ネットで本物の野菜を育てるテレファームへ楽天が出資

福島 れい

栽培方法を知って、野菜の本当の価値を知る

 インターネット上で有機栽培野菜を育てて、収穫した野菜が自宅に届く。そんなサービスがあるのをご存じだろうか?

 これは株式会社テレファーム(以下、テレファーム)の遠隔農園「テレファーム」というサービスだ。インターネット上の”遠隔栽培システム”と現実の”農場”が連動しており、WEB上で指示(栽培作物の選択、栽培方法、使用資材)した通りに実際の農場で栽培し、収穫された有機栽培野菜が自宅に届けられるという仕組みになっている。イメージとしては、ユーザーがWEB上で「耕す」ボタンをクリックすると、現実の農場で「クワ」を使って耕してくれるというもの。

 このような取り組みは、消費者と農家を結び付ける地域支援型農業(CSA:Community Supported Agriculture)とも呼ばれ、消費者は自らが監修した野菜を、農家は安定した収入と販路を得ることができる。どこでどのように栽培した野菜かわからないという消費者の不安を解消しつつ、農業の発展に繋がると期待が集まっているのだ。

 今回、楽天株式会社(以下、楽天)からテレファームに出資したという発表があった。この出資には、楽天が創業時から掲げる”インターネットで人々と社会に力を与えること(エンパワーメント)”を農業においても実行していこうという意図がある。今日の農業は、農業就業人口の減少、高齢化、耕作放棄地の面積増加など、農家や農業を取り巻く環境は厳しい。ここにインターネットが寄り添そうことで、農業の活性化を進めることができるのだ。

 私たちが日々、購入している野菜はどんな人に作られ、どうやって育てられて、食べているのだろう。楽天で購入している人のどれだけの人がモニターの前にいて買うものに季節感を感じているだろう。ここへの理解が深まることで、お客様は、今楽天で購入している野菜に、価値を感じることにもなるのではないだろうか。


記者プロフィール

福島 れい

ECのミカタ編集部に所属するバドミントンと和服、旅好きの記者、通称れーちゃん。ミニ特集「アパレルECの未来(https://goo.gl/uFvr2C)」等、これからEC業界がどんな風に発展していくのか。に注目しながら執筆しています。2017年の執筆テーマは、”私にしか書けない記事をタイムリーに”。

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