【ヤマト/日本郵便/佐川急便編】2016上半期、注目ニュースまとめ
2016年も、もう半分が過ぎようとしています。
この半年間、EC業界においてどんなニュースがあったのでしょうか?
あなたはどのくらいこの業界のことを把握できていますか?
上半期の押さえておくべき注目ニュース、まとめてみました。
【EC業界総合編】https://goo.gl/nmv97v
【楽天/Amazon/Yahoo!編】https://goo.gl/OgFIW0
配送業界において共通して見られたのは、“再配達”の問題についてです。各社どのような取り組みでその問題に立ち向かったのでしょうか?
佐川急便の“再配達”への挑戦
1位 手ぶらで観光、「バスタ新宿」に佐川急便が宅配カウンター開設
(https://ecnomikata.com/ecnews/8532/)
新宿ダンジョンに、宅配カウンターを設置!そこでは“あの人気者”が大活躍しています。佐川はある2つのキーワードに注目した動きをしているようです。
2位 【速報】事実だった!日立と佐川の資本業務提携
(https://ecnomikata.com/ecnews/8478/)
テーマは「”ロジスティクス事業”と”デリバリー事業”の融合」です。再配達の問題について取り組んでいきます。
3位 東京23区なら当日中に!佐川急便の即配サービスって?
(https://ecnomikata.com/ecnews/8362/)
各社が取り組む“スピード配送”ですが、この動きも再配達防止のための施策のようです。それが顧客満足度にもつながっていくのですね。
4位 【速報】佐川急便、フィリピン企業と業務提携
(https://ecnomikata.com/ecnews/9474/)
フィリピン国内の配送は佐川にお任せ?!そんな業務提携の動きが6月10日にありました。越境ECとの相乗効果も期待できそうです。
5位 ECの要「配送」へ、佐川急便が贈る環境配慮
(https://www.ecnomikata.com/ecnews/8392/)
エコ配だけではない!環境へのアプローチは、地球に優しいCO2の削減です。これからも環境負荷低減に積極的に取り組んでいきます。
“配達問題” も意識した佐川急便の連携劇
佐川急便の“再配達”問題への取り組みは、株式会社日立物流(以下、日立物流)とSGホールディングス株式会社(以下、SGホールディングス)及び佐川急便株式会社(以下、佐川急便)の資本業務提携にも現れています。この業務提携にあるのは、日立物流に見られる、企業間物流に見られる大きな倉庫などでのやり取りから、佐川急便における事務所間などの企業のやり取りに至るまでの幅広いサービスを一手に、フォローするところにあります。
両社が手を組むことで、業務の効率化を図り、必要なところに、人材を当て込むことで、再配達で生じた人材不足を解決できそうに思います。また、「”ロジスティクス事業”と”デリバリー事業”の融合」をテーマに掲げ、国内貨物需要の伸び悩み、人手不足が原因のコストの増加等の問題を解決、そして顧客のニーズの高度化、多様化に応えることを目的としています。
現状配送するにあたって、物流業界は現在人手が足りなく、コストが増加していますが、一方で消費者のニーズは年々高度化しています。消費者ニーズに応えるためには、人手不足の中でどう効率的に配達していくかが問われてくるでしょう。そこで再配達問題を解消することが重要になってくるのです。
詳しい業務提携の内容としては大きく5つあります。①お互いの顧客基盤を活用した営業連携による提案力の強化及び事業拡大、②車両集中管理やセンターの共同活用による稼働率向上と効率性の追求、③両者のIT・LT技術を駆使した最先端物流への取り組み、④アジアを中心としたグローバル事業の強化、⑤リソースの相互活用と連携による周辺事業の強化です。以上のことを行い、再配達問題を解消していく模様です。
日本郵便の“再配達”への挑戦
1位 日本郵便、郵便料金割引の変更でDMコスト増!EMS値上も
(https://ecnomikata.com/ecnews/7928/)
ダイレクトメールを打っているECサイトは、少なからずコストアップの影響があったのではないでしょうか?
