Yahoo!・楽天・ラクーン...熊本地震での各社の軌跡

ECのミカタ編集部

ラクーンが繋ぐ、EC企業と被災店舗の絆

4月14日(木)、あの阪神淡路大震災と同じ規模の大地震が熊本の大地を揺らした。今回のように九州地方で震度7の地震が起こったのは観測史上初めてのことで、発生から一週間以上経った今でも被災地では混乱が続いている。

多くの企業が被災地の復興支援に立ち上がる中、EC業界でも様々な動きが見られた。

株式会社ラクーン(以下、ラクーン)はEC支援企業だからこそできる支援を行っている。ラクーンは、自社で運営している卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」にて「被災地店舗 要望掲示板」を開設したのだ。

スーパーデリバリーは2002年よりBtoBサイトとして開設され、今日も、商品を卸したいメーカーと、仕入れをしたい小売店による取引が行われている。そんなスーパーデリバリーのサイト上に開設された「被災地店舗 要望掲示板」では、被災された小売店がスーパーデリバリーに出展している企業に対する要望を書き込むことができる。

震災復興支援のかたちは様々で、募金をすることも、物資を送ることも、私たちが行える十分な支援だろう。しかし、まず何をするにも必要なのが”情報”だ。EC業界にかかわる立場として被災された店舗さんを支援していくには、被災地の店舗さん情報が入ってこないと、なかなか行動に移しにくい。

そこで、まずラクーンが企業と小売店の情報共有〈コミュニケーション〉の場を設けることで、復興支援をしたいという気持ちを”支援”しているのだ。「被災地店舗 要望掲示板」は、実は、2011年の東日本大震災発生時にも開設され、多くの小売店・企業から「精神的な支えになった」との反響が寄せられたという。

Yahoo!・楽天、モールが届ける消費者からの復興支援

Yahoo!・楽天、モールが届ける消費者からの復興支援

EC企業による支援の方法として、ふるさと納税を利用した支援も広がっている。ヤフー株式会社(以下、Yahoo!)は、「Yahoo!ふるさと納税」上に開設したまとめページで、「被災地域にある自治体への寄付」と「被災地域以外の自治体による被災地支援」をまとめている。

さらには、同サイト上では、Yahoo!からの寄付みならず、ソフトバンクグループ株式会社の株式会社さとふるが運営するふるさと納税ポータルサイト「さとふる」、楽天株式会社が運営するふるさと納税専用サイト「楽天ふるさと納税」、株式会社トラストバンクが運営するふるさと納税情報総合サイト「ふるさとチョイス」といった、他社のサイトと連携し、各サイトから寄付可能な地域への誘導も行っている。

東日本大震災のときもそうだったが、混乱状況下では、情報が錯綜し、何を信頼してアクションを起こせばいいのか不明確になる場合がある。しかし、ふるさと納税のように、これだけの大手企業が募っている寄付となれば、そこにおける信頼の度合いが違ってくるだろう。

被災EC店舗支援、必要なのは”情報”

被災されたEC店舗さんにとっては、毎日不安な日々が続いているはず。一般的な復興支援は行われているものの、EC店舗さんだけに目を向けた復興支援は、何をどうしたらよいか明確になりづらく、難しい。

ただ、そこでシンプルに考えてほしい。大事なのは私たちの意識だ。まず支援する側の私たちが手に入れなければならないのは、”正しい情報”なのではないだろうか。得た情報を”正しい情報”と判断する軸は難しいが、Yahoo!・楽天のように、名の通った企業が発信する情報はやはり信頼が寄せられる。

ラクーンは、EC企業がEC店舗さんのリアルな声に耳を傾け、直接情報を得られる場を提供している。”ECによってECを救うことができる”、そんな可能性をラクーンは魅せてくれているのではないだろうか。

インターネットが登場してわずか20年ほど。ECが当たり前になってきたのもここ10数年でのことだが、これまでECが培ってきた技術と信頼は、人々の暮らしに多大なる変化を与えてきた。そうしてECが築いてきた歴史が、今こうして信頼を持たれ、人の役に立てるという現実の中で力を発揮しているのだから、それはとても感慨深い。

地震発生から一週間経った今、他のEC企業による積極的な動きも多く見られる。しかしそういった動きの中で、やはり一番の要になってくるのが”情報”だろう。一日も早い復興に向けて、私たちEC業界は正しい情報で正しい支援を行うことがきっとできるはずだ。ECの可能性を信じよう。


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