DeNA近況 田中事業部長語る!モール刷新で何が変わる?
リニューアルのポイントはパソコンとタブレットで、スマートフォンと共通したデザインでいこうということ(※)。
スマートフォンがメインでも、様々なデバイスを活用しているので、どちらでも同じ感覚でショッピングを。
DeNAショッピングは、若年層を中心にリーチ。auショッピングモールはポイントを有効活用するauユーザーの幅広い層。
DeNAショッピングもauショッピングモールも。パソコンとの連携で使いやすく!
ECで話題の企業をどこまでも追いかけよう!そんな想い。だから「密着!近況まとめ」を企画している。今回は、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)にやってきた。
DeNAは、同社が運営する「DeNAショッピング(http://www.dena-ec.com/)」「auショッピングモール(http://m.aumall.jp/)」に関してリニューアルを行った。読まれている読者の中には、同モールに出店している店舗も少なくないだろう。何が変わるのか。ショッピングモール事業部長田中慎也氏に話を聞いてみた。
リニューアルはパソコン版で行われ、スマートフォンと共通したデザインにする、という。DeNAはショッピングモールのサービス名が「ビッターズ」だった時代から今の「DeNAショッピング」に名前が変わるに至るまで、モバイルのイメージが強く、現にそこで力を発揮した。
ただ、田中氏は「たとえ普段スマートフォンを使うお客様であっても、自分が置かれている状況に合わせて、様々なデバイスを活用している。パソコンとタブレット向けのレイアウトを、弊社のベースであるスマホの仕様に合わせることで、利便性を向上させることができると考えています」と話す。スマートフォンを軸としながらも、パソコンやタブレットでも共通のデザインを取り入れ、どちらでも同じ感覚でショッピングを楽しめるようになる。
「DeNAショッピング」と「auショッピングモール」では、モールにありがちな「ただ様々な店舗の商品が並んでいる」というところから「モール側が商品をセレクトし、それを良質な特集や企画で編集して商品の魅力を引き立たせる」ことで、他モールと差別化を図る動きを進めている。ただ、それにおいても今までは、主にスマートフォンで企画の作り込みをしていたので、パソコンで適用できなかった。モバイルでの熱中度を維持しながらパソコンでも閲覧できるようにしていく。
以前の取材の際にも書いたが、リアルなcaféにも取り組み、そのcaféでDeNAショッピングの商品を販売したり、商品の持つ世界観を大事にするんだ、という強いメッセージを発していた。“セレクトショップ”ならぬ“セレクトモール“といったら良いのだろうか。コンテンツを大事にして、 DeNAなりの感度の高いモールを目指す流れが、今回のリニューアルによってより結実することになりそうだ。
リニューアル後の成果として、商品への到達率があがっているという。パソコン版でも商品をある特定のカテゴリーごとに特集コンテンツをまとめることで、SEOによる集客効果も更に高まっている。「最終的にはスマホ、パソコン、タブレット端末等デバイスごと、商品ごとどういう見せ方がいいのか、というのも愚直にやっていきたい。」と話し、「そうしたコンテンツの充実と並行し、同日に実施した検索エンジンの刷新により、検索精度も高くなったので、あらゆる意味で使いやすくなっていきます」と付け加えた。
(※脚注)2015年8月現在、タブレットへの最適化はDeNAショッピングのみ。auショッピングモールではスマートフォン版のレイアウト表示となっているが、追って対応予定。
比較!DeNAショッピングとauショッピングモールの違い
今回のリニューアルは「DeNAショッピング」と「auショッピンモール」の両方が対象だ。最後に、両者の違いについても確認しておきたい。まず、「DeNAショッピング」においては携帯キャリアに左右されることがないので、マスに向けて展開。ただ、これまで同社がモバイルでの実績が特に高いことから、モバイルをベースに生活する若年層からの支持が特に厚い。他のモールに比べてアパレルカテゴリーの商品が売れるのはそういうこともあるのだろう。この層を強化するべく、コンテンツ力の向上を目指している。事実、ファッション誌のようなウェブマガジン「Lily(http://www.dena-ec.com/lily/index.html)」を出しているのも、その一環。8月末からの「Lily」が読み物の増加などでリニューアルを行うとしており、購買力を高めるコンテンツ作りに注力していく。
一方で、auショッピングモールは、例えばSEMを使っていいキャッチで集客しても(3キャリアのうち1つだから)三分の二の確率で、ユーザーはauショッピングモールを利用できない。なので「auショッピングモールについては、マス的に取りに行くということはせず、au経済圏にある人に対して、auショッピングモールの認知を広め、お得なポイントやクーポンを活用して購入いただくことに重きを置いています」と話している。
現に、auショッピングモールでは、auユーザーに限られるとはいえ、顧客層も25歳〜45歳と幅が広く、食品や日用品、家電系などが売れているが、獲得出来るポイントを活用すると、auショッピングモールで購入する方が安い場合がよくあり、それは、この「ポイント還元によるメリット」に気づいているお客様が多いからだ。この辺りのお客様の買い方はDeNAショッピングとは一線を画す。つまり、auユーザーがauであることのメリットをそこで感じられるように、このauショッピングモールが機能をしている。
思うに、スマホ、タブレット、パソコンと今や購入の場所も多様化しているし、購入する理由もウェブマガジンの内容だったり、携帯電話のキャリアの付加価値を利用するものだったり、とお客様側も賢く使い分けているという印象がある。だからこそ、店舗においては、お客様の購入シーンを思い浮かべ、そうしたお客様の動向を見据えながらの商品のセレクトや展開してみては、いかがだろうか。DeNAはそうした時代の流れに即した動きで、新たな道筋を作ってくれているので、必ずやそうした取り組みに答える結果が出てくるだろう。DeNAの動向には引き続き、注目したいと思う。
企画・構成 石郷“145” マナブ
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