2位 日本郵政・ファミマ両社が海外配送事業報道「否定」
(https://ecnomikata.com/ecnews/8442/)
ファミリーマートと日本郵便が提携し、海外配送事業に参入するというニュース。一度は否定されたものの、その後正式に発表があったとか、なかったとか。答えはこちらの記事でどうぞ。
3位 【比較してみた】ヤマトと日本郵便、発送→受取新サービス
(https://ecnomikata.com/ecnews/8447/)
日本郵便の絶対的な強みは、○○○!非常に合理的なシステムですね。24時間都合がいい時に配送出来ます。
4位 日本郵便が目指す新しい宅配便の形 「各種サービス拡大」の真相に迫る
(https://ecnomikata.com/original_news/8463/)
日本郵便が配送を変える、そんな想いを持って提供している「はこぽす」「ゆうパック」など各種サービスについて独占取材させていただいております。
5位 ecbeing×日本郵便!45,000か所以上で商品受取可能に
(https://ecnomikata.com/ecnews/8821/)
EC事業者にも、消費者にもメリットが。ECで購入した商品を受け取る手段が、どんどん増えていきますね。
受取場所の拡大で“再配達”現象へ向かう日本郵便
日本郵便株式会社(以下、日本郵便)による再配達問題への取り組みの1つとして、株式会社ecbeing(以下、ecbeing社)との業務連携したことが挙げられます。詳しくは、国内初の取り組みで、ecbeing社が提供しているECサイト構築パッケージソフトの「ecbeing」と、日本郵便が提供するコンビニ・郵便局窓口受取サービスがシステム連携し、荷物の受け取りが国内のコンビニ45,000か所・郵便局・はこぽすなど、全てで受け取り出来るようになりました。
この連携はecbeingを利用してECサイトを構築した事業者・消費者・日本郵便においてメリットがあると考えられます。独自ドメイン店舗による受け取り場所の幅の拡大は、その利便性によって、購入したいという消費者もいると思います。そうすると、受け取り場所が多いからという理由で購入する人により、お客様が増えます。
一方で消費者からすると受け取り場所が多いため、自身の状況にあわせて商品を受け取ることができます。また日本郵便にとっても家まで届けるという選択肢1本ではなくなるため、その分再配達を減少させられるのです。
日本郵便株式会社 執行役員 郵便・物流営業部担当 津山克彦氏は再配達問題に対して、
「国土交通省の調べによると、再配達の 割合は約2割に達しています。再配達は EC通販の利便性を損なうものです。即日発送をしても意味がなくなりますし、次の購入意欲を削ぐことにもなります。 宅配便業者にとっても、もともと人手不足な上に、手間が増えることになります。EC業界の成長を妨げないためにも、 もっと効率的な宅配便の仕組みを作る必要があります。今まで、宅配便というのはご自宅で荷物を手渡しするものでした。 けれど今、ライフスタイルが変化して、 皆さんが日中ずっと家におられるわけではないですよね。もっと受け取りやすいよう、発想を変える必要があります。(引用)」
とコメントしています。そこからも日本郵便の再配達問題解決への意志がはっきりと感じられます。
ヤマト運輸の“再配達”への挑戦
1位 【速報】メルカリユーザーに朗報!配送はファミマでOK
(https://ecnomikata.com/ecnews/8258/)
近くにヤマト運輸の営業所が無かったメルカリユーザーも、ファミマで配送できることにより、利便性が増しました。これにより、出品者も増えたのではないでしょうか。
2位 ヤマトがフランス郵便の知恵を導入!再配達解決へ!
(https://ecnomikata.com/ecnews/7891/)
フランス国内に250台設置しているオープン型ロッカーの「ネオポスト」が合併会社の設立に向けて合意しました。日本国内でオープン型宅配ソリューション実現へ!
3位 【速報】ヤマト運輸、JR駅へ「宅配便受取りロッカー」設置
(https://ecnomikata.com/ecnews/8944/)
上記、2位のニュースから約3ヶ月後。JR東日本の首都圏駅にオープン型宅配ロッカー「宅配便受取りロッカー」を設置することを発表しました。6月以降、設置されているみたいです。
4位 【速報】「らくらくメルカリ便」が進化!自宅に居ながら発送?
(https://ecnomikata.com/ecnews/9619/)
らくらくメルカリ便、遂にヤマト運輸が自宅まで集荷しに来てくれるようになりました。どんどん発送方法が進化していきますね。自宅が最上級の便利さなのでしょうか。
5位 ヤマト、AI使いLINEで荷物状況問い合わせ!
(https://ecnomikata.com/ecnews/9751/)
LINEにて会話をするように荷物状況の確認とお届けの日時・確認ができるようになりました。その秘密は・・・AI?
受け取りロッカーで攻めるヤマト運輸
ヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)はオープン型宅配受け取りロッカーのインフラを構築することにより“再配達”の問題を解決しようとしています。2016年1月末にフランス郵政グループ La Poste の子会社である Geopost と合弁会社「PackCity France」 を設立したネオポストグループと、合弁会社の設立に向けて基本合意したと発表しました。そして6月以降に実際に東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)の首都圏の駅へオープン型宅配ロッカー「宅配便受取りロッカー」の設置を進めることを5月中旬に発表しています。
そもそも「オープン型宅配ロッカー」とは、ヤマト運輸だけが利用するものではなく、他の宅配事業各社が共同利用できる新たなインフラです。JR東日本の駅に設置されるオープン型宅配ロッカーは、現在ヤマト運輸はもちろん、日本郵便と佐川急便も利用することができます。争い合うのではなく、各社共同で再配達問題に取り組んで行く姿は、日本の配送がより便利になっていく予感がします。一方でそれほど配送業界の人手不足が深刻になっているとも取れるでしょう。
また、ヤマト運輸はLINEを使った再配達問題にも積極的に取り組んでいます。2016年1月19日にヤマト運輸公式LINEアカウントにて、クロネコメンバーズのクロネコIDと「LINE」の連携が始まり、大きな話題を呼びました。その際はトーク画面で「お届け予定メッセージ」と「ご不在連絡メッセージ」の配信・お届け日時や場所の変更が「LINE」から利用可能になりました。
そして6月27日にはサービスがさらに進化し、AIを使ったヤマト運輸公式LINEとのやりとりにより、消費者の利便性が増しました。まるで会話をするように、スムーズに荷物状況の確認やお届けの日時・場所変更が出来るようになったのです。このサービスがリリースしたことにより、「消費者は荷物が今どこにあるのか」という疑問をすぐに解決し、「日時を変更したいけれど、連絡が面倒」という状況でも手軽に連絡を取ることができるので、業者と消費者のすれ違いが減っていくでしょう。今後もヤマト運輸による再配達問題解消の挑戦は、続いていくことだと思います。