感情を分析するzenclerk、中小規模EC向けに展開開始!

福島 れい

ユーザーを見つめ、丁寧なおもてなしを!

ユーザーがECサイトに滞在している時間の中でも、購入意欲が高まっているタイミングと、下がってしまうタイミングがあると言われている。この気持ちの変化に対応し、的確なアプローチをしかければ購入率が高めることができるのだ。ユーザーの動きを分析し、購入率を高めようという動きは大規模ECサイトから始まり、中小規模なECサイトへも広がりを見せている。

Emotion Intelligence(エモーション インテリジェンス) 株式会社(以下、emin)が、新サービス「zenclerk lite(ゼンクラーク・ライト)」の提供を開始した。「zenclerk lite 」は、これまで大規模ECサイトでなければ利用が難しかった「ZenClerk」を中小ECサイト向けに展開したもので、最短1分でクーポンの提供設定ができるなど、より簡単にWeb接客を取り入れられるサービスとなっている。

「ZenClerk」は感情を解析する人工知能エンジン「Emotion I/O」を利用したECサイト向け購買行動解析・販促サービスで、サイト訪問者の感情の高まりを検知してインセンティブを配信する仕組みになっている。これにより、「最後の一押し」が必要なユーザーにのみクーポンを配信し購入率を上げるとともに、必要のないクーポンのバラマキを避けることで、クーポンがなくとも購入するようなユーザーには割引をしない価格で購入してもらえるようになる。

「ZenClerk」は、人工知能および機械学習が自動でインセンティブ配信の精度を向上させていく仕組みで、使えば使うほど効果を高められるというのが強みの1つだ。一方で、自動学習を行うには月間3,000CV程度のサイト訪問者数が必要となり、大規模なECサイトに限っての利用となっていたという。

「zenclerk lite」では大規模ECサイトで蓄積した購買行動に関する知見をもとにアルゴリズムを設計し、これまで「ZenClerk」の利用が難しかった中小規模のECサイトにおいても人工知能によるインセンティブの自動配信・制御を行うことを可能とした。

ここ最近、人工知能や機械学習を用いたWeb接客が注目を集めているが、実際に導入をとなるとまだまだ大規模なECサイトにおいてという印象が強いが、それも変わり始めてきているのではないだろうか。今回の「zenclerk lite」のように中小規模のECサイト向けのサービスやKARTE TALKのようにコミュニケーションツールとしても活用できるようにするなど、より使いやすく、導入しやすくという動きが感じられる。

ECサイトにおけるユーザーは”見えない”存在ではなくなってきている。自社のユーザーはどんな人なのか、どんな対応をすればより成果が上がるのかをzenclerkの力を借りることによって分析し、売り上げに繋げていく事が重要な時代になってきている。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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