Amazonセラーカンファレンスで語られたこと

プライム会員数が年々増加!

 アマゾンジャパン合同会社(以下、Amazon)は、本日、「Amazon セラーカンファレンス2016」を開催、約500名の販売事業者が出席した。社長 ジャスパー・チャン氏による挨拶に続き、ディレクター兼セラーサービス事業本部 事業本部長 星健一氏により、Amazonマーケットプレイスにおける成長戦略が説明された。さらに、Amazonで成果を上げる販売事業者によるトークセッションも行われた。

 星氏からは、「ユーザーへの支援」と「販売事業者への支援」に分け、Amazonの各種サービスが説明された。まず、「ユーザーへの支援」については、「配送のスピード」「プライム会員」「Amazonログイン&ペイメント」が挙げられ、会場では、星氏の講演中に、手元のスマートフォンから、プライムナウで商品を注文、41分後にステージに届くという演出もあった。

 配送スピードに関しては、プライムナウに加え、日本における「当日配送」の達成率が84%、「翌日配送」の達成率は96.7%であると発表、そのスピードをアピールした。

 また、「プライム会員」については年会費3900円で「買う・見る・聞く・読む・写真を保存」と多様な利用法があることを改めて説明、お急ぎ便をはじめとする会員限定サービスを強調した。全世界において、プライム会員数が2015年に前年比51%増となったという。

 「Amazonログイン&ペイメント」については、Amazonからの購入を”オンアマゾン”とするのに対して”オフアマゾン”と表現し、ユーザーの利便性向上を説明した。

Amazonこだわる販売事業者へのサービスとは?

 「販売事業者の支援」に関しては、物流代行の「フルフィルメントby Amazon」(以下、FBA)をはじめ、いつでもどこでも出品管理が可能な「Amazon出品アプリ」やビジネスを成長させるためのアドバイスを伝える「Amazon出品大学」、「Amazonレンディング」、「密林会」、「海外進出サポート」等の説明があった。

 Amazonの販売ユニット数全体に占める販売事業者からの販売は、2014年に40%だったのに対し、2015年には50%まで増加している。この増加の理由の1つは、FBAにある。FBAの利用数は、わずか5年の間に1.5倍増加している。注目すべきは、FBAを利用した場合の購入率が、自社発送に比べ大幅に高まることだろう。その結果、FBAを利用し売り上げが2倍になった事業者が50%を超えているという。商品を納品するだけでスピーディーな配送が行えるFBAの強みが活きた成果と言える。

 「Amazonレンディング」は、ビジネスを拡大するときの資金融資を行うサービスだ。融資依頼の有無に関わらず、審査を行っているため、最速で翌営業日に融資を受けることができる。迅速な資金調達を実行できると評判だ。

 また、「密林会」とは、販売事業者の横の繋がりを大切にするために作られた団体である。実際に販売事業者同士で情報を交換し合うことにより、悩みを共有することができたり、売り上げ向上のヒントが得られたりする。

 海外進出に関しては、米国Amazonの出品が予想以上に伸びているそうだ。ヨーロッパ諸国への進出の際には、米国のAmazon.comに出品した際に作成した商品カタログをそのまま英国Amazonに持ち込むことができ、さらに各国の言語に自動翻訳することも可能だという。この時、FBAが配送のサポートをするのは言うまでもない。

 今回、約500名の販売事業者が出席していることから、Amazonの利用者が多いことを実感した。それは、やはり、ユーザーにも、販売事業者にも充実したサービスを提供していることが大きな理由として考えられるだろう。ユーザーや販売事業者の立場となって、必要なサービスのみを提供しているAmazonだからこそ、多くの人に愛され、利用されるのではないだろうか。

 なお、実際にAmazonで販売している事業者のトークセッションについては、来週の月曜日に【続報】として公開する。トークセッション後行った独自取材内容も記載する、お楽しみに・・・。

(文:伊藤愛沙美 福島怜)