活用に関する調査」を実施、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査期間:2023年12月21日〜2023年12月25日
◆調査内容:企業の顧客データ活用に関する調査
◆調査方法:インターネットによるアンケート調査
◆調査対象:経営・経営企画、営業・販売、企画・調査マーケティング、情報システム、DX推進、その他に従事している人を対象
◆調査会社:クロス・マーケティング
◆有効回答数:1506人

◆出典元:企業の顧客データの活用に関する調査(インキュデータ株式会社)

3割以上が「顧客データ基盤を構築・運用している」

顧客データ基盤の整備状況について尋ねたところ「分からない」を除き、「顧客データ基盤を構築・運用している」が36.2%で最も多く、次に「顧客データ基盤はなく、かつ構築の予定もない」が10.6%、「顧客データ基盤を構築中である」が8.6%、「顧客データ基盤はないが、構築を検討している」が5.6%と続いた。

上記において「顧客データ基盤はないが、構築を検討している」「顧客データ基盤はなく、かつ構築の予定もない」と回答した人に、顧客データ基盤を整備していない理由を尋ねたところ「社内で顧客データ基盤を運用する人的リソースがいないから」が35.4%で最も多く、次に「データ活用の重要性が社内で理解されていないから」「統合/分析した顧客データを活用するためのシステム環境が不足しているから」が同率の25.0%と続く結果に。

人手不足、ノウハウ共有、システム環境などが大きく起因している状況がうかがえるだろう。

内製化/自走化に積極的に取り組めている企業は少数

顧客データ活用領域における内製化/自走化に関しての方針について尋ねたところ「データ活用に関する全ての業務を内製化/自走化をしたい」が35.6%、「データ活用に関する一部業務は内製化/自走化をしたい」が42.8%と、合わせて78.4%の企業がデータ活用に関する業務を内製化/自走化したいと考えていることが明らかになった。

内製化/自走化に関しての方針については「全社でデータ活用の内製化/自走化に積極的に取り組んでいる」がわずか13.9%と、データ活用の内製化/自走化が積極的に取り組めていないという状況が判明した。

また「データ活用に関する全ての業務を内製化/自走化をしたい」「データ活用に関する一部業務は内製化/自走化をしたい」と回答した人にその理由を尋ねたところ「自社にて顧客データ活用のノウハウ、ナレッジ、経験の蓄積のため」の51.0%がトップにあがった。以降は「外部への委託コストの削減のため」の36.2%、「ビジネス変化への柔軟な対応のため」が33.9%と続く。

ノウハウ、ナレッジ、経験の蓄積に加えて、委託コストの削減が実現できる内製化/自走化は大きな魅力を持つ。しかし、積極的に取り組んでいる割合は少なく、現実問題として様々な課題が立ちはだかる状況が見受けられるだろう。

内製化/自走化に向けて多くの課題が存在

テクノロジーの急速な発展とそれに伴う消費者行動の変化が続く現代のビジネス環境において、顧客ニーズを把握するためにも、企業において顧客データ活用は重要な経営課題の一つになりつつあるだろう。

さらに迅速かつ柔軟な意思決定やアクションを行うために、データ活用を企業自らが推進する「データ活用の内製化/自走化」のニーズが高まり続けている。一方、本調査によって人材やノウハウの不足など、自走化に向けて多くの課題が存在していることが明らかとなった。

現代のマーケットにおいて、パーソナルデータの活用は市場拡大、売上向上に必要不可欠なものといえる。的確かつスピード感を持ったデータ活用を実現させるためには、外部サービスの活用なども選択肢の一つとして考えられるかもしれない。費用対効果を考慮しつつ、効果的なデータ活用環境の構築が求められるだろう。

変更履歴:本文を一部変更いたしました。(2024年4月1日 16:50)


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